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クローバーには「裏」がある  作者: せつな
第二幕 素敵なあの子も『裏』がある 1〜
16/25

第二幕 3話 静かな夜には『裏』がある 《続》


 ……ドサリ、とオレの相棒がまた一人、何処からか脳天を打ち抜かれる。


 「ッチ!!!次狙撃しようとした瞬間、この嬢ちゃん殺すぞ!!!」


 辺りに叫びながらオレは目の前の女を背後から抱き寄せて、持っていたチャカ(拳銃)の銃口を頭へ押し当てる。


 「いいかァあー!!!そのままにしてろよぉお!!!少しでも狙撃する素振り見せたらコイツの脳天、ぶち抜くぞ、ぁああ!!??」


 威勢を張りながら、ハコ()のトランクを開ける


 「ヨシ、だいぶいつも通りに調子が戻ってきたぁあ!!!オレの方が立場は上だぁあ!!このままコイツをトランクに詰めればオレ様の勝ちだぁあ!!」


 「静かにしてくれ、騒がしい」


 「……っな!?」


 何処からかそんな声がしたと気がついた時には、オレがこの女に頭に当てていたチャカ(拳銃)は遠くに弾き飛ばされていた。


 「グブォファッ!!!???」


 直後に顔面を掴まれて地面へと激しく打ち付けられてしまった。


 ……まて、待て待て待て!?このスピードでこの威力、そして異様な姿をした黒い狐の仮面。聞いた事があるぞ……ま、まさか!?


 「アイツ……らが言って、た……零の……亡、霊?」


 「アイツら?」


 薄れゆく意識の中で目の前の狐面を被った男は「おい、おーい」とオレに呼びかけていた。

 

 「まぁ……いっか、それより」


 ***


 ペットボトルに入った冷水を、気を失ったそいつの顔にビシャッ、とかける。


 ……折角コンビニで買った水が、減っていくのを悲しみながら。


 アイツら、とは一体誰のことを指しているのだろうか。極めつけには《零の亡霊》と言うワードを何故知って……ま、いいか。どちらも今の俺には全く関係のない話なんだし。


 目の前の大柄な男はすっかり怯えきった表情をしながら目を開けた。


 「それじゃあ、君のお友達連れて帰ってね」


 「い、いや、もう相棒達はお前に……息の根ひとつしてねェんだぞ?そんな奴らを連れ帰った所で……」


 はぁ、と思わず溜め息が溢れてしまう。


 「さっさと連れていってくれないかな?……それとも、君もあのお友達と同じ結末になりたいの?」


 さっき狙撃した人の一人を指でさしながらそう問いかけると、目の前で顔色を青ざめながら座ったままでいた男は、死に物狂いに二体の死体をトランクに詰め込んで逃げるように車を走らせていった。


 「とりあえず、一件落着かな」


 死体を持って帰らせた理由は至って簡単、死体が公園に放置されているのを誰かに目撃されたら、後々面倒なことになるからだ。


 いくら殺人事件発生率が高い国と言っても、公園に死体が二つも並べられていたら捜査が始まりそうな気がする。


 「よっと」近くに置いてたエコバッグの中を探ってカレーパンを取り出す。少し、生ぬるくなってしまっていた。


 カレーパンだったからギリのギリ許そう。もしこれが焼き鳥だったら、生かしてはおけなかっただろう。


 それほど焼き鳥の価値は俺の中で重いのだ……と、そんな事を考えていると背後から聞き慣れた落ち着いている声が聞こえてきた。


 「零、さん?」


 「ギ、ギグッ」どうしていつも、こう上手くいかない人生なんだ。


 「ヒトチガイデスヨー」


 直後、背後から左肩をトンッ、と小柄な手で軽く掴んで揺らされる。


 渋々、後ろを振り返ると……そこにはいつもとは雰囲気の違った全体的に黒いパーカーを着た……月城の姿が目に映るのだった。


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