第一幕 2話 噂の転校生
「今日から2年1組の仲間になる転校生を紹介します」
先生のその言葉を聞いた生徒たちは、急に騒がしくなった。
「どんな人かな?」「美人だったら付き合いてー!!!」 「可愛い子来てくれーー!!」「楽しみー」
そんな喜びや期待の声で2年1組は満ち溢れていた。
「僕は静かな子だったら有難いんだけどな〜 零はどう?」
怜はこのクラスの騒がしい雰囲気にかなり飽き飽きしているらしい。
「俺は特に無いよ」
きっと、このクラスに人が一人増えた所で俺の目的に影響は無いだろうから。ーーーーー
「失礼します」
そんな落ち着いた声色と共に2年1組の扉がスライドする。
その瞬間生徒たちは呆気に取られる。前の席に居た怜の顔を覗くと、少しほくそ笑んでいた。
『美人だな』
なんの躊躇いもなく言い放ったその声は俺の頭の中から聞こえていた。
この声は俺にしか聞こえない、だからこそ躊躇いもなく言ったんだろう。まぁただの幻聴なんだけど
そしてその転校生は黒板の前に立った
「零華学園から来ました、月城紗白と言います。よろしくお願いします」
淡々とそう言って自己紹介を終わらせる。思ったより生徒達からの歓声が薄い。何故なのかその理由は簡単に分かった。
『男女問わずみんな見惚れて居るとは、まぁその気持ちも分からなくはないんだけど』
「お前は誰から目線なんだよ」
『しいて言うなら、お前の兄さん目線だな』
……白髪のショートボブ、紫の瞳、整った容姿がクールな感じを引き出している。
「紗白さんは左端奥の席に座ってください」
「はい、分かりました」
左端奥、……嘘だろ???俺の席の隣は空席だ。そこも含めこの席は素晴らしかったのに。
「よろしくね」
俺の席の隣に、月城は躊躇いなく座った。
「……あぁ……よろ……しく」
周りの奴らが鬼の形相で俺を見てくる。きっとあいつらは自分の席の近くに来て欲しかったのだろう。まぁそんな事はどうでもいい
今この瞬間、この席の素晴らしさが一つ消えた事の方がよっぽど悲しい
『良かったな、まさかお前の席の真隣だとは。とてつもない豪運だな?』
「お前に肉体があったら、顔面にストレートをお見舞してやりたかったよ」




