1 26年4月分給料(4月分5月支払いもある)より「独身税」開始
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は26年4月より始まる「独身税」を始めとした「実質増税」について語っていこうと思います。
1 「独身税」の愚行
2 「106万円の壁撤廃」の罠と「通勤増税」
3 防衛増税と真の意味の防衛強化とは?
4 税金も給付も「簡素」にしろ!
今回はこれらの項目で複数回に分けて個人的な意見を述べていこうと思います。
そして、これらが「増税」と認識されにくい構造についても語っていこうと思います。
質問者:
遂に「独身税」とやらが始まるんですね……。
というか、正式名称は何なんですか? すっかりネットではその名前が独り歩きしてしまっていますけど……。
筆者:
勿論ですが正式名称ではありません。
正式名称は「子ども・子育て支援金」という名前です。
全ての公的医療保険(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度)に加入している全世代の被保険者が負担対象になります。
率としては0.23%で(ただし階段制になっておりズバリ0.23%ではない)、4月分の給与からちゃんとした会社や給与ソフトを使っているのであれば表記されることになります。
※ただし給与明細への記載は法令上、内訳記載は必須ではないものの、可能な範囲での対応が期待されている程度にとどまっています。
保険料に伴う追加であるために「増税」という意識が薄いですが、れっきとした負担増なので「増税」という認識で問題ないと思います。
具体的な負担金額としては会社員の場合、
年収400万円:月額384円
年収600万円:月額575円
年収800万円:月額767円
などとなります。
質問者:
何か批判の的になっている印象が強いんですけど、どうしてそんなにネットでは攻撃されているんでしょうか?
筆者:
そもそも「独身税」と呼ばれている理由としては子育て世代はリターンが得られるものの、そのほかの人には一律で課税されるために「実質的に独身税だ」という認識が植え付けられているのです。
若者の独身を支援する事こそ少子化対策だと思っているのですが、若者の負担を増やしてしまうのは少子化対策に逆行していると言って良いでしょう。
実際にブルガリア が1968年から1989までのあいだに25歳以上の独身者に収入の5〜10%を課税したところ、結婚が促進されることは無く、出生率も2.18から1.86に低下し、政策は撤回されました。
やはり、独身者の経済的余裕を奪うことは良い状況を生まないのです。
質問者:
なるほど……ですが、かつてのブルガリアの独身税と比べて「日本版独身税」は実質的な税率が低いので何とかならないんですか?
筆者:
僕は「税率低いうちから指摘していかなければいけない」と思っています。
日本の保険料率というのは上がり続けているんですよ。「税金ではない」という理由で法律をイチイチ改正せずに閣議決定などでアッサリと対応してしまうことが多いのでほとんど注目されていないんですけどね。
同じような保険料制度の税率推移を確認していきますと、
健康保険料率は1961年の実質的な導入が6.3%だったのが今では10%と1.5倍に
厚生年金は実質的に始まった1950年が3%でしたが今は18.3%を労使折半と6倍に、
介護保険は導入が始まった2000年には0.6%だったのが今では1.82%と3倍に
それぞれ爆上がりしているんです。
今回の0.23%も令和10年度には現行制度のままであれば早くも1.5倍になるようなので、これからも段階的に引き上げられていくことが予想されているんです。
「ちょっとなら大丈夫だろう」と見過ごしているとあらゆる項目がちょっとずつ上がっていって今の重税体制になってしまったという事を教訓にしなくてはいけないのです。
ですので「たった0.23%でカリカリするなよ~」という事では無く、逆に神経質に反応していくことが大事なのです。
その都度指摘していくことが、政府の理不尽な実質増税をやりにくくする手立てになると僕は思っています。
逆に一度目から税率が高いという事はそうあるものでは無いですからね。少しずついろいろなところから取ろうと画策するのが政府なのです。
質問者:
確かにあらゆる税金が気が付けば上がっている感じがしますよね……。
筆者:
しかもこの「子ども・子育て支援金」は令和6年4月に可決されたわけですが、
その際の国会答弁では当時の岸田総理は「賃上げがされているために実質的な負担増にはならない」としていたんです。
確かに賃上げのペースが物価高を上回っていればその理論は成立するでしょう。
しかし現実は令和3年から4年連続で実質賃金がマイナスの状況で真逆と言っても過言ではありません。
その上でさらに増税をしようとしているという事です。高市首相は積極財政を掲げていますが、この実質的な増税の撤回について議論どころか話題にすらしていません。
更には野党もこれが法案審議されたときは話題にしましたが、最近では追及しようとすらしないです。予算審議で時間を取りたいのであればこういったことを質問するべきだったでしょう。
これが今の日本の与野党の政治の現実だという事を重く受け止めなくてはいけないでしょう。
質問者:
野党がホントしっかりして欲しいですよね……。
「子ども家庭庁」 に7兆円以上の予算が付いているのに成果が上がっていないから廃止して他の財源にした方が良いというお話もSNSでは違憲としてあると思うんですけど、それについてはどう思いますか?
筆者:
子ども家庭庁というのはこれまでの児童手当など各省庁の子育て支援策を一手にまとめたものです。
そのために子ども家庭庁を廃止したとしても独自の事務手数料が節約される程度で、元の省庁に政策が帰るだけなので大きく削減することには繋がりません。せいぜい数十億円程度でしょう。
その上でこれまで日本政府が「少子化対策」と呼ばれるもののほぼ全てが「子育て支援」に終わっており、本質的な出生率上昇に繋がらないことは事実だと思います。
これもずっと前から言ってますけど「子育て支援=少子化対策」になるためには子育て費用を全額(1人あたり2000万円ほど)賄うぐらいにしなくては一致することは無いです。
インセンティブとして成立していると思われていないのが現段階の支援なのです。
質問者:
第一お金だけの問題では無く、愛情や労力など子育てに関する様々な気力を振り絞る必要がありますからね……。
筆者:
特に戦後日本は学歴社会になっており少しでも良い教育を受けさせるためには、親の立場からでも様々なサポートをしていかなくてはいけないでしょうからね。
ただ、現状の政策を全く無くしてしまえば一気に出生率は暴落することはほぼ間違いありません。
確かに近年出生率の低下は顕著ですが、それでも一定の歯止めをかける効果があったのではないか? と思っています
他の都道府県より資金がある東京都では、
所得制限なしの18歳まで月5000円の給付や、2025年度からの「第1子を含む保育料無償化」、都立高の授業料無償化や、結婚・妊娠・出産時のギフト券配布などを行いました。
元の出生率が低いことも影響しているかもしれませんが、下げ幅は縮小傾向にあります。25年に関して言えば9年ぶりに出生数はプラスに転じました。
つまり、お金をかければかけるほど出生率にプラスの影響を与えていそうなのも事実ではありそうなのです。
※もっとも子育て支援策が全く無かった場合、もっと手厚くした場合の出生率の検証は当然ながら出来ないため”本当のところは分からない”というのが現実だと思いますがね)。
質問者:
とは言え東京都の出生率は1前後で全国最下位ですからね……。ホント子供1人あたり2000万円ぐらいを合計で給付が無いと劇的に改善しない気もしますね……。
筆者:
いずれにせよ既存のあまりうまく行っているとは言い難い子育て支援策のために「全世帯型負担」を強いるのが今の自民党政治だという事です。




