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クローバーには「裏」がある  作者: せつな
第一幕 凡人学生には『裏』がある 1〜11ep
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第一幕 4話 月城紗白


 その大人気おとなげな後ろ姿をした少女は、フェンスに腕を置きながら夕空を見上げていた。星を見に来たとでも言うのだろうか?この屋上からは星がより一層澄んで見える、天体観測にはうってつけの場所と言っても過言ではない。


 でも、天体観測をしに来たのなら少し時が早い気がする。


 涼しい風が屋上に流れて、彼女の白く綺麗な髪を揺らす。


白髪に、ショートボブによく似た髪型。


 「月城?」


 思わずそう声に出してしまった。


 「!?」


 驚いている様子でこちらに顔を向ける。……宝石のような目に整った顔立ち。横髪には黒いヘアピンを漢字の「ニ」の様な形で付けている。この付け方をなんというのか、男の俺には到底理解できなかった。


 「確か零さん。だよね?」


 「あぁ、よく知ってたな。学園の有名人とはかけ離れている人の名前を」


 「知らない訳ないよ?同じクラスの隣の席に座ってる人なんだから。」


 彼女は、柔らかい笑みを浮かべた。……なんか変な事を言ってしまったのだろうか。人との交流関係が致命的に少ないせいで全くわからない。


 「月城は、なんでこんな所に?……というか此処は立ち入り禁止の場所のハズじゃ」


 そう言いかけた途端、頭の中から腹を抱えて笑っているかの様な声が聞こえる。


 そこまで言ったあとで自分の言動を振り返り、やらかした事に気づいてしまった。月城は少し笑いを堪えている様に見える。


 「その言葉、そのままお返しするね?」


 そうニッコリとした顔で言うと、堪えきれなかったのか小さく笑いだしまった。


 俺は目の前の光景にただただ唖然と立ち尽くしていた。その様子を見たからか月城は笑いを抑えて「こっちに来て」と手招きしたのでそれに応じる事にした。


 この学園のフェンスは誰でも乗り越えられるほど低い。それこそ腕をのせることが出来るほどだ、ただそれには少し訳がある。


 ***


 少し前、この学園で飛び降り自殺を行なった生徒が居た。その後屋上のフェンスの高さを上げるか、屋上そのものを立ち入り禁止にするか、という会議が先生達によって開かれ、後者に決まったらしい。その決断は、屋上で遊んでいた生徒達からかなりブーイングを貰ったという。


 ……前までは生徒達で賑わっていた屋上は、今では少し殺風景に思えてしまった。


 ***

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