第1幕 悩み
俺は今親父に連れられて、人里から離れた場所へと連れて行かれていた。
「親父、どこに向かっているんですか?」
「清十郎きになるか?」
「はい、任務から外されて連れて行かれるってことは、やはり」
「違うよ。ただ、最近は清十郎に色々あったからな息抜きついでに、付き合ってほしい場所があるんだよ。」
「そうなんですか?」
「ああ、それにその後に仕事があるから覚悟しておけよ。」
本当なんだろうか?
親父が無駄に嘘をつくとは思えないが、前回の俺の不手際からして配置替えだろうと考えているんだけどな。
「疑っているのか?」
「正直そうです。」
「まあ、ここいらでもう一度考えるいい機会であるから、一旦任務から外したんだよ。」
「何を考えるんですか?」
「なに、もう一度お前にはどう生きたいか考えてみな。その為の情報をこれからいく場所にあるからな。」
「どう生きたいか、ですか?」
「そうだ、清十郎迷ったんだろ?自分があの時から変われていないと。」
!!
確かに親父には昔の知り合いにあったことは話したけど、悩みまで言ってないのにわかるのだろうか?
「ははは、何年お前をみてきたと思っているんだ?それぐらいわかるぞ。」
なにも言ってないのに、すぐにそう親父に返事をされた。
「こういう仕事なら誰でも一度は通る事のある悩みだからな。ある意味お前は入り口に立ったって事だな。」
そういうものだろうか?
けど、確かに一度俺は自分自身の過去と向き合わなければいけないんだろうな。
いつか可憐に真実を話すべき時が来た時にちゃんと告げられるためにも。
そういえば、これから向かう場所に俺の生き方について考える為の資料があるって、親父は言っているがいったい何があるのだろうか。
「なあ、親父。この先に何があるんですか?」
「・・・なあ、清十郎。もしもだ、もしも今とは全く違う生き方を選べるとしたらどうする。」
「えっ!」
どういう事だろうか?
全く違う生き方ができるってどういう事だろうか?
この先にその可能性とやらが存在するのだろうか?
もし、それを俺が手にしたらいったいどうなるんだろうか?
やっぱり今は想像することができない。
しかも別の生き方ができるとしても、きっと俺の過去が許さないだろう?
「流石に今すぐは無理か?いいさ、多少なら時間がとれるから存分に悩め。」
親父は俺にそう告げて目的地へと移動をはやめた。
いつも読んでいただきありがとうございます!
次回は2018/2/3に更新予定です。