表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

喋ってはいけない部屋

作者: 秋桜星華
掲載日:2025/08/25

しいなここみさまの「してはいけない企画」参加作品です。

 親友の美沙が一日だけマンションの部屋を留守にするというので、私が留守番をすることになった。


 留守番とはいっても、じつはお願いしたのは私のほうだ。彼女の豪華なマンションの部屋にぜひとも住んでみたかったのだ。


「置いてあるものは動かさないでね。ゲーム機は好きに使っていいわよ。蛇口も好きにひねってね。猫とも好きに遊んで。スマホも見ていいわよ」


 私を連れて、美沙は高級マンションの怪談を。


「汚したらちゃんと掃除してね? ベッドのシーツは私が帰るまでに取り替えて」


「ベッドの上でお菓子なんて食べないわよ」


 私はそんなつもりは本当になかった。


「ただ、いつもの安アパートとは違う暮らしがしてみたいだけだから」


 どうやらこのマンションはエレベーター故障中らしいけど。


「中に入ってる食料品、自由に食べていいわよ。賞味期限の近いものから片付けてね?」


 美沙がスマホの写真を見せてくれた。冷蔵庫の中に高級そうな包装がいっぱいある写真だ。


「高級食品がいっぱい! これ、好きに食べていいの?」


「うん」


「わぁい♪」


「あ、でも……」


「何?」


「部屋に入ったら喋らないで」


「え!?」


「喋らないで」


「喋ると……どうなるの?」


「わからない」


「わからない……って?」


「この部屋に入る前に、管理人さんに言われたの。『けっして喋らないで』って。『おそろしいことが起こるから』って──。」


「ど……、どんなおそろしいことが?」


「わからないわ。知りたいなら喋ってみればいいじゃない」


 脅されて、そんな勇気はもてなかった。


「……やめとく」


「それじゃお留守番、お願いね」


 美沙はまるで海外旅行にでも行くみたいな大荷物を身の回りに出現させると、階段をすうっと下りて行った。



 ◇ ◇ ◇



(へへ……。ブルジョワ気分)


 私はふかふかのベッドの上で飛び跳ね、ゲーム機で遊び、蛇口をひねり放題にひねり、猫と遊び、スマホをチェックし、冷蔵庫の高級食品を猫と一緒に食い尽くすと、やることがなくなった。


(いい部屋だな)


 ――そう、しっかり言いつけを守り、喋っていないのだ。


(あ、お笑いでも見ようかな)


『でさ~』


『いや、なんでやねん!』


 うぷぷ……


 やばい、笑っちゃいそう。


 ――合計50分あるお笑い番組に耐えると、腹筋が悲鳴を上げていた。


 次の番組はニュースだ。心底興味がない。


 ――ついにやることが尽きた。もともとなかったが。


(まぁ、暇だし寝るか)


 そう思いながら、ゆっくりとまぶたを閉じた。



 ◇ ◇ ◇



 カサカサカサ……


 カサカサカサ……


 何やら音が聞こえる。


 カサカサカサ……


 カサカサカサ……


 どうやら、左耳の直ぐ近くから音がするようだ……。


 目を開け、左を向くと――


「クもっっっっっっっっっっっっ!?」


 いつもより高い声が出た。


 ――どうやら、この部屋の中にはヘリウムが充満していたらしい。


私、化学詳しくないのでそこんとこよろしく☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
水兵リーベ僕の船……。 何となくヘリウムが満ちてると、良くないという事ぐらいは分かりますが(ちなみに風船用のヘリウムガスは酸素が含まれていないので、吸うと危険なようです)
なるほど、喋ってはいけない理由はそう言う事でしたか。 すると美沙さんが在宅中のタイミングで電話をかけると、そう言う事になってしまいますね。 電話の受け答えをする時は一回自室から出る必要に迫られそうです…
どうしたらこんなトボケた発想が降りてくるのですか!? 高い声が頭に浮かんでしばらく笑いが止まりませんでした。・゜・(ノ∀`)・゜・。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ