番外編 月城可憐の記録
明日から私のクラスには、転校生が来るらしい。
ひょっとするとおばあちゃんが、私の事を心配してボディーガードを雇ったんだろうか。
私は昔、両親が殺された事件からボディーガードは、絶対に信用をしていない。
だって私の両親を守っていたボディーガードは、両親を助けられずに死んでしまったし、当時のボディーガードの代表をしていた人は事件後に行方不明になってしまった。
きっと自分の責任に耐えられずに逃げ出したんだろうと思っています。
そして当日に教室で彼と出会った。
なんていうか想像していた人とはだいぶ違っていました。
まさか自己紹介のときに、原稿を取り出してするなんて初めて見ました。
その後も授業のたびに、質問とは関係ないちんぷんかんぷんな答えを言ったり、スタートの合図のときには、物凄く真剣な顔でしていました。
一番の驚きはお昼ご飯の時でした。
なんとなく彼を見ていたら、彼はなんか変な物を取り出して齧っていた。
ひょっとしてお昼ご飯って、彼のはあの変なものだけなんだろうか?
試しに話しかけてみると、なんと食べていたのはレーション?なんていう物らしい。
しかも何時もこんな感じって言っていたけど、たぶん冗談だよね?
一本で大丈夫とか言っていたけど、さすがに心配だったから私のをわけてあげた。
彼は受けとるとあっという間に、全て食べてしまった。
そういえば、お弁当は自分で作って食べるだけで、誰かに食べてもらうなんてなかったな。
そんな事を考えていると、いきなりお礼を言われてしまった。
誰かに褒められるなんて異性では、はじめてで思わず照れてしまいました。
その日は、最後に担任の間宮先生に呼び出されました。
話の内容は、なんでも間宮先生の顔写真を加工したものがネットにあったらしいです。
先生が言うには、それは私のせいらしいのですが、私自身はそんな事をしていないので、そんな事をいわれても困りました。
それから一時間ぐらいそんな事で、説教をされ続けてたまたま通った他の先生のおかげで助かりました。
寮に帰ると私の友達から、彼がどうやら保健医がボディーガードとしてついている事を聞きました。
確かにおばあちゃんが私のボディーガードとして、雇ったにしては不思議な人だとは思っていましたが、むしろ守られる方だったんだ。
部屋は寮の関係上隣の部屋になりました。
正直少しドキドキしました。
次の日には、朝から大事件が起きました。
なんでも間宮先生の不祥事が発覚したらしくて、辞職をする事になったのです。
みんな間宮先生には、困っていたのでみんな喜んでいました。
その日は臨時休校になって、みんなで朝まで騒いでいました。
その時には、みんな私によく頑張ったねとか、お疲れとか色々言ってくれました。
それからしばらくして、臨時休校になったぶんの補習日が私にとっては一番忘れない日になりました。
その日は、学校にクラスメイトが全員揃い、補修が始まるのを待っていた時でした。
いきなり教室に間宮先生と武装した人達が入ってきました。
先生は私の事を恨んでいたらしく、すぐに私に叫びながら掴みかかろうとしました。
その瞬間に彼が私の代わりに、間宮先生を挑発してくれてそっちに言ってしまいました。
彼は私の代わりに殴られてしまいました。
私が直視できないくらい、かなりひどい状態になっていました。
なんとか止めようとしましたが、結局ダメで彼は殴られたせいで気絶してしまっているようでした。
そのあとは、彼は何人かで別の部屋へと連れていかれてしまいました。
それから、武装している人と間宮先生が何かを言い合っていました。
武装している人は、最初に私の事をなんか言っていましたかその事でもめているのでしょうか?
あの人達がもめている時に、別の2人組が教室に入ってくると、あっという間に倒してしまいました。
1人は初めて見る女性でしたが、もう1人は彼のボディーガードの保健医の人でした。
彼らは武装した人と間宮先生を連れて行ってしまいました。
その際に女性の方が、彼がいる場所をこっそり教えてくれました。
私はその場所に急いで行きました。
彼がこうなってしまったのは、私があの時間宮先生を止められなかったせいだった。
私はすぐにでも彼に会って、謝りたかったし、お礼もいいたかった。
実際に彼にあって姿を見たら、その事よりも彼が死んでしまうんじゃないかと心配になってしまい、全然違う事を言ってしまいました。
その後はなんとか冷静になったけど、こんな事をしてくれた彼の事が気になりました。
彼は明日はどんな姿を見せてくれるのだろか?
そのうちに私を庇ってくれた時、どんな事を考えていたのか教えてくれる時がくるのでしょうか。
柿崎清十郎君あなたは一体どんな人なんだろう。
いつも読んでいただきありがとうございます!
次回は2017/9/16更新予定です!