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さあ。なぜ私はこんな目に遭ったのか?
それを私は下に落ちながら考えていた。
「ちっ。
あの人、よくもまあこんな問題を間違いましたね・・・。
また、勉強教えなきゃならないじゃないですか・・・。」
私には、高校にある友人がいる。
顔を爽やかだ。
そしてイケメン・・・。
・・・だが、致命的な欠陥がある・・・。
人気はあるくせにバカ。
スポーツをできるくせにバカ。
人助けなんかでよく僕に面倒をかけるくせにバカ。
そんな脳みそだけどこかに忘れてきたような超人
・・・それが私の友人、新幸久だ。
前にこのことを言ったら、
「最後のはお前の影響だろ。」
とまあ、殴って黙らせたが・・・。
「ご、ごめんなさい。」
と泣くまでやった。
後悔はしていない。
まあ、それはいい。
だが・・・いくらなんでもこれはないだろう。
追試後のテストをあいつから、ふんだくって見た。
絶句だった。
その先の追試は難易度が桁違いに上がるから、
勉強を見てくれと土下座され、気を許した結果がこれだ。
答案を読み進める。
最後は自分でフィニッシュを決めやがりましたか・・・。
最後の答え、0が一つ多い。
何をやっているんですか・・・。
これが合っていれば、合格点が30点ですよ。
しかも一度は丸を付けたあとすらある。
まあ、先生も先生だと思いますね・・・
・・・これくらいなら・・・。
けれど、これでさらに勉強を教えることが決定した。
奴を引きずって、
奴の家で勉強を始めることにしたんですが、
彼女?から、
呼び出しがあるとか言って、僕を先に行かせやがりました。
・・・幸久のおばさんとは仲がいいので家にいるのはいいのですが、
気に入らなかったので、
その代わりと言ってはなんだが、
朝顔のケーキを買ってくるようにいいつけました。
まあ、この補習の代金とすれば安いものでしょう。
僕は帰り道、
あるうちの高校の生徒がガラの悪い男たちに襲われていることがわかった。
ちっ。
面倒な・・・帰りますか・・・。
女の子の目を涙が伝っていく。
「・・・・・・・はあ。」
そんなわけにもいきませんか。
女の子に触れようとしてきたガラの悪い男に詰め寄る。
「ねえ。」
一発お見舞いする。
顎を打ち抜く。
ドン。
「何をしているのですか?暇でしょうか?」
女の子は茫然としていた。
この子は・・・
・・・見たことないですね・・・。
・・・こっちもですね。
それはそうと、あと4人ですか・・・。
「誰だよ。てめえは?」
「あなたこそ誰です?」
腹に蹴りを放つ。
吐しゃ物をまき散らす。
汚いですね。
のたうち回っている。
目元に傷のある男が歩み寄ってくる。
「おい、うちの奴に何してんだ?」
ああ、減ったけど増えちゃいましたね。
さあ、計算のし直しです。
「うん?
ああ・・・目障りだったからですかね?」
「ははっ。
おもしれえなおまえ。
だけどこっちにも・・・って
お前、椿氷華じゃねえか?」
調子の良さそうに笑っていたのから一変した。
ちっ。
厄介ですね。
「おい・・・氷華って・・・・夜叉じゃねえか・・・?」
「ああ、それ以外いねえんじゃね。
ってどうした?」
「に、逃げねえと・・・。」
「なんでだよ。
こっちの方が人数は上だぞ。
勝てんだろう。」
「違えんだよ奴は。
3年前、見たんだよ。
星倉組を1人で解散に追い込んだところを・・・。」
ああ、そんなこともありましたっけ・・・?
えっと・・・・・・。
あっ、ありました。ありました。
確か、経営の破綻から攻めて・・・・まあ、このことはいいですね。
「支倉さんはその組の元若頭候補だったんだよ。
だからか、こいつを探していて・・・。」
「おい、お前たちはいいや。
帰れ。」
「で、ですが・・・。」
「帰れっつってんだよ。」
女の子が支倉の視界に入る。
「お前にはもう用がないってんだよ。」
「ひいっ。」
「よかったですね。
帰っていいらしいですよ。
もう捕まらないでくださいね。」
「は、はい!・・・ありがとうございました。」
走り去っていく。
うん、これでいいですかね?
「お前のせいで兄貴は・・・更目さんは首つっちまったんだぞ!
お前さえ、お前さえいなければ・・・。」
|懐<<ふところ>>からナイフを取り出す。
「死ねやぁ。」
こっちはやる気満々ですね・・・間に合いますかね?
スマホに目を落とす。
間一髪、
拳を避ける。
振り向きざまに蹴りを放つ。
蹴り飛ばし過ぎた・・・。
トラック・・・。
こんなやつでも・・・。
切り返し、
奴を車線から蹴り飛ばす。
「はっ。かかった。」
「しまっ。」
ここで、私の記憶はない。
果たして轢かれたのか、刺されたのか・・・。
もう一人の友人の早咲 環に言われたことを思い出していた。
「あなたねえ、
そのうち死ぬわよ。
こんなにお人よしだと・・・。」
僕は冗談かと思ったけれども、
環は本気の目だった。
気にしとけばよかったですかね・・・。
ああ、
無理ですね。たぶん2人とも助けていましたね。
何度やっても・・・。
悪い、追試は自分の力で頑張ってください。
地獄で待っていますから・・・。
そして・・・この椅子に座っていた。
「ねえ、
これほんと・・・。ぷ、ぷははははは。」
なんかむかついたので立ち上がり、
蹴りをくれた。
「ぐっ。」
更にラッシュ。
拳も使う。
「ご、ごめ、や、やめて。」
ちっ。
このままくたばられたんじゃあ、
話になりませんか・・・。
「す、すいませんでした。」
すごい勢いで土下座をしていた。
「も、もうしませんから・・・。」
仕方がないから椅子に座りなおす。
うん?どうして椅子になんて・・・。
「そ、それで、ぷっ。」
私が拳を掲げると、
「君の死因、本当ですか?
助けた相手に刺されたって・・・。」
急に真面目な顔になった。
私は答えない。
そして慈しむよな、それでいて懐かしいような笑みを浮かべ、
「そう・・・。」
また、陽気な顔に戻り、
「君を気に入った。
だから、転生してね。」
「パス。」
「じゃあ、早速・・・。
うん?パス・・・・。」
「ええ、パスです!」
笑顔で答えてやった。
「えっ、どうしてもしかして僕のこと信用できない?
僕は全能神だから安心。
さあ、怪しくない~!」
変なアピールをしてくる。
さっきの話、利点があるのはわかるんだが・・・。
胡散臭い奴が視界に入る。
うん、こいつは信用できないな。
本能が言っている。
「じゃあ、数学の七大問題解けるんですか?
P対NP問題を・・・。」
少し考えた後、
「ああ、余裕だよ。
そういうと思って用意しといた。
君は以前、解いたことがあったね。
公表はしなかったけど・・・。」
紙を受け取り、答えを見る。
・・・・正解ですね・・・。
それに私の過去のことも知っている。
これは・・・信じる価値があるんじゃないですかね?
「わかりました。
信じますよ。」
「やけに殊勝だね。
特典も一つだけなら、あげよう。
さて、どうだね。」
気になることはありますが・・・。
「・・・条件は?」
「話が早い。もし、無条件だなんて思っていたら・・。」
途中で遮る。
「うるさいですね。御託はいいから早くしてくれませんか?」
「・・・わかったから、睨まないで・・・。」
ヘラヘラした面が気に入りませんね、
殴りたい・・・ですが、どこかで・・。
「では早速、ゲームをしようか?」
ああ、何か思い出しそうでしたのに・・・。
そして、最初につながる。