第7幕 後始末
すみません!
1日遅れてしまいました!
手足を縛られて、頭に袋をかぶされてから俺は思ったことが一つだけあった。
それは別にこんな事しなくてもいいという事だ!
そもそも俺は間宮にボコボコに殴られて、気絶をしたから別部屋に運ばれたわけだし、そのまま放り投げられたままにしておけばいいよな。
確実に縛ったのは、森崎さんの個人的な趣味だよな。
そんな事を考えて暇つぶしをしていると、
ガラガラ!
「柿崎君!」
おや?
声からすると、月城可憐が俺の所に来たのか?
てっきりあの2人のどっちかが、別の人と一緒に来ると思ったんだけどな。
「大丈夫?今解くからね。」
そういうと、俺の手足を縛っていた紐を解いて、かぶされていた袋も外してくれた。
「すまない。助かったよ。」
俺は月城さんにお礼を言っておいた。
まあ、そもそも縛ったのは身内だからなんともいえないけど。
「大丈夫?歩ける?」
「ああ、大丈夫。顔面を殴られたせいで、後で大変だろうけど。」
「ならよかった。けどね柿崎君には言っておきたいことがあるの!」
安心したのか月城さんは、どこかホッとした様子だったのだけど、次の瞬間には何故か怒り始めた。
「あのね!柿崎君ああいう事はもう二度としないで!」
「ああいう事?」
なんのことだろうか?
俺は何か間違った事をしたんだろうか?
「そうよ!自分を犠牲にするような事はしないで!」
いや、それを月城さんがいうのか?
間宮にだいぶいいように使われていたよな。
あれも立派な自己犠牲だと思うんだが。
「今回は助かったけど、一歩間違えれば死んでたかもしれないのよ!」
「いや、あれは気を逸らそうと挑発したら失敗しただけだ。」
「だからそんな事しないでよ!」
「善処するよ。」
なんていうか、月城さんはとんでもなくお人好しなんだな。
「もう!本当にわかったの?」
「ああ、なるべくしないようにするよ。それより間宮ってどうなったんだ?」
なんとか話題を変えるために、今回の件の首謀者である、間宮があの後どうなったのかをたずねると、
「間宮先生?あの後大人の女性があっという間に捕まえていっちゃたわ。」
ああ、森崎さんが回収していったのか。
そういう事は、もう1人を今野さんがきっと確保したんだろうな。
という事は、あの2人はきっと尋問とは名ばかりの拷問をされるんだろうな。
尋問担当のあの人はだいぶ性格がぶっ壊れてるから。
「ねぇ、柿崎君本当に大丈夫?」
あまりにも黙って考え事をしていたせいで、月城さんは心配になったらしく俺に声をかけてきた。
「すまない、考え事をしてただけだ。」
「ならいいんだけど。そうだ!一番大切な事言ってなかった。」
??
大切なこととはなんだろうか?
俺はとくに月城さんに何もしてないんだけどな。
「あのね、教室では庇ってくれてありがとう。」
「たまたまだ。」
「うん。それでもありがとう。」
まさかあれぐらいでお礼を言われるとは思わなかった。
「それでね、柿崎君のこと清十郎君て呼んでいい?」
月城さんは顔を真っ赤にして言ってきた。
熱でもあるんだろうか?
ああ、そうかあんな事があったあとだからか!
それにしても名前を呼ぶのに許可を求めて来るなんて変わってるな。
「ああ、かまわないよ。」
「あのね、私のことも月城さんじゃなくて、あの、その。」
なんか月城さんがもじもじし始めた。
さっきからどうしたんだろうか?
「よし!私のことも下の名前で呼んでくれる?」
「へ?ああ、そういう事なら可憐って呼ばせてもらうよ。」
「ひゃい!」
うん?
なんか声が裏返っていた気がするんだが気のせいか。
「ごほん!柿崎様迎えにきました。」
「うお!」
いきなり入り口から声がして、油断していたため驚いた。
そこには今野さんがたっていた。
「月城様お話中にすみません。柿崎様を至急病院にお連れしなければならないので。」
「あ!はい。」
「では、すみません。ここで失礼します。」
今野さんはそう月城さんにいや、可憐に告げると俺を担いでいきやがった。
それからすぐに今野さんの車に乗せられた。
「清十郎今回はお疲れ様。」
「自分顔がすごく痛いですよ。」
「唾でもつけとけば治るだろ?」
「いやいや!唾に雑菌凄いですよ?」
「細かいやつだな。あとで適当に消毒してやるよ。それよりも今回の件についてボスに直に報告に行くぞ。」
そういって今野さんは車を出した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ボス!ガーディアン4と7今戻りました。」
「ご苦労。してどうだった?」
「無事計画通りに事が進みました。休み明けには、ガーディアン5を担任として赴任させられます。」
「上出来だな。それにしてもお前凄い顔だな。」
「ほっといてください。」
「ははは、すねるなよ。まあ、今お前達が捕まえた2人をガーディアン11が尋問している。じきに情報が手に入るだろうから、入り次第お前達に連絡をする。」
「「了解。」」
「さてと、ここからはプライベートでいい。清十郎お前はもう少し乙女心を勉強しろ。」
「親父やっぱり監視カメラで見てたのかよ。」
今あの学園にはそこらかしこに今野さんが仕掛けた監視カメラが存在している。
「いやー。あれはあれで初々しくていいですよ。」
「今野さんまで!」
「しかし、清十郎。月城可憐と仲良くなっておくのはいい手だ。まだこれからも今回見たいのは続くだろうからな。」
「やはりそうですか?」
「ああ、間違いないな。ひとまず今回は良くやった。後はゆっくり休めよ。」
「わかってますよ。」
その会話を最後に俺と今野さんは、親父の部屋を後にして、学園の寮へと戻り休むことにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回はまだこちらの手の内を探るためか雑魚を使ってきていたから良かったが、近いうちに本陣が攻めて来るかもしれない。
「はぁ、スコーピオン。今更この組織が動き出してきたか。今はまだこのことは、清十郎には黙っておくべきだな。」
次はこの章での番外編の予定です。
次回の更新予定は2017/9/9日の予定です。