第2幕 蠢く
「おっ!清やん、もう大丈夫なんか?」
教室に久々に行くと、すぐに響也が話しかけてきた。
「ああ、もう大丈夫らしい。」
「それにしても大変やったね。なんでも急性喉頭炎なんてゆう風邪の悪化したバージョンやったんだって?」
なるほどな!
確かに俺が怪我で入院していた事が知られると色々とまずいから、先手を打ってただの病気で入院した事にしてしまうんだな。
しかし、急性喉頭炎って確かウイルスで喉が炎症起こしただけじゃなかっただろうか?
「そうだったんだ。おかげでこんなに休む事になったよ。」
「そりゃご愁傷様やな。ちなみに、病院食ってどんな感じなんや?」
「そうだなー、量が少なくて全体的に薄味だったな。」
これは実際にそうだった。
病院食って栄養をしっかり考えられているから、塩分取り過ぎないように薄味なんだよな。
しかも、カロリーも計算されているから量も決まってしまっていたから結構空腹だったんだよな。
「やっぱそうなんやね。病室抜け出て買い食いとかせーへんかったのか?」
「それが、厳重に監視されてて部屋からも出れなかった。」
「あははは、それはしゃーないな。」
その後は響也と担任が来るまでくだらない話をして時間をつぶしていた。
しかし、北条が朝に言っていた兎狩りについてはまだなにも始まってはいないみたいだから良かったのかもしれない。
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学園正門付近
「いや〜、名無しとやり合っていいなんて、虚像はいきなり何を考えているんだか。」
「あやつは何も考えておらんよ。ただ己の快楽の為に生きておるんじゃからな。」
「理由なんてどうだっていい!あいつを殺せるなら構わない。ああ、早く殺したい。」
「おいおい、慌てなさんな。それでどうする?全員で一気に仕留めるか、一人一人仕掛けていく?」
「そんなのわかりきっとるじゃろ?誰から楽しむかの?」
「俺にやらせろ!あいつを切って壊してすり潰して跡形もなく壊しきってやる!」
「おやおや、破壊者は名無しが嫌いだったっけ?」
「こやつにそんな感情はないの。あるのは破壊欲だけじゃな。」
「なんだ?お前らが俺の相手をしてくれるのか?」
「んなわけない。それより臓物食い今回は俺たちだけなのか?」
「いや他にも勝手に動いておるみたいじゃ。しかし、儂はあやつとやり合う意味がないんじゃがせっかくだし楽しませてもらうかの。」
「もう、行動開始していいか?」
「まあまあ、待ちなさいな。今回はあくまでも名無しのみだからね。まあ、あいつならいい感じに歪んでいるから楽しいんだよな。」
「もっとも儂ら全員歪んでおるじゃろ。さてと、色々儂は準備をするとするかの。おぬしらも仕掛けるのは自由じゃが儂の邪魔をするなよ。」
「うるさい。俺は壊せればいい。」
「俺もそうだね。今度はちゃんと毒を使って嬲ってあげなきゃね。」
怪しい3人はそれぞれが清十郎に仕掛ける為にバラバラに行動を開始した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回は2018/4/18に更新予定です。