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18話:沈黙


[称号:完全試合パーフェクトゲーム]を獲得しました。


*試合を無傷で3戦連続で勝利する。

効果:無傷の状態の時のみ、ステータスALL+20。


名前:御堂(みどう) 久遠(くお)

職業(ジョブ):なし  称号:大物喰いジャイアントキリング完全試合パーフェクトゲーム


レベル:1  0P

筋力:13+20

体力:15+20

魔力:1+20

精神:12+20

耐性:8+20

器用:15+20+1

俊敏:12+20

魅力:11+20

幸運:13+20


技能(スキル)

直感

装備中:器用の指輪



これはチートなのでは?いや一撃でも喰らえばステータスに補正がなくなる分、低レベルでは落差が大きくて使い辛いのか?

試してみないとわからないか。


ガッツポーズを取りながら思考していたが現実に戻ると保奈美にいや他の女子にも違和感を感じた。


「久遠くん、素敵…」

完全に目がハートになった保奈美が俺を見つめている。


「どう考えてもやり過ぎでしょ…」

「( でもちょっとだけカッコイイと思っちゃった。駄目よ!相手は保奈美の彼氏なんだから!)」

真由ちゃんは何か呟いた後、何かを振り払うように頭を振っている。


残りの女子はぼ〜とした眼差しで俺を見つめている。


まさかステータスの魅力が上がったからなのか?

確かにネット情報で魅力値を上げるとモテるのか検証した奴がいたらしく、上げるほどモテると確認されたらしいが…。

俺の場合は一気に約3倍になっていることを考えれば、保奈美や他の女子の反応にも納得だ。

世の女性からブレイバーがモテるわけだぜ。


考えているうちに相手は場外に運び出されていた。


「佐藤!あの調子に乗った無能を叩き呑めしてこい!」


あ〜あ、剣士クラスの担任、俺のことを無能呼ばわりして最早、体面すら取り繕えなくなってるじゃん。

後、俺はまだやるのね…。ここでやめますと言っても逃げたとか言われそうだし、こうなったら新しい称号を試すしかないじゃん!


呼ばれた佐藤くんとやらも苛立っているのか睨んだまま、ゆっくりと闘技台リングに上がってくる。

その手には木刀を握り、闘技台リングに上がる前に一礼、東雲先生に一礼、俺に向かっても一礼。

それに釣られて俺も一礼する。

頭を上げると相手は気持ちを切り替えるように深く深呼吸をしていた。


「2人とも準備はいいか?」


俺は4戦目にも関わらず、止める気はないみたいだ。

俺からしたら相手贔屓ひいきな東雲審判が腕を上げる。


すると相手はさっきまでとは違う真剣な表情を浮かべて、木刀を正眼に構える。

どうやら今度の相手は剣道経験者のようだ。


「初めっ!」


正眼に構えたまま、俺を冷静に見据えて動かない。

剣道3倍段と言われるように無手(徒手)の者が太刀を持つ者に勝つためには3倍の段数が必要と言われるように相手もそう思っているのだろう。

確かに一人目の剣素人とは相対した時の迫力が違う。


でも俺は称号を得て負ける気がしない。

まるで散歩でもしているように普通に歩いて、相手との距離を縮めていく。

その無警戒とも無神経なとも取れる行動に相手の表情は再び激怒の色が出る。

それでも気にした様子もなく無警戒に相手の間合いに踏み込む。

本人は勝って当たり前と思っている戦いでも俺の行動に対して舐められたと感じた相手は激昂した。


「舐めるなぁっ!」


張り上げた声と伴に木刀が振り下ろされる。

だけど、その振り下ろしは今の俺にはやけに遅く感じていた。

間合いから半歩だけ素早く距離を詰めて、振り下ろされる木刀の握り手を左手一本で止める。


「なっ?!」


片手で軽々と止められたことに驚愕の表情を浮かべる。

逃さないように握り手を掴んでいる方の手に力を入れて、しっかりと掴むと相手の手から異音がなる。


ミシミシッ!!


「ぐっ!?」


痛がる相手に構わず、掴んだ手で引き寄せると横っ面に渾身の一撃をぶちかます。


ドゴォ!


ステータス値は恐らく相手の2倍。

子供と大人、もしかしたら子供とヘビー級ボクサーくらいの差になるのかもしれない。

そんな一撃を受けたらただじゃ済まないだろう。

案の定、相手は木刀を残して光となって消えた。


コロシアム内には今日1番の沈黙が下りる。

東雲先生も信じられないと言った具合に何も言わない。


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