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うっすらいかがわしい&腐に見えなくも無い表現が混ざりますが、安心な私クオリティです。

それでも宜しかったらどうぞ。


 


 楽しく夕食と後片付けを済ませた私達は、今は家族向けのセミダブルのベッド2つがある部屋で寛いでる。



 お好み焼きの方は明日約束したリヴァイの分含む大人サイズは私がやっちまった。でもサーリーが食べ切れるだろう少し小さめサイズを作成して、本人にひっくり返す練習をしてもらった。

 練習の甲斐あり、今のサーリーなら良いお好み焼き屋さんになるよ!



 順番にシャワーを浴びてからは、サーリーとルシファーが片方のベッドの上で綺麗に洗った色鮮やかな貝殻の選別に忙しい。

 サルーの町に帰ったら、フェールさんに頼んで家族お揃いで持てる貝殻の装飾品にしてもらうねんて! 何それ素敵!!!


 テイム・モンスターには主になった人をモチーフにした紋様が刻まれるけど、目立たない場所に現れる事もあるから他人にも分かりやすく、装飾品を付けてあげるらしい。

 ルシファーだけやと寂しいからって、家族皆の分もお揃いで作ってもらうって……っ!


 ディルと2人で、サーリーとルシファーをぐりぐり撫でてすりすり頬擦りしまくりました。だって存在が尊い。



「……ルシファーの鱗、濃いめの紫だから……黒、……でも目立たないかなぁ……白は?」


「りゅるる、るるるぅ!」


「カッコ良いのかぁ……むうぅぅ」



 微笑ましい様子の娘とその相棒に貝殻の行方は任せて、私とディルはサルーの町に帰る段取りとその後のギルドでの依頼のアレコレを話し合った。


 人魚の村ローレライにはギルドも教会も無いから、村で生まれた子供達は7歳になったらわざわざルルの町に神託受けに行くねんて。

 ギルドで確認出来ない今、ディルご指名の依頼があるかどうか分からない。

 新鮮な魚介と海底の鉱物が並ぶ朝市も見て回りたいし、観光として村をぐるっと歩きたいしで明後日に村を出発して、ルルの町で出来る依頼こなしながらサルーの町に帰る事で話は纏まった。


 ……これから、エンゲル係数がね。きっと大変なの。

 ルシファーの後ろ頭を眺めながら、私は家計簿を握り締めた。





 そうして、ルルの町ならこんな依頼がある筈、とリラックスしながら話すディルに相槌を打ちながら……私は思い出していた。



 そういえばちょっと前に、ルルの町近辺の討伐依頼、ディルご指名であったよなぁ。お腐れ(ゾンビ化した)巨大なタコ。


 ……確か私と出逢って1週間、やったかな。1週間の内、ディルのレベル以上のモンスター討伐4つもあった。その中に、タコいた!


 ……レベルの高い依頼受けて生還したら、その噂って凄く広がるよな? なのに、何で連チャンで依頼したんや依頼主。どんだけや。何で疲れてる筈なディル指名してんねん。いや受けるディルもディルやけど!


 てか高レベルモンスター相手やねんから、数人組の噂でレベル80越えパーティーに頼めや! ディルが大怪我したらどないすんねん!

 今は私居るけど、ディル1人の時、絶対っ、痛い思いしてた筈……過ぎた事とはいえ、ぁあっ、むかむかもやもやするぅっ!






 ……こういう時は、癒しが必要や。







「っ……ふに、にゃっ……マイっ?」


「……充電中ですのでお気になさらず地図を眺めてくださいまし?」



 そう。気にしないで。

 ベッドで隣り合って座ってるディルのふわもこ虎耳、揉んでるだけやから。くねる尻尾も捕まえて揉んでるだけやから。

 癒し求めてるだけやから。気にしないで!



「っふ…………ぐるる、ぐるる、ぐるるる……」



 しばらく私にされるがままやったディルも、頬を赤く染めて私のぺったんこな胸元に頭擦り付け喉も鳴らして甘えて来た。……可愛い。



 チラリと隣のベッドに視線を向ければ、サーリーとルシファーは片付けも終えてぐっすり寝ていて。







 ……う〜ん。モラル的には駄目かなぁとは思いながら羞恥半分期待半分で、私は部屋の明かりだったランプを消しこっそり≪結界≫を発動させた。

 そして、その事を旦那様に耳元で知らせて…………。



 結論。

 今日も私達夫婦は、ラブラブです!














「やあ。お盛んだね?」


「言い方!!?」



 翌朝。

 寝不足気味の私に笑顔でそう(のたま)ったリヴァイに、彼女の取り分だったお好み焼き3枚を投げ付けたの、悪くないと思う。



「……っうまうま! もう、危ないなぁ。……何だ、恥ずかしいのか?」



 そんなに相手の匂い、撒き散らしてるのに?



 一瞬だけ青い蛇頭になったリヴァイがお好み焼きを一口で収めてから美女の顔に戻し、口をもぐもぐと動かしながらディルの方に視線を向ける。

 美女から蛇頭、そんですぐまた元の美女……なにその早変化(へんげ)

 そんで、ディルは恥ずかしがるどころか……。



「……マイが()()って自慢出来るの、嬉しい」



 うんっ、うっとり微笑みながら言うの、やめて!?



「……ぅぐうう……し、しばらくしない……」



 良く考えたらサーリーの友達の精霊×5も居たのに……居たのになんで盛り上がっちゃった私!!?

 顔から熱が取れん。恥ずかし過ぎるぅ!


 そんな、両手で真っ赤になった顔を覆う私の横にいるディルはと言うと。




「……俺が、……触りたいって、誘っても?」



 もっさり前髪の向こうにある金色の猫目を三日月に歪ませ薄く微笑んでる。余裕たっぷりに。



「………………………、要検討、しまふ」


「うん!」



 ……今、無性にアニスさんと語りたい。


 可愛いディルからジョブチェンジして現れた、雄感増し増しディルからの選択肢が一択しかない件について激しく語りたい。



 ……ギャップ萌えとは、恐ろしいモンです。



 あんなに楽しみにしてた朝市を、過保護発動させたディルによるお姫様抱っこ状態で見て回るという羞恥拷問の為に宿に早々と引き返したのも……しゃーないやんな?




 海竜亭は1、2階部分が人魚と魚人用の宿泊施設になっているので1階部分に扉、そして1階から3階部分に直通で行ける外階段があり、私達は外階段の先にある扉に向かった。



 からんからん、とドアベルを鳴らしながら扉をくぐれば海竜亭の主人であるギョロルお爺ちゃんが声を掛けて来た。



「ああ、おかえり。君達にお客が来とるよ〜」



 同郷の人らしいぞ、と指差す先にはちょっとした待合室的な受付カウンターと4人掛けの丸テーブル。

 その丸テーブルに1人の男が肩肘付いて、ディル並みの体格の男には少し小さなテーブルと揃いの丸椅子に座っていた。


 その男は黒髪の中に数束の濃い紅色が混ざった不思議な髪を適当に結んだのか、頭の後ろに少し不恰好な短い尻尾があるみたいになってた。

 茶色い外装は古ぼけててギリギリ穴が開いてない状態。



 でも、ディルを通り名にある月に例えるなら、この男は太陽を思わせる溌剌とした空気をその身に持ってる。

 明るい緑色の瞳で、ディルよりかは年上っぽいかな。顔は懐かしき私の故郷っぽい和風、しかしながらも目鼻立ちくっきりしたなかなかの男前や。


 男は酒瓶を持った手を軽く上げ、その視線をディルに固定した。



「……よう。生きてた、」

「ノーラン!!!」



 男が言い終わる前に、ディルはその男にタックルかまして床とお友達になった。


 ……床に穴、開くじゃないかってくらいの振動があったけど。気にしない。




「ノーラン! ノーラン! ノーラン!」


「五月蝿えっ! 重い! どきやがれ!」


「ノーラン! ふにゃにゃん! ノーラン!!!」


「おい擦り寄んなっ、うぶっ、テメェ何でいつも顔舐めんだよっ、はーなーれーろっ!」




 …………うん。穴は気にしない、けど…………この男、いつまで、私の旦那様に、触ってるのかな?

 ※タックル後押し倒し、すりすり&ぺろりんしてるのはディルムッド。男は羽交い締めされながらも頑張って抵抗中。



 私と同じ気持ちなのか、サーリーがルシファーと共に、私をじっとり、意味ありげに見上げてくる。




「……ルシファー、まだお腹、減ってる?」


「りゅっ!」



 うん。余裕ありそうやなぁ。

 なら…………あの男、ルシファーのデザートに、しちゃう?



「……っおいディルムッドどけ今すぐどけお前の嫁とガキがやべえんだよ殺気ヤバいんだよ気付け早く俺から離れろー!!!」




 男の雄叫びに、ルシファーの接近に気付いたディルから「人を襲ってはいけません」と2人と1体が仲良く説教されるまで、あと2秒。




そりゃあ、ラブラブした次の日に他の人に抱きついてたら…マイちゃん嫌がるよ、虎にゃんこ(笑)


そんなこんなで、新キャラ登場です!

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