プロローグ
平成最後のクリスマス・イヴとなりました。
そんな日ですが、新連載始まります。
あ。ヘンテコなタグが既にあったり、むしろこれからも増えたりするかもですが生暖かく見守っていただけると(笑)
コレ結構長くなりそう…とか今既に思ってますが、完結出来る様に頑張りたいと思いますのでお付き合い下さったら幸いです。
それでは宜しくお願いします!
「ありがとーございましたー!」
ふぁんふぁんと耳につく音の自動ドアをくぐってスーパーを後にした私は、頭の中で己を罵った。
……なんで自転車じゃない時に買っちまったの、私(涙)
「や、安いのが悪いのよ。うんうん」
肩に食い込むエコバッグ(学生時代にコンビニシール集めて貰ったクマのキャラ物)に気分は沈むけど。買い物自体は大満足!
だって休日前だからと帰宅途中にある良く行くスーパーに顔を出せば、普段使うメーカーの醤油が商品入れ替えの為に1リットル何と100円!
オマケにこれまた普段使うメーカーの本みりんが1リットル250円!
そしてそして、トドメに買い足そうと思っていた砂糖が1キロ100円!!!
最近は安くても本みりんは298円とかだったし。
それに醤油も砂糖も100円って……そりゃ買うでしょ?
オリゴ糖も体に良いって聞いて使った事あるけど、亡くなった母に教えてもらった肉じゃがはやっぱり砂糖で甘みをつけた方が私好みだったからなぁ。
砂糖見た途端気分が肉じゃがになっちゃったから、切らしてたじゃがいもと糸こんにゃくまで買っちゃって……お、重い。
事故で亡くなった両親と肩の重みに想いを馳せながら、私はいつもの交差点に差し掛かった。
大きな駅の近くにある交差点の為、買い物帰りの主婦や帰宅ラッシュの会社員やOL、あと近くの高校の生徒さんなんかも一緒に信号待ち。
「……えーまじかよ!それで!?」
「……ちょっと翔太、声大きいって」
「っち!しゃーねーじゃん向こうの音が遠いんだって!」
「いや、あんたは大声出さなくてもいいでしょ」
丁度、私の斜め後ろの高校生二人組がそんな会話をしていたと思う。
「萌は細かいんだよ!」
「ちょっとまって……!!!」
ここの信号は変わるまで長いのは誰でも知ってる。
だからスマホチェックに皆が俯き加減になる。
私は仕事終わりのエコバッグがとても重く感じてしまい、今日ばかりは両手で肩紐を持っていた。
だから、見えた。
私の右斜め前に、ベビーカーを片手でゆらゆら動かしながらスマホチェックしている奥さんが居て。
私の後ろにいたはずの高校生2人が笑い、ふざけながら近付いて来て私の肩にぶつかり。
ベビーカーを持つ奥さんにも結構な勢いでぶつかった。
信号は、まだ赤い。
奥さんは信号待ち最前列に居たので、ストッパーを掛けていなかったベビーカーは当然のように車道へと押し出された。
そして運悪く、入って来てしまった大型のトラック。
気付けば私はベビーカーに腕を伸ばしていて。
他に方法もあったろうに、遠心力に物を言わせて「せいっ!!!」と掛け声1つで奥さんの方にベビーカーを投げ飛ばしていた。
そして、車道に残った私はそのままトラックに…………。
「「「あれ?」」」
私はトラックと衝突せず、真っ白い部屋の真っ白いソファに3人で座っていた。