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3話 俺、鑑定する

「ポルン様~、どこですかぁ?」

その言葉を出そうとしたとき、どこからか女性の誰かを呼ぶ声が聞こえてきた。


『あ、やば』

慌てて、俺をハルは上向けにする。うー、上の景色はあんまり好みじゃねぇ。


『ハル、外に出たい』

どんな景色なのか、すごく見てみたい。

というか、見させてくれ。

ずっと天井とお見合いはきついものがある。


『ダメよ、まだあんた生まれて2日目なんだから』

えー、まだ二日目なのか。

じゃぁ、それじゃ外に行くのは無理かぁ。


って二日目!?


『じゃ、俺は赤ちゃんとしてまだまだ過ごさないといけないのか!?』


『……大丈夫、もうあたしも終わったから。あっという間に終わるよ』

ハルは、遠い目をしていた。きっと、彼女もイロイロな洗礼を受けたことだろう。


『あ、でも暇なら“鑑定”能力でも身に付けたらいいよ』


『なんだ、“鑑定”って』

聞いたことが無い言葉だった。


『こんちゃん、本当にラノベ読まなかったのね』


『悪かったな、お前と違って読まなくて』

一応読もうとは思ったが、全くそんな暇もなかったんだ。


『鑑定は、スキルの一種でね。

ゲームでいうところの、相手のレベルとか種族、あと隠されてないスキルとかが分かるの。

鑑定は、鑑定したいと強く思うと、最初は勝手にレベル1として出てくるよ。

ずっと使うと、レベルが上がるから。ポケニンでいうところの経験値かな?』

あの頃のゲームの話が出てきて、少しわかった気がする。


『へー、鑑定したい』

すると、ピロンという軽快な音楽とともに【鑑定スキル】Lv1として獲得した。


『出てきたぞ』


『じゃ、試しに周りでも鑑定してみたらいいよ』


「ポルン様~、どこです~」

また、ポルンという人を探す声が聞こえてきた。


『やば、じゃもう行くね。またね、紺ちゃん』

さっと翻すと、ハルは消えていった。


バイバイ、という暇もなかったわ。


「あぶぅ」

《さて、鑑定っと》

仕方なく暇なので、さっそく周りを鑑定してみた。


『木材』『木材』『木材』『木材』『石』『石』『ガラス』『鉄』


「あぶぅ!?おぎゃあああああ」

《なん、なんじゃこりゃぁあああああああああああ》


「コルベットン様、どうしました!?」

びっくりした声に、ドアを開ける音共にドタドタと来た。


「あぶ、ぶ、ぶー」

《ハル、これはないだろー》

誰か分からないが人に抱えられた俺。

とんとんとゆっくり背中を叩かれたのと、鑑定した内容に頭が疲れたのか眠ってしまった。



それでも、鑑定はつづけた。

相変わらず、『木材』『石』『鉄』『ガラス』ばかりだが。


ちょっと、月日がたった後。

「やっほ、紺ちゃん」

ひょこっと出てきたのは、金髪碧眼の子供……そうハルだった。


『ハル、ひでぇ』


『鑑定のこと?』

分かってたのか、お前。


『なんだ、あれは』

鑑定をして、脳がパンクしそうであった。


『鑑定はそのレベルに合わせての鑑定が出来るの。でも……』

ちらっとハルは目を光らせて、俺を見つめてきた。


『鑑定Lv2になっているじゃん』

そう、いつの間にか鑑定レベルはLv2にアップしていた。

だが、それはまだハルには何も言っていなかったのに。


『そんなこと、分かるのか?』

試しに、ハルを鑑定してみようとする。


『まぁね、だてにあなたより2年先に生まれただけよ。あ。別に鑑定したければどうぞ』

どうやら、鑑定しているということが分かったようだ。



ポルン・メイドビー(2歳)

前世名: 井村 遥(山川 遥)

『人族』『貴族の長女』『転生者』『8888兆8888億8888万8888人目の死者』

レベル:1(+94)

魔法:計測不能(全属性)

体力:15

精神力:50

スキル

『鑑定』『空間魔法』『テレパシーフォン』『再生』

ユニークスキル

『運』『料理人』『マジックボックス』『全表示』『??』『???』『?????』

『フラグ察知能力』『フラグ折り』『聖女』


……なんじゃこりゃ。


『ハル。変なのいっぱいあるぞ』


『あー、なんかこんなの欲しいなぁとか言っていたら、手に入ったものばっかなの』


『そんなに簡単に取れるのか?』

聖女とか、しかもわからないものまである。


『あたし、今回運は良いほうだからね』


『聖女は?』


『それは勝手についてた』


『この???は?』


『あたしもそれは分からん。つか、最初はなかったのに増えてたんだよね』


『俺は?』


『こんちゃん、自分のならステータスって言えば開けるよ』


『す、ステータス』

すると、しゅんっと画面のようなものが出てきて、分かるようになった。


コルベットン・レッスロート(0歳)

前世名: 紺田 慧

『人族』『貴族の長男』『転生者』『77兆7777億7777万7777人目の死者』

レベル:1(+27)

魔法:計測不能(多分全属性)

体力:1

精神力:5

スキル

『鑑定』『テレパシーフォン』

ユニークスキル

『錬金』『マジックボックス』『勇者の卵』『賢者の卵』


なんか、知らん間に錬金とか、マジックボックスとかあるんだが。


『なぁ、ハル。この勇者の卵とか、賢者の卵とかあるけど』


『そうね、それはまだ5歳になるまではおいておいていいわ。

あと、ステータスとかは他の人の前で見せたらダメだよ』


『なんで?』


『勇者とかバレれば、魔王退治に行かされるからね。そして、賢者とかになると神殿とかで王家に仕えて一生幽閉されちゃうけどいい?』


『聖女もじゃねーか?』


『あたしの聖女は、なんとかなるから。大丈夫、幽閉なんてされてたまるか』


『そっか』


『別にこんちゃんが幽閉されたり、魔王を退治したいなんて思うならいいよ?その後ろにでも着いていくから』


『いや、自由にくらしたいよな』

その言葉に、ハルはほっとしたようににこっと笑った。


『うん、焼き鳥屋とかしたいね』

焼き鳥、と聞いて旨そうだと思ってしまった。あと、酒もいるな、うんうん。


『おー、それいいな!』

超うまそうだ、むしろ喰いたい。


『あ、でも神様の手伝いもしなきゃな』

忘れていたが、神様の新しい異世界を作るために変えなきゃならない。


『まぁね、とりあえずその原因になるものを排除しなきゃいけないけどね』


『聞いたのか?』

ハルも転生者だから、神様に聞いてても不思議ではない。


『うん、でもとりあえずこんちゃんは歩けるようになるまで考えなくていいんじゃない?

というか、まだそれ以降も学校とか出ておかないと話にならないし』

まだ、生まれて一か月。

先はまだまだそうだ。


『ぐっ』


『まぁ、勇者の卵があるんだから成長は早いと思うよ』

ハルは、不思議なことを言った。


『え?そうなのか?』

成長にも勇者の卵とか関係あるのか?


『経験値3倍効果があるはずだよ』

成長に経験値とか効果あるのか?


『なに、そのゲーム感』

赤ちゃんにもその効果は期待できるのか、驚きだ。


『ちなみにいうとね、レベルは一般人だと生涯でレベル10くらいまでなんだって』

だから、俺やハルも()の部分じゃないところは1なのか。


『でも、ハルや俺には(+)でなんかあったぞ?』

そう、()の部分が凄くあったのだ。


『それはねー、転生特典らしいよ。自分の年齢分がレベルに影響するみたい。

だからあたしはLv95らしい』

転生者特典なんてあるとは、驚きである。


『ずりー』

でも、俺は早く死んでしまっていたので27しか上がらない。


『まぁ、(+)は隠すけどね。めんどいもん』


『実力を隠すのか?』

ハルにしては、驚きである。


ライトノベル書いていたから、なんとかして出来そうだし。

超有名になって、めっちゃ世界のために!とか言って頑張りそうなのに。


『実力も何も、この力は神様から貰ったものだし。これはこの異世界の復活のためや神様の手伝いのために使うんだよ』

中々、もっともらしいことを言ってきた。


『へー』

俺も見習わなければな、まだ生まれて1カ月くらいだけど。


『それに、こんちゃんだって普通の人より上だから、大変だよ』

そうだ、一般人よりかは一回り以上は上になるんだよな。


『……ハル』

ちやほやされるのもいいが、やっぱり。


『なに?』

ハルと一緒にいたほうが楽しいに決まっている。


『一緒に焼き鳥屋やろうな』


『うん』

ハルはにこっと笑う。とても、前の顔と一緒でとても綺麗だった。


『とりあえず、全部この世界のこと教えて下さい!』

ハルに追いつかないと、頑張ろうと思った。


『まずは、鑑定レベル10にしてからかな』

先の長いことを言うね、ホント君は。


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