拝啓エフフォーリア
ちょっとまだ心が落ち着いていませんが、本当にお疲れ様でした。
抜け出してから後続を寄せ付けなかった共同通信杯も、行きっぷりよく力を見せつけた皐月賞も、シャフリヤールの猛追にハナ差で苦渋を舐めたダービーも、無敗三冠馬コントレイルと希代の快速馬グランアレグリアを同時に降した秋の盾も、圧巻の走りで年度代表馬を勝ち獲った有馬記念も、………そして調整に苦しんだ古馬になってからも、たくさんたくさん夢を見せてもらいました。
先日の京都記念で手応えなく後退してしまった時、故障だったらどうしようと気が気ではありませんでした。
心房細動と聞いて「まぁそうだろうな」というのと「大事なくてよかった」と「普通に走れていれば」というのとがごちゃごちゃに押し寄せてきてよくわからなくなってしまいましたが、それでも次走は復活できる、と本当に思ってました。
実際これから先もまた走ったら、もしかしたら今いる現役最上位馬たちを撃墜王らしく蹴散らすことができるかもしれません。トウカイテイオーやコントレイルのような奇跡が待っていたかもしれません。
それこそお父さんのエピファネイアやお爺ちゃんのシンボリクリスエスのようにムラがあるだけだったかもしれません。
しかしたらればはありません。彼のこれからの種牡馬生活をより良くするために、引退が決まりました。
それが悪いことだとは決して思いません。
彼が強かったという事実もまるで消えません。
これから先は彼の子どもたちに想いを馳せるのだと思います。
もう何が言いたいのか、何を言っているのかわからなくなってしまいましたが、これからもエフフォーリアの活躍と息災を心より願います。