第3幕 顔無し
「そういえば、もうすぐテストがあるんやったな。」
「・・・?なあ、響也テストってなんだ?」
「清やん、テストっていったら決まった時間に問題を解くやつやん!」
うん?
あれか、どれくらいの実力があるかを調べるやつか!
だいぶ学園についてはわかってきたが、まだまだ俺の知らないことがあるんだな。
「響也、それって道具の使用はいいのか?」
「・・・清やん、想像してるの違うで。筆記試験やから。」
筆記試験って一体どんなことをするのだろうか?
「おっ!いたいた。柿崎、これ渡すように頼まれたぞ。」
いきなりクラスの男子が俺に一通の手紙を渡してきた。
「うん?なんだこれ?」
「知らないよ。いきなり呼び止められて頼まれたからな。」
「なんや?清やん、ラブレターかいな?」
「・・・なんだそれ?」
響也が言っているラブレターってどんなものだろうか?
「あー、それないわ。渡すように頼んできたの変な喋り方する男だったからな。・・・あれ?今考えるとあんなやつうちの学園にいたかな?」
「なんや、面白うないな。」
ラブレターとは面白いものなのだろうか?
まあ、ひとまずは手紙を読んでみるか!
開封する前に念のためカミソリの刃とかが入っていないか調べてっと。
問題ないから開けて中の手紙をみてみる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
星は6つ天に輝く
叫ぶ獣、壊れた箱、空腹の亡者、信念を貫く愚者、病に魅入られた物、常闇に沈む影
名を失いし子供よ泣き叫べ
さすれば舞台で踊り狂うだろう
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これは!
この手紙を書いたのは、確実にあの男だな!
何故、今のタイミングで渡してきた。
それよりも、どうやってこの学園の生徒としているんだ!
「・・い、おい清やん大丈夫か!」
はっ!
響也に肩を揺すられてなんとか思考をもどせた。
「すまん、内容の意味がわからなくて考え込んでしまった。それよりこの手紙を渡したやつってどんなだった。」
「ごめん柿崎。それなんだがなんか思い出せないんだよ。なんつーか、普通すぎて印象に残ってないって感じなんだよな。あれ?さっきは変な喋り方だったような?おかしいななんか記憶が曖昧になってるな。」
やはりそうか。
これは顔無しのやつが書いたものだな。
内容も正確には獣狂い、破壊者、臓物食い、絶対正義、毒蛇、深淵この6人が俺に仕掛けてくるってことだろう。
ただ、これを書いたやつも仕掛けてくるだろうから実質的には7人が仕掛けてくるのだろう。
しかも、運がいいのか悪いのか標的は俺だけのようだな。
「清やん、本当に大丈夫か?顔真っ青やで。」
「ああ、大丈夫だ。響也すまん、少し廊下に出るわ。」
まずいな、こいつらがどのタイミングで仕掛けてくるかがわからない以上、警戒をしなければいけないが、このままだと・・・。
「なんのつもりだ?」
「あいかわらずってなところだね。」
「俺は用はないが?」
「あれあれ?ここはいつもみたいに自分は、じゃないのかなかなか?」
「黙れ。」
「おぉ!怒った?ねぇ、怒った?なぁ、怒った?じゃあ、怒った?それなら楽しく殺し合おうか!」
「少し黙れ顔無しなんのつもりだあの手紙は?あれはお前が暗殺対象に送るやつだろ?なのに今回は宣戦布告か?」
俺が振り向くと、そこには普通の特徴が一切ない男が笑顔で立っていた。
「そんなの君だからに決まっているだろ?まあ、残念ながら今は僕のターンじゃないから挨拶はこれぐらいにしておくよ!今日はいい1日になるよ。」
それだけを言い残すとすぐに走り去ってしまった。
急いでおったが追いつくことはできずに見失ってしまった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回は2018/5/5に更新予定です。