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【本編完結済】加茂さんは喋らない 〜隣の席の寡黙少女が無茶するから危なっかしくて放っておけない〜  作者: もさ餅
いつまでも、ずっと隣で

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加茂さんと就寝前の

「学校で良い事でもあった?」


 夕食中、母さんが訊ねてきた。


「……え、何で」

「そう見えたから」


 いきなり何だ。そう思って訊ね返せば、母さんは微笑ましそうに俺を見ていた。


「俺、そんな顔してた?」

「してないけど」

「は?」


 意味が分からない。変な顔をしていた訳でもないのに"そう見えた"ってどういうことだよ。何を見てそんな憶測が生まれたんだよ。

 大体、俺自身も"良い事"に心当たりがない。ただ普通に、ご飯を食べていただけだ。


「良い事なんて――」


 ――そう言いかけた時、加茂さんが頭に浮かぶ。


「ない……こともなかったけど」


 結果、曖昧な言葉が口から漏れた。


 ……ああ、くそ、間違えた。これ、この後、根掘り葉掘り聞かれる流れだ。面倒臭いやつだ。

 ないと言い切らなかったことを後悔する。それから、どうやって誤魔化そうか頭をフル回転させる。


 だけど、無意味だった。


「そう」


 母さんは、それ以上何も聞いてこなかったのだ。




 * * * *




 夕飯の片付けや風呂等の夜の色々を終わらせた後、俺は部屋で授業の復習をしていた。

 その最中にカレンダーが目に入り、ふと呟く。


「今日って金曜日か……」


 忘れていたという訳ではない。流石にそこまでボケてはいない。

 呟いてしまったのは、加茂さんと二日間会えないということに気づいたから。


 少し寂しさを感じて、スマホを手に取る。そして、ライナーの加茂さんとのトーク画面を開いて、手を止める。

 ……もしも、"明日か明後日会いたい"っていきなり送ったら迷惑だろうか。しかもこんな時間に。鬱陶しいと思われてしまうだろうか。


 迷っていると、ライナーの通知が鳴った。


[明日、会えますか]


 ――そのライナーは、加茂さんからだった。


 送られてきた文を見て嬉しく思いながら、失敗したなとも思った。

 もう、既読は付いてしまっただろう。ということは、俺がトーク画面を開いていたこともバレてしまっている筈。


[起きてる?(๑╹ω╹๑ )]


 どう言い訳しよう――そんなことを考えているうちに、加茂さんから続けて送られてくる。

 ……言い訳する必要ないか。そっちは聞かれたら答えることにして、まずは加茂さんの言葉に答えることにした。


[会おう]


 一言送った後に、疑問が生まれる。会うのはいいけど、どこで会うんだろう。

 とりあえず行きたい場所を訊ねてみようと文を打っていると、加茂さんから先に文が送られてきた。


[赤宮君の家に行きたいです]


「えっ」


 思わず声が出てしまう。

 何故に俺の家。娯楽なんて……ゲームぐらいならあるけど。それ以外は面白み薄いぞ。


 そもそも加茂さんって俺の家知ってるのかとは思ったが、前にお見舞いに来てくれたことを思い出した。

 ……まあ、彼女が来たいのならそれでもいいか。俺の方は特に場所の希望もなかったし。


[いいよ]


 了承すると、十秒足らずで"また明日!"と書かれた看板を咥えた犬のスタンプが送られてくる。


 そのスタンプを見て、口元を押さえる。スタンプが可愛いという感想と明日も会えるのが嬉しい気持ちが重なり、口角が自然に上がってしまったのだ。

 こんな顔、彼女に見せられないな。ビデオ通話じゃなくてよかったと思いながら、返信する。


[また明日。おやすみ]


 明日が楽しみだ。


 スマホの画面を消して復習の残りに取り掛かろうとしたら、通知が再び鳴る。

 ――画面上方に一瞬だけ表示されたライナーの文が目に入った。


[おやすみ、光太君]


 ……不意打ちはズルいだろ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あけましておめで加茂ちゃん! 加茂ちゃんが光太くんのお家にくる、きっと来る~♪ そして秘技・不意打ちの破壊力。
[一言] 新年1発目から微笑ましい2人ですね。
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