エピローグ〜受け継がれる思い、そして〜
秘宝館がまたはじまる。
そしてリニューアルオープンの日を迎えた。
オープン時刻は昼の1時間となった。
明と心は朝から掃除や各展示物のメンテに追われていた。
(あとは、お客さんが入ってくれるのを待つだけ)
やるべきことやった。その点に関しては何の問題もない。
明け方から神戸さんを含む四人の秘宝館フリークたちが新しい秘宝館を心待ちにしている。
次第に集まる人々、いざ開館間近となると目新しさもあって、その数は100人にも膨れあがっていた。
明は確信している。
きっと成功すると...。
そして人生においてとても大切なものを学んだことも確信していた。
「いらっしゃいませ!ようこそ秘宝館へ!」
・・・・・・。
・・・・・・。
明は車を走らせている、助手席には心。
およそ3ヶ月間という充実とした日々を秘宝館と共に過ごした。
やり遂げることができた。
オーナーからは、これからのこと、別の世界でもう一度頑張ってみないかと言われた。
明は心のままに、
「はい」
と答えた。
不思議と心にわだかまりもなく、未練も、違和感もなく秘宝館から離れた。
気持ちは晴れ晴れとしている。
熊本に戻っている。
また、はじまるきっとやれる。
明は今の自分を強く信じている。
心がいる。
「ねえ、明君、本当によかったの?」
「うん、これでいい」
明は心に優しく微笑みかけた。
完
これにて完結でございます。
なろうにあげたいなあと思っていた過去作で、実家の押し入れから探しだしてきました(笑)。
当時は傑作(笑)なんて、自画自賛していたのですが・・・うーん、思ったより情熱が先走っていたかな。
重ねて、完結まで読んでいただき感謝です。




