第3幕 忍び寄る過去
可憐の声のした方へ急いで行くと、そこには海馬と可憐、それに知らない男が1人倒れていた。
「何があったんだ?」
「・・・柿崎か、見ての通りだ。」
「こいつは?」
「わからないけど、いきなり私を襲ってきたの。」
変だな、ここは今野さんの警備がしっかりしているから、外からの不審者はすぐさま対応ができるはずなのに、なぜこんな事がおきたんだろうか。
まさか!
臓物食いが言っていた計画に関係しているのだろうか?
「まあ、2人とも無事でよかった。」
「海馬君のおかげだよ。」
「たまたまだ。」
「ひとまず拘束して、先生達に後は任せた方がいいよな。自分が呼んでくる。」
俺はすぐさま男を拘束して海馬に任せ、今野さんに確認をとるためにその場を離れた。
保健室に向かってしばらくして再び奴は現れた。
「ははは、どうじゃ名無し楽しいじゃろ?」
「なんのつもりなんだ臓物食い!これが計画なのか!」
「はて?どうじゃろうな。けどお主も血が騒ぐじゃろ?殺戮が恋しいじゃろ?」
「そんな事はない!」
「そうかのう?毒蛇との戦いは楽しめたのじゃろ?相手を殺す間合いでやり合うのはさぞ楽しかったろう?」
「!!」
「自覚がなかったのかのう。お主は根っからの殺人鬼じゃ例え今どれだけ人を救おうと本質は変わらんよ。」
「そんな事ない!自分はあの時と変わった!」
「無駄じゃよ。人は簡単には変われんよ。さてそろそろ時間じゃな。一つプレゼントをやろう。どんな組織も決して一枚岩にはならんよ、信じられるのは自分だけじゃよ。」
最後にそれだけを言い残して臓物食いの気配はその場からなくなった。
そのタイミングと同時に、
「柿崎大丈夫か?監視カメラで見たら1人で何か叫んでいるみたいだったが?」
今野さんが現れ話しかけてきた。
それより監視カメラで見たらってちゃんと機能しているのか?
俺はそのことをたずねると、
「監視カメラには異常がなかったが、まさか監視カメラの場所がバレてダミー映像にされていたのか!」
「今野さん、ひとまず拘束している男を回収してください。」
「そうだな、ひとまずはそいつから情報を聞き出して、後は映像のチェックが必要だな。」
その後は一緒に海馬のところに行き、今野さんは男を回収していった。
俺は海馬と簡単な情報交換をして、可憐もいたのでそれのみで後は他の先生が来てくれるまで待って、俺は1人で行動を開始した。
どうしてもスコーピオンの行動目的が気になってしまう。
それにあいつ臓物食いの行動には警戒をしなければいけない。
臓物食い
名が示す通りで臓器を食べる異常者だ。
そして奴が一番好むのが人の肝臓だ。
かつて奴は、10代後半から20代前半の女性を襲い、死体から肝臓を盗み食っていた事があった。
逃亡中に今のボスである虚像に拾われた過去がある。
可憐を直接狙ってくるなんていったい何を考えているんだか。
一刻も早く奴を見つけなくては。
いつも読んでいただきありがとうございます!
次回は2017/12/23に更新予定です。