第4幕 計画実行
今野さんと明日の計画を詰めた後はこれから世話になる寮へと送ってもらった。
寮はやはり最新式で、出入りの際にはカードが必要となっていた。
さらにはいたるところに監視カメラや、センサーの類いのものがあった。
そして部屋のドアは指紋認証式で登録されているもの以外では、一応カードと暗証番号を設定してあるのでそれで入れるらしい。
これはまんがいち、認証用の指を切断してしまっても入れるように対策されたものらしい。
「今まで住んでた部屋とは大違いだな。」
そう1人でつぶやいていると、
「あれ?柿崎くん?」
「うん?あっ、月城さんか。」
「ああ、そうか!今日から寮生活よね?ごめんね、うちって基本的に私以外みんなボディーガードが付いているから、隣同士の部屋なのよ。柿崎くんは確か、保健医の先生がボディーガードだから寮だと一緒じゃないのよね?」
「ああ、そうなんだ。これから隣同士だしよろしく頼むよ。」
「うん!こちらこそよろしく。」
そんな会話を月城可憐とした後、自分の部屋の中に入っていった。
部屋の中には、キッチンや風呂場、トイレなど生活に必要な物は一通り整っていた。
「さてと、今のうちに今日の連絡をしておくか。」
俺は荷物からノートパソコンを取り出し、カメラをセットして親父に連絡を入れた。
「ガーディアン7、どんな感じだ?」
「まだ初日だけど上々です。それと親父明日には担任を上手い事追い出せそうだよ。今日ガーディアン4と作戦をたてたよ。」
「ふむ。了解だどちらでもいいから後で資料をデータで送っておいてくれ。」
「了解です。」
「ここからは仕事は抜きだ。清十郎学園はどうだ?」
「俺の想像を超えていましたよ!こんなにすごい場所だとは思わなかった。色々な専門技術を教えているんですね!」
「クククク!清十郎お前は難しく考えすぎだ。もっと学園生活を楽しめ。」
「そうですか?まあ俺なりに頑張ってみます。」
「そうだ、清十郎。担任の件上手くいったら、ガーディアン5を送るよ。」
その会話を最後に通信がきれた。
それにしても、今のメガネ野郎の代わりがガーディアン5とはなかなりヤバイな。
ガーディアン5、森崎恭子、組織内ではいわゆる教官みたいな立場の人で正直かなり厳しい人だ。
まあ、親父も何か目的があって送り込んでくるのだろう。
ひとまずは明日の事に集中しよう。
俺は明日のために今日はもう寝る事にした。
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朝になり今野さんに寮から学校まで付き添ってもらった後教室に着いた。
「やあ!清やんおはようさん。」
「ああ、おはよう。そういえば響也は誰のボディーガードなんだ?」
「そういえば言っとらんかったな。わいの主人は勅使河原結衣様や!」
「どの人だ?」
「窓際のちっこいじょ・・がっ!」
「私のどこが小さいって?あっ!失礼しました。わたしが勅使河原結衣と言います。今後ともよろしくお願い致します。」
「自分は柿崎清十郎です。こちらこそよろしくお願いします勅使河原さん。」
「勅使河原は呼びづらいでしょうから結衣でいいですよ。」
「なら自分も、清十郎でいいよ結衣。」
「ふふふ、では清十郎様と呼ばせていただきます。」
そんな会話をしている時、いきなり校舎中に声が響いてきた。
「なんなんだこの映像は!こんなのは盗撮じゃないか!ふざけんなよ!」
メガネ野郎の叫び声だった。
どうやら上手く今野さんがやっているらしい。
それにしてもあいつはどうやらバカだったみたいだな。
流された映像を編集された物でなく、盗撮された物って言ってしまったら、映像が事実だと自分で認めてしまっているのに。
「こんな事してただで済むと思うなよ!覚えていろよ絶対復讐してやる!」
その叫び声を最後に奴の声は聞こえなくなった。
完全に自爆したみたいだな。
「あら?間宮先生が自爆したみたいですね。」
結衣がそう言った。
するとクラス中から、
「やったー!あいつ遂に首だぞ!」
「清々するわ!」
「可憐ちゃん良かったね!」
みんなメガネ野郎の事が嫌いだったんだな。
それにしてもメガネ野郎の名前間宮だったのかー、初めて知ったよ。
そのあとはしばらくしてから、学年主任の先生がきて、
「すまないね。ちょっと朝からゴタゴタがあったため、緊急の職員会議が開かれる事になった為、急遽今日は休みになるよ。」
メガネ野郎が辞めたぶんの事を直ぐになんとかしないとなんだろうな。
こればかりは、今野さんに頑張ってもらうしかないな。
「よっしゃー!ならみんなで寮に戻ってお祝いやな!」
「いいなそれ!賛成だ!」
「間宮追放感謝会だな!」
「違うわよ!可憐ちゃんお疲れ様会よ!」
響也を先頭にクラス中がこの後の事で盛り上がっていた。
高校ぐらいの時は、どうでもいい事でよく打ち上げしてたな。
あっという間に金欠になってたわ。
次回の更新は2017/8/19の予定です