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ガーディアンラプソディ  作者: shun
同胞決裂編
37/47

第2幕 決闘


工場跡の中は予想よりも広く、また隠れられる場所はほとんどなかった。


俺は警戒をしながらも進んでいくと、すぐに目的の人物を見つけられた。


「今野さん。」


「・・・来たか清十郎。」


「可憐は?」


「安心しろと俺が言うのも変だが無事だぞ。ただ少し眠ってもらっているがな。」


今野さんが手でさした方を見ると、床に寝かされている可憐がいた。


「可憐!」


俺はすぐに可憐のそばに行こうとしたが、


「おっと行かせない。その前に俺と決闘をしてもらうぞ。」


今野さんが俺と可憐の間に立ち塞がった。


「せっかく貰った機会だからな清十郎俺を失望させるなよ?」


今野さんはそう言うとすぐに戦闘態勢をとってきた。

俺もいつ攻撃をされてもいいように警戒をしながら今野さんにいくつか質問をした。


「今野さん、なぜなんですか?」


「何がだ?」


「何故裏切ったんですか?」


「・・・そんな事を知りたいのか?」


「そうです。」


「なに、簡単な理由だ。俺はずっと清十郎お前の世話をさせられていたのがたまらなく屈辱だった。」


「そんな!」


「お前にはわからないだろうな。常に期待をされている人間の近くにいる事の辛さがな。どんな事をしようと自分のした事はお前のためだと判断され一切評価されない悔しさがわかるか?」


「今野さん俺はそんなつもりは。」


「お前になくても周りはそういう風に見ているんだよ!俺はお前のおまけじゃないんだよ!ふざけるなよ!俺という個人を誰もが見ていない。もう耐えられないんだよ!さあ、清十郎始めよう。俺に勝てば月城可憐は無事、負ければ2人仲良く殺してやるよ。」


俺は知らないうちに今野さんをこんなにも追い込んでいたのだろうか?

けど、俺にとっては可憐がなによりも大事だ!


「今野さん、自分はあなたを止めます。」


「やれるもんならやってみろ。」


俺と今野さんは、互いが互いを倒すために行動を開始した。


俺はすぐに今野さんとの間合いを詰めていき、接近戦に持ち込んでいく。


「相変わらずお前はわかりやすいんだよ!」


すぐさま今野さんは横蹴りによる権勢をしてくる。

俺はそれをかわして顎を狙うが、かわした蹴りが方向を変えて向かってくる。


「くっ!」


その攻撃をなんとか腕で防いで、少し間合いをとる。


「甘いんだよ!」


その行動を読んでいたのか、今野さんは俺に接近して足を掴んで地面に叩きつけてきた。


「がはっ!」


「おらよ!」


叩きつけられて横になった瞬間にかかと落としを仕掛けてきた。

俺はそれをなんとか転がってかわし、かわりに脇腹に掌底を打ち込んだ。


「痛!」


「はあ!」


もう一発鳩尾に掌底を打ち込み距離をとった。


「がふっ!なるほどこれが今のお前か。ふざけているのか清十郎?」


「はあ、はあ、えっ?」


「なぜ、俺を殺す気でこない?舐めているのか?」


「そんな事はない!」


「・・・お前が本気にならないなら仕方ないよな?」


「えっ?」


今野さんは懐から銃を取り出し、銃口を可憐の方へと向けた。


「彼女が死ねば本気になれるだろ?」


「!!やめろ!」


俺は一気に間合いを詰めて今野さんから銃を奪おうとする。


パン!


そんな音が辺りに響き俺の脇腹に激痛が走った。


「くっ!」


「単純だな。なぜ俺が銃を持っている可能性を考えなかった?」


考えなかった訳ではない。

ただ俺は心のどこかでまだ今野さんが裏切ったと信じられていなかったせいだな。


「もう終わりか?ならそこで自分が守ろうとした人が死ぬのを見ていろ。」


今野さんは、いや今野は可憐の方へと向かって行こうとしている。


このままでは可憐が殺されてしまう。

ああ、そうか!

そういう事だったんだな、過去をなかった事にしてはいけなかったんだな。

守るのに使えるならばどんな技術であっても使うべきなんだな。

俺は過去の技を使う!


「・・・は!」


「な!お前!」


俺は感情を極限まで無に近づけて気配に気づかれないよにし、今野に一瞬で接近し銃を持つ腕の肘を折った。


「・・・」


「あははは、それがお前の本気か?いいぞ!さあもっと楽しもう。」


今野は折れた腕を全く気にしないで再び俺の方を向きむかってきた。

いつも読んでいただきありがとうございます。


次回は2018/3/24に更新予定です。

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