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竜王誕生

・・・ん?周りが暗いな、それに妙に窮屈だ。


まるで卵の中にいるような感覚だと思った。

試しに周りを殴ったり蹴ったりしてみると暗くて見えないものに阻まれる。


ふむ、転生先のスタート地点は卵の中か・・・。

爬虫類か鳥かわかんないけどなかなか楽しそうだな。


少しワクワクしながらおれは手当たり次第に暴れていたらパキッっと卵の割れる音がして割れ目から光が漏れてきた。


よし!あと少しだ!


バキバキっと頭と両手を突っ込んで卵をぶち破ると外の景色が見えた。

そこにいたのはこっちを見つめる巨大な頭だった。

顔は鱗でびっしり覆われておりその口にはなんでも噛み砕けそうなほど鋭い牙がズラリと並んでいる。

恐竜のような見た目をしているがよく見ると角が生えている。


うわっ?!なんだこいつ!!これが親か?どっからどう見てもドラゴンか恐竜じゃねえか!


ドラゴンは俺と目があうと目を少し細め安心したように鼻息を吐いた。

すると隣にもう一匹ドラゴンが現れて俺を見た。

申し訳一匹のドラゴンも俺を見て微笑むと最初のドラゴンと何かを話しているようだ。

ドラゴンの話し方なんて分からないはずなのになんとなく分かる、多分喜んでいるんだろう。


おードラゴンだ・・・襲ってこないし多分親かな?喜んでるっぽいし大丈夫そうだな・・・ん?なんか急に腹が・・・。


腹が急速に減ってきて気付いたら俺はでかい声で鳴き始めた。


「キュアアア!!キュアアア!!」


その様子はまるで親鳥に餌をねだる雛鳥のようだ。


「よしよし、ご飯にしましょうね〜」


そう言って最初のドラゴンは小さく切られた肉を手で器用に掴み俺の口に運んでくる。

俺は我慢しきれなくなりドラゴンの指ごと肉を噛んでしまった。


「まあ!元気いいわねこの子。将来が楽しみね!」


「うむ!兄弟達と争い我のあとを継ぐか旅立つかはこの子次第だが悪い結果にはならないと確信を持てるな!ハッハッハ!!」


「名前はどうしましょう?この子は雄だしかっこいい名前がいいわねえ・・・。」


「うむ!そうだな〜・・・ロイという名前はどうだろうか?」


「かっこいい名前ですね!それにしましょう!!」


とか話していたが俺は肉を食べるのに夢中で全く聞いていなかった。


数ヶ月が経過してもう俺は歩けるようになった。

翼は未発達でまだ飛ぶことはできないがたまに羽ばたいて飛ぶ練習をしている。

周りのドラゴン達はそんな俺を見て微笑んで見守ってくれている。体も随分大きくなったが成体ドラゴンには遠く及ばない。チワワと象くらいの差があるだろう。

いちおうドラゴンの言葉は理解できるがあまり目立つのは良くないかもしれないと思い喋るのはやめておいた。


さらに数ヶ月経過。

俺はさらに大きくなりもう成体ドラゴンと大差ない大きさになっていた。ドラゴンの成長速度には驚かされた。

今では飛べるし炎まで吐けるようになった。

今更だが死神少女のことを忘れてしまっていた。


そういえば死神少女も罰として転生してはずだな。

たしか従者として転生してて俺がドラゴンということは向こうもおそらくドラゴンだと思う。

名前は・・・リンだったか。

よし、周りのドラゴンや竜人ドラゴニュートに聞いてみるか。


「すいませ〜ん、今お時間ありますか?聞きたいことがあるのですが・・・。」


「あ、はい!ロイ様大丈夫です!」


なんかめっちゃ元気だなこのドラゴンさん。


「リンというドラゴンはいないですか?」


「リンですか?リンなら今はロイ様の従者となるべく日々修行をしめおります。」


「そうですか、リンに会いたいのですが案内してもらえませんか?」


「了解いたしました。では私についてきてくださいね!」


妙に張り切っているドラゴンの召使い?についていきながら考えていると周りにいるドラゴン達が遠巻きにこっちを見て羨ましそうにしている。


さてと、ようやくリンに会えそうだ・・・リンはどんなドラゴンになってるかなー?

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