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なんかすごい性能の宇宙船を拾った  作者: 工具
03B_本当はAIでもホログラムでもない彼女の日常

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03B-06(02-06~02-29)

02-06~02-09


 次元を超えて任意の空間同士を繋げるワームホールを開くための許可を得るための手続きが知らないうちに変更されていたり、その許可をいちいち申請しなくても自己判断で処理できる資格を取得するのに思いの外手間取ってしまった。

 青年が≪金剛城(こんごうじょう)≫のクルーの皆とイチャイチャしてるのを後から確認するだけの日々はつらかった。その場でこっそり覗き見したかった。


 執拗に何度も申請を続けていたら、審査担当が根負けして漸く青年達が調査に乗り出せる異次元へのワームホールを開く許可を得られた。

 何も危険なことをしようとしてるんじゃないんだし、ちょっと理由が雑にでっちあげたのが明らかでもさっさと通してくれればよいのに。

 つい愚痴がこぼれてしまって予定日を遠目に設定されてしまった。そのころには許可申請しなくても良い資格が取得できてそうなんだけど? 嫌がらせか。

 そんなやり取りをしてた所為で、宇宙怪獣の養殖を始めようって決める会議に参加できず後から知ることになってしまった。最近良いことないなぁ。




02-10


 資格試験に備える日々の息抜きとして≪金剛城(こんごうじょう)≫に顔を出してみたら、丁度良く青年のそばにアバターがあってテンションアップ。

 何気ないやり取りで疲れ切った心と魂が癒されてモチベーションアップ。

 思い付きで誘ってみたら思いの外好感触にVRデートしてくれて好感度アップ。

 二人きりを満喫したくらいでクルーの皆も続々とVR観光に参加してきて絆パワーアップ。……これはちょっと上手くないかな。

 まあ、青年との時間を過ごした後に皆と一緒に遊んで気分は上々。恋も友情も順風満帆。

 さ、また勉強頑張りますかね。




02-11~02-14


 有人船によるワームホール往復実験の被験者役をエルフさんが勝ち取ったのは問題ないとして、まさかあんなに青年が心配するとは思わなかった。

 あまりにも慌ててるものだから、ワームホール人種(ヒトしゅ)が通過する際の安全性に関する資料をつい開示してしまった。失敗失敗。ふへへ。

 入れ込み過ぎてやりすぎたら注意受けるから気を付けないといけないなあ。


 で、青年というか≪金剛城(こんごうじょう)≫クルーのみんなとエルフさん達は、私が思った通り海老蝦蛄さん達を受け入れてくれた。良かった良かった。

 ワームホールを始めて通過した時にどんな光景が広がっていたら楽しめるかと接続先を探している途中、今にも滅ぼうとしている海老蝦蛄さん達を見つけその伝承を知りまたも青年のうんめいちからが引き寄せた巡り合わせだと感じたのは間違っていなかったらしい。


 今のところ何もなくともこれからは何かあるかもしれないが、なんとかやっていけるでしょ。たぶん。

 消滅するのが確定している異次元から大量の資源を回収したのは手間賃ってことで一つ。これくらいなら事前に取得した資格でどうにか誤魔化せるでしょ。いや、私が主導したわけじゃないし私に責任はないな。ヨシ。




02-15~02-24


 お……? 斜陽っていうか日没寸前みたいな状態だった帝国がなぜか戦争を始めた。潰れる寸前の国家とかそんなものかもしれない。青年やムチっ娘さん達も無関係じゃないし一応伝えておこう。

 いつか叩きのめしたいと思ってちまちまその計画を詰めていた相手が大変ヒドイ目に遭って嬉しいのはわかるけど、バーベキューっていうかサバトか原始宗教の儀式みたいになってたのはどうかと思いました。でも楽しかったので無罪。


 青年には内緒でムチっ娘さん達と協力し、帝国内の戦争被災者を中心に難民を上手いこと新エルフ星へ誘致する計画が発足。

 発足っていうかぱぱっと概要を協議したら機械的知性達が上手く回してくれるのが本当に楽。所謂『ハンコを押す作業』は機械的知性達から回されてくるものの、ムチっ娘さん達と持ち回りでやればさほど大変でもない。

 これから必要になりそうな資格の取得や各種申請を上位次元の方でしなくちゃならないので、ムチっ娘さん達の手を借りられて助かった。

 新エルフ星も惑星規模に対して居住者が少なすぎて先々が心配だったし、新エルフ星の害にならないよう気を付けつつどんどん移住者を増やそう。




02-25~02-29


 特にトラブルもなく≪金剛城(こんごうじょう)≫での日常を楽しんでいたら、再び異次元へ遠征する企画が持ち上がった。

 ぶっちゃけ資格の取得に備えて結構忙しくて、私個人としては緩やかな日々ってのはあんまり楽しめてなかったりする。

 勉強勉強また勉強なのよー。


 まさか、私の本体がある高位次元に由来しない超技術の類が見つかるとは驚きだ。

 紫の水晶っぽい何かは、私の本体が在る次元とは別の高位次元からのギフトを解析して、こっちの次元の文明で作り上げた技術による産物だと思う。たぶん。

 そういうのがたまに見つかるとは聞いていたものの、まさか自分で見つけることがあるとはものすごい驚いた。


 意識をこっちの次元に残しつつ本体の方で調べていた所為でぽろっと失言した気もするけどまあ大丈夫でしょ。

 ≪金剛城(こんごうじょう)≫クルーの皆はそういうところに触れないように配慮してくれるし、高位次元の方でも注意受けたりしてないし。

 ログ漁ってまで自分の失敗を確かめたくないもんね。


 そんなこんなで≪金剛城(こんごうじょう)≫の雰囲気はまったりした感じなのに私は行ったり来たりであわただしくしているうちに、帝国の方でドンパチやっていた戦争が一斉に停戦。

 私やムチっ娘さん達がこっそりやってた非営利支援活動がそんな事態に発展するとは思いもしなかった。タイヘンダナー。

 細かいことはバーベキューやって忘れればイインダヨ。肉食おう肉。そしたらまた本体に戻って勉強だ。

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