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「俺はアリックだ。
剣士だ。
それにしても、よく2体もオークを倒したな。」
「僕はクルスです。魔術師です。
助けて下さりありがとうございました。
ただ・・・いえ、なんでもありません。」
僕が目線を向けると視線をそらした。
「私はアンリエッタよ。
今日一緒に食事でも・・・。」
やけにしおらしい。
顔を赤らめて、チラチラ見ないでいただきたい。
「私はスズメです。
こ、交換条件は守りますから、
こ、殺さないでください。」
なあ、僕なにかしましたっけ?
・・・ああ、してますね。
まあいいです。
「ちょっと、スズメさん借りていいですか?」
「ああ、どうぞ?」
「わ、わたしも・・・。」
「あなたは素材の解体があるでしょう。手伝いなさい。」
「う、ううう・・・。」
すごく見てる。
スズメさんもそんなにうらやましそうな顔をしないでいただきたい。
なにも取って食ったりはしませんよ。
約束さえ守れば・・・。
少し離れたところに行く。
「ふるふる。」
「・・・・・・。」
「ふるふる。」
「・・・・・・・。」
「ふるふるふるふる。」
「・・・・わかった。
考えてなさい。
僕が言ったことを・・・。」
は震えてはいるが顎に手をあてている。
「さて僕はなんて言いました?」
「・・・殺す、地獄に落とす、二度と日は見れない・・・。」
「その前。」
「嘘ついたら・・・。」
「そう。つまり。」
「つまり、交換条件さえ守れば・・・。」
少し表情が明るくなる。
「そう、さっき言ったことはしないってことですね、
わかりましたか?」
震えも止まった。
「は、はい!」
うん、いい返事。
「早速、ステータスの見方と隠蔽の方法を教えてくれませんか?」
「わ、わかりました。」
丁度いい岩に二人で腰を下ろす。
スズメさんは緊張していたが、恐れはないようだ。
「まずステータスと叫べば、ボードが出てきます。」
「ステータス。これですかね?」
「はい、そうですって。
本当にすごいですね。
龍でも倒してきたんですか?」
画面を見る。
ツバキ ヒョウカ 男 Lv.275
一般スキル
武術関連全般SS
魔術関連全般SS
料理A
特殊スキル
構造理解
瞬間記憶S
隠蔽EX
鑑定EX
言語理解EX
???
うん、基準がわからんがイカれていることはわかります。
それに最後の???はなんだまだあるのですか?
「一般スキルが3つに、
特殊スキルが5つ。
計8つなんて・・・。」
ん?8つ・・・。
???は見えていない・・・。
これは・・・いや聞くのは愚策かもしれないですね。
やめておきましょう。
「で、隠蔽のやり方は?」
「確か、画面をタッチすればいいはずだったかと・・・。」
「タッチすると・・・。」
押すとステータスで隠すところが選べる。
よし、
武術関連全般、魔法関連全般から、
剣術、格闘なんかを取り出した。
それからいろいろとして、
結果、
ツバキ ヒョウカ 男 Lv.15
一般スキル
剣術B、刀術A、格闘B、解体C
風魔法B、氷魔法A、治癒魔法B、無属性魔法B
魔力操作A
料理A
特殊スキル
瞬間記憶A 鑑定B 言語理解B
と言った感じにしておいた。
スキル自体は増えて見えますが、
さっきよりはましでしょう。
使う可能性で考えた。
正直、スズメさんには感謝ですね。
あとでお菓子でも買ってあげましょう。
よしよし。
「ふ、ふわっ。」
「ありがとうございます。
では、行きましょうか?」
「・・・町に行くんですか?」
「ええ、そうですね。」
「い、一緒に行きませんか?」
顔を赤くして頼み込むようにそう言ってきた。
僕は正直驚いていた。
この子は引っ込み思案な子だと会話から読んでいたから。
勇気を出したんだね。
なら、
「いいですよ。
案内してくれませんか?」
僕は笑顔で応えないとね。
うん?
なんでうつむくんですか?
僕たちはさっきの場所に戻り、合流した。
「ほら、お前のも解体しておいたぞ。
この2体はお前のだ。
それにしてもよく倒したな。
片方なんかハイオークに成りかけだったみたいだぞ。」
ああ、話をしていた方ですね・・・ってあの女性に一番強いの押し付けていたんですか・・・。
僕の中でこの男二人の好感度は下がった。
仲間のために・・・大変なことを進んで・・・。
逆にこの厄介そうな女の好感度は上がった。
食事くらいはいいかなって思うくらいには。
無属性魔法に収納というものがあるらしく、
それを利用し、オーク2体を収納に入れた。
眼鏡さんが解説してくれたおかげでできた。
ありがとうございます。