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 長らく消えてましたが生きてます。感想とかで生存確認して下さった方、有難うございます!


 とりあえず書きかけを仕上げて投稿します。見捨てず遊びに来てくれてた方々には感謝しても仕切れません…でもそこまで進んでないの申し訳ないorz

 マイ視点で進みます


 


 長かったナナシ率いる≪名無しの軍団(ノーネーム)≫との闘い、その後の話し合いも終わり切らずに就寝しちゃった私は目覚めたのが午前7時。疲れてたからかいつもより寝坊したみたいや。


 私とディルに挟まれて寝てたサーリーは熟睡、ディルは私と一緒に目覚めたみたいで、視線ぼんやりさせながら上半身起き上がらせてサーリー潰さん様に私の頬っぺたをぺろぺろ舐めてくる。くすぐったいだけで猫舌的なザリザリ感は皆無や。いつもと違って、恥ずかしさより癒しを感じた私はまだまだお疲れやと思う。

『仲良しなのー』って笑うルシファーの声が聞こえる中、しっかり両手で愛しい旦那様の虎耳ごと頭をわしわしもにもに撫で撫でしてから起き上がったのは言うまでもない。


 まだ寝てるサーリーは長い身体を頑張って縮こませて床の隅っこでとぐろ巻いてたルシファーに任せて、私は朝ご飯の準備をする為1階へ行く事に。ディルにはノーラン達の様子を見に行ってもらう為2階と3階を繋ぐ階段で分かれた。


 ……寝落ちしかけてたディルとサーリーは気付いてないかもやけど、アオツキちゃんが誤魔化した話を、私は、きっちりしっかり覚えてる。



「干渉は最低限で、見逃されてた? ……そんなんありえへんやろ」


 だってあの時、暴食のグラトニー(すえきち)の意識、記憶が消えてしまう前に教えてくれたのは()()に気を付けて、やったんやで?


 アオツキちゃんに話を聞いてて思い出した。私、昔プレイしたゲームの元ネタ知りたくて『マハーヴァーラタ』の概要をググった事あったんや。


 確か、スーリヤ神が神様の子供を宿せる特殊能力のある女性との間で子供が出来たって話があって……これはカルナの産まれた時の話やったかな。いや、もう何が酷いってこの母親、未婚で子供産んだの周囲にバレたくなくて赤ん坊のカルナを川に流したんやで!? そんで自分はえらーい王様に嫁いでんねん! 信じられへん!

 何が腹立つって、スーリヤ神には赤ちゃんの為に、その身を守れる鎧授けて〜とか願っといて、自分は赤ちゃん川に流すって所業にふざけんなやって所までガッツリ思い出したわっ!

 ……まあつまり、このお話でスーリヤ神は男神。呼ぶとしたら神、神様とかそんなんや。

 まぁぶっちゃけ、神様的な存在の性別の有無はよう分からんけど……きっと女神とは、呼ばん。

 精神的干渉を無効される筈の≪不変≫なんていうスキルも無視して記憶弄れるみたいやし。もう隠れるつもりもないんやろ。



 ぐるぐると思考しながらもキッチンにたどり着いた私は、手早く朝ご飯の準備を進める。

 といっても小さめに切った鳥肉入りの濃い目の出汁作って、片栗粉でユルいとろみ付けてから溶き卵入れてふんわりかき卵餡掛けスープにして、隣のコンロでお湯用意して茹でたうどんにかけるだけの私のお馴染みスピードメニューやねんけど。後はよそってからお好みで刻んだネギ乗っけるだけっと。ちょいちょいネギ連なってるのはご愛嬌や。


 ちなみに私はネギをこんもり乗っけるのが好き。ネギらぶ関西人は多いと思うよ!

 サーリーとルシファーが好きなバナナはストックあるからテーブルに既に準備済みやし…リンゴはちょいと不恰好なウサギさんに切っちゃったけど味は変わらん。うん。さっと塩水潜らせとこ。あ、猫舌ディル用にうどん3玉は先に茹でとこか。


 私と一緒であっさりした和食系好きなディルはあったかい麺類も好きなんやけど、種族的なもんで猫舌やから、いつもみゅーみゅー鳴いて火傷しかけながら麺啜ってる。

 私は、そんな旦那様のかあいい姿を冷えた水差し出しながら補給してる。思い出してもかあいい。今日もガン見する!


 そんな旦那様の可愛さを思い出しても消えない不可解へのムカムカを洗い物にぶつけてたら、階段を降りる足音が複数聞こえてきた。ディルとサーリーは手を繋いで、その後ろにルシファーがふよふよ浮かびながら続いてる。そのまた後ろには機嫌良く揺れるルシファーの尻尾をあしらい、あくびを噛み殺しながら階段降りて来たノーランと小脇に抱えられたアオツキちゃんが居た。私は隙見て問いただすの心に決めながらにっこり笑って朝の挨拶をした。


 そんな私に何か悟ったらしいディルが尻尾膨らませて怯えてたけど。気にしたら負けや。



 ――――――



 緊急依頼を乗り切った私達が拠点にしてるサルーの町は周辺諸国から『冒険者の町』と呼ばれる程に冒険者が集まってくる。その理由がこのサルーの町を起点に、囲むように多種多様なダンジョンが存在するからや。


 東西南北にそれぞれ複数のダンジョンがあり、しかも北は初心者、東西は中級者、南は上級者とレベルが見事に分かれてる。なので町の中も同じ様に東西南北で区域が分かれてて、商店もその地域を使う冒険者相応の値段の宿、質の装備品が並んでる。

 ダンジョンに囲まれてる訳やから、町全体は高い壁で覆われて壁の上には見張り台、壁自体分厚くその中には通路もあるらしく、ギルド長と兼任して町長さんでもあるリカルドさんが雇ってる腕に覚えのある人、若しくは年齢やちょっとした怪我とかで引退した冒険者達が常時見回ってる。こういう防犯対策をしてるから、荒くれ者も多く集まる冒険者の町としては治安も良い方や。リカルドさんの手腕も良いんやろうな。

 そんな訳で、常時ダンジョン求めて多くの冒険者がやって来るから今回みたいな緊急依頼にも即座に、町単体で対応出来るくらいには、栄えてる。



「……ォォォおお遅いぃぃーーーっ!!!」


「五月蝿ぇよ!」



 そんな町で、どこからかリズミカルに響くトンカチの音、家庭内で聞こえる筈な生活音の中で轟く嘆きを大いに含ませた轟音の異質さったら無い。


 私達がお世話になってたアニスさんの経営する宿、猫髭亭と最近手に入れた3階建てのレンガ造りの我が家は南地区、上級者向けの地域にある。……そんな我が家の真ん前、否、道の真ん中で、地べたに這いつくばって年甲斐も無く泣き叫ぶリカルドさんは近所迷惑通り越してちょっとした災害並みの騒音やから。

 私が余りの煩さとキンキン響く耳の痛みに現実逃避してる間にリカルドさんの頭に落ちたノーランの拳骨は、そりゃ仕方なかったと思う。



 朝ご飯食べて、食休みしながら装備とアイテム整えて私達が家を出たのが時間的には朝10時。家出てちょっと広い庭通って我が家の敷地と外を繋ぐ門の所に行ったらリカルドさんが蹲ってるのを発見。

 まさか闇の精霊、憤怒のラースさんに昨夜ボコボコにされて放置されたんか!? っと慌てて近寄ればあの轟音。私もディルもサーリーも必死に押さえてるけど、耳が痛くて半泣きや。てかディルはにゃんにゃん鳴いてる。「リカルドうるさいにゃっ!」て鳴いてる。ああ、私の旦那様かあいい。


 現実逃避しながらも私が一応聞けば、リカルドさんはギルドで仮眠をとってから朝7時には門の前でスタンバってたらしい。元気やね?



「寝ても覚めても昼間なんだよ! 朝も無く夜も無く! もうすっごい昼間なんだよ何でだよ説明してくれよ精霊さんんんんんっ!!!」



 うん。強面の顔に傷と無精髭アリのおっちゃんの泣き叫んで縋り付いてくる姿はマジで視覚の暴力やな!



「ひぃっ」


「……っ、ちったぁ落ち着けやああああ!!!」



 リカルドさんの声量(爆音)と剣幕にビビったらしいアオツキちゃんがノーランの肩にしがみ付いてるので、怯えてるアオツキちゃんの姿を見たノーランはガチギレ気味にリカルドさんへとそれはそれは見事なアッパーを……え?



「「「ノーラーン!!?」」」

『やり過ぎなのー!!?』



 嘘やろノーラン躊躇いなく腕振り抜いとるやん! ヤル気満々やん!?

 リカルドさんが漫画のギャグシーンみたいに綺麗な半円描きながら空を舞ってるで!??

 気付いたルシファーが飛び出して、空中のリカルドさんに優しく巻き付いてキャッチしてくれたから、顎は腫れてるっぽいけど目まわす位で大惨事は回避や! 良かった舌も噛んでないホンマ危なっ!



「あ、わり」


「謝罪が軽いわ!」



 真顔でスッキリした顔すんな! って続けた私のツッコミに、ノーランは眉間にシワ作りながらリカルドさん指差した。



「だってよ、俺が身内と認識してるディルムッドとルシファー以外の(おとこ)がアオツキに近寄るって……無理だろ。うん無理。世の野朗共の視界にアオツキ(おれの)が映り込んでんのも今、必死に我慢してんのにこれ以上の譲歩は無理だ。だから多分またする、諦めろ」


「おい嘘やろ」



 皆のアニキ兼アオツキちゃんの旦那さんが、一晩で束縛男に変貌してるやん。



「にゃうん、ノーラン大丈夫?」


「……あー、俺はな。……まぁ想像以上に我慢が効かんが」


「そっか。……マイ、ノーラン駄目なの分かってるけど、どうしてもツガイを護ろうって本能が体を動かしちゃうみたい。ほら、竜種の情は苛烈で強いから。血の封印? が解除されたばっかで身体追い付いてないけど……暫くしたら落ち着くと思うから、それまで俺達でフォローしたげよう?」


「……つまり、理性を本能が上回ってる感じ?」


「うん。今のノーラン、マイと出逢ったばっかの頃の俺と一緒。俺の威嚇、暴力的にした感じ!」



 ディルと出逢った頃……そういえばアニスさんの所で働いてる時、結構な頻度で唸りまくってた様な……え、あれ威嚇してたん? 嫉妬で? 嘘やん私めちゃにぶ。今知って気付いた衝撃の事実やねんけど!?



「ノーラン……!」


「気持ちは分かるけど今は喜ばんと旦那様鎮めて!」



 いやアオツキちゃん、大好きな旦那様が嫉妬してくれて嬉し恥ずかしメロリンになる気持ちは分かるけどさぁ!?



「ぅう、理不尽過ぎるうぅぅ...!」


『るるぅ、大丈夫?』



 可哀想に意識取り戻したリカルドさん、ルシファーに優しく降ろしてもらいながら泣いてるわー。でもお腹に尻尾巻き付いたままやから絵面は捕食されそうな餌っぽいから、泣いてる姿は生贄(ごはん)なりそうで絶望してるおっさんって感じやなぁ。


 ホンマはほのぼのした光景やのに。不思議やわ。



 最後の投稿日見てひえってなりましたが、また不定期でも投稿できたら良いと思ってます


 仕事と私生活に追われ出来なくなってた、自分が楽しい事しようって気持ちにやっとなれたので。もし覚えてる人いたらたまに見に来てやって下さい!

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