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「さあ、ゲームをしようか?」
金髪の胡散臭い男がそんなことを言っている。
私とその男以外いない空間。
私と彼はテーブルをはさんで、椅子に座っている。
目の前には将棋盤・・・?
「先手は君に譲るよ。」
「え、ええ。」
そして、時間が経ち、
私はあと一手まで、彼を追い詰めていた。
この金で終わりだ。
「ちょっと待った・・・。」
「なんですか?
待ったはなしですよ。」
「ちょっと待ってくれ、
じゃあ、う~ん、そうだな?
君に特典を2つつけよう。
それでどうだ!」
正直、惜しい気はした。
「王手!」
だが、私は気にせずに笑顔で指した。
「くはっ。
こ、この僕が負けるなんて・・・。」
「・・・・・・。」
「何だいその目は?
本気でやったんだよ。」
「語るに落ちましたね。
本当に本気でやった人はそんなこと言いませんよ。
それに何です?その三文芝居は?」
「・・・・やっちゃった?」
あそこまでの自滅はなかなかない。
なにせ駒を僕に差し出しているようなものだった。
まして相手は全能の神だという。
竜王のタイトルを持っているわけでもない。
ネットで暇つぶしでやっただけの私が勝てるわけがないでしょう・・・。
これが本気なわけ・・・。
「はあ、まあいいです。
それで何をくれるんですか?」
「ああ、どうしようか・・・。」
ギロリ。
「ま、待ってくれ。
1つは決まっているんだよ。
1つは・・・。」
ジー。
結局、2つなんじゃないですか・・・。
「・・・わかったよ。
貸しでいいよ。
一回だけ助けてやる。
なあ、それでどうだ?」
ジー。
この神は居心地の悪そうにしている。
「・・・はあ。
仕方ありませんね。」
銀の髪をいじりながら答える。
「そう?
じゃあ送るわ。」
下に穴が開く。
「楽しみにしていろよ。」
「こ、この駄神が~~~説明もなしか~~~~。」
私は下に落ちていく。