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燕巣スープ?いや、子安貝。石上の中納言(四)

自分の腰を犠牲にしてまで(成り行きですが)、掴んだものが実は貝ではなかったと言う事実にショックを受け、寝込んでしまいました。まぁ、腰が再起不能ですから当たり前でしょう。

子供っぽいことをして(いつものことですが)、求婚が駄目になったことを、ナルシスト(プラス妄想壁)の石上の中納言は人々に知れるのを大層恐れていました。

求婚より自分の悪い噂が流れてしまう方が正直嫌なのです。

こうした経緯を、久々に登場するかぐや姫が聞いて、お見舞いの歌を贈りました。そこには、


『年を経て浪立ち寄らぬ住の江のまつかひなしと聞くはまことか(訳*落ちて腰打って再起不能とか超ウケるー!私のところに子安貝持ってこない奴なんか待つ甲斐がないしー。)』


‘貝’と‘甲斐’が掛かっています。かぐや姫にしては上手い歌です。

「これはお見舞いの歌と言うのか?」という疑問は置いといて、石上の中納言はこの歌を見て、家来に紙を持たせ苦しい気持ちをおさえ、やっとのことで返歌を書きました。


『かひはかくありけるものをわびはてて死ぬる命をすくひやはせぬ(訳*ごめんよマイハニー。けど君から歌をもらえるなんて少しは甲斐があったみたいだよ。)』


そう書き終わった途端に石上の中納言は息絶えてしまいました。本望なのか何なのか、ちょっと気の毒な気もします。

かぐや姫もこの件については少し気の毒に思ったみたいです。


≪カグヤ姫ノ人間性ガ1上ガッタ!!≫


おっとなんでしょうね、このどっかのクエストみたいなレベルアップは。

兎にも角にもここからまた「甲斐」についての言葉が生まれました。少しだけ嬉しいことを「甲斐があった」と言うようになったそうです。皮肉ですねー。



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