転生
・・・うん?ここはどこだ?
目を開けて周りを見渡すと真っ白な光景が広がっていた。
眠っていたにしてはやけに目が冴えている。しかも周りは白い。
俺は立ち上がって改めて周りを見渡していたら後ろから突然声がかけられた。
「あ、あの・・・?聞こえますか・・・?」
俺は少しばかり驚いて慌てて振り返った。
そこにいたのは10歳にも満たないような見た目をした少女だ。
顔立ちはまるで人形のように整っていて可愛らしい。
頭にはフードを被っており手には少女の背丈の2倍以上はありそうな鎌を持っている。
「か、鎌?君はなんでそんなもの持ってるのかな?」
俺は内心ビクビクしながら聞いてみた。
俺の質問を聞いた少女は涙目になりながら謝ってきた。
「ご、ごめんなさい!!間違えてあなたの魂を刈り取ってしまいました!!」
え?何を言ってるんだこの子は?
「え〜と君はその格好を見るに死神・・・とかじゃないよね?」
「え?勿論死神ですよ?今回は間違えましたが寿命が尽きる人の魂を刈り取るのが仕事です!」
何故か彼女(死神)は元気にそう答える。
「そうか、それで間違って殺された俺はどうなるんだ?地獄にでも落ちるの?」
「その事については私から答えさせていただきます。」
軽く冗談で言ったら少女の背後の空閑が裂けた。
空間の中は真っ黒でその中から眼鏡をかけた真面目そうな男がでてきて答えた。
「あなたには2つの道を選択してもらいます。1つはこのまま死を受け入れ天に召されることです。あなたは地獄に落ちるようなことはしていませんからね。」
男はそこまで喋ると一息ついてどこから出したがわからないがコーヒーをひと口飲んで話を続ける。
「もう1つの道は転生です。」
転生?ラノベとかで使われそうだ。
まあでも死ぬよりは転生のほうが楽しそうだし話だけでも聞いてみるか。
ちなみに少女はずっと涙目で俺の方を見ている。
なんなんだ一体・・・。
「転生ってどこに転生するんだ?」
「はい。転生といってもいくつかありますが基本的にランダムとなりますがあなたは例外的に将来を約束された生き物に生まれますのでご安心を」
ふむ、つまりいかにも弱そうなゴブリンやスライムなどには転生しないわけか。
「わかった、じゃあ早速転生してくれ」
「かしこまりました。では有意義な第二の生をお楽しみください」
男がそういうと俺の意識はゆっくり闇の中に沈んでいった。