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クローバーには「裏」がある  作者: せつな
第一幕 凡人学生には『裏』がある 1〜11ep
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プロローグ


この世界には特殊体質、と称されるものが存在する。


大抵の場合、特殊体質か否かは生まれた時から決まっていて、そんな特殊体質の人間の事を人は「異能力者」と呼ぶ。


だがソレの大半は手から炎を出したり、サイコキネシスで空を飛ぶ、と言ったものとは遠くかけ離れており、特殊体質であろうがいまいがさほど変わらないのである。


特殊体質の人間が持つ能力に例を挙げるなら、脳の回転が人より2倍高くなる、果物の皮を綺麗に剥ける、身体のリミッター上限が無い、とか……ただ、人生において有利になるのは確かだ。


「…はぁ」


俺は墓石の前に立ち尽す。

目の前の墓石に掘られた名前は、父さんのものだった。


「特殊体質とかなんだとか、本当に馬鹿げた話だな」


返事は勿論返ってこない、返って来たら返ってきたで怖いけども


「父さんは、特殊体質だったのかなぁ」


人気の無さがどこか寂しさを感じさせる墓地に、声が消し去られてしまった様な感覚がした。


『さぁな、だがきっと父はお前の事をいつも見守ってくれているだろうな』


頭の中からそんな声が聞こえてくる。


「居たのか、お前」


『そろそろ昔みたく兄さんって呼んでくれてもいいんだぞ?』


……俺には父と兄が居た。二人ともとても優しくて、俺の事をとても大事にしてくれた、大切な家族だった。


「お前はあくまで俺が生み出してしまった幻聴だ。それ以上でもそれ以下でもないよ」


『……どうだかね〜』


俺は他の誰よりも、お父さんと兄さんの死を知っている。だからこそコイツは、兄さんの声をしただけの、ただの幻聴であると兄さんではないと、知っている。


「お父さん、また来るね」


目の前の墓石にそう言って背中を向ける。


「俺は必ず、目的を果たすから」


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