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勇者の隣の一般人  作者: 髭付きだるま
第四章 VS火の魔王編 前編
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第八十一話 閃光のシャイン

 それから10日後、俺達は北ヤマヨコの町から斜めに玄武の国を横切ってカワヨコの町へと向かっていた。


 俺達は全員馬車に乗って移動している。

 早駆けとは違い、そのスピードは徒歩よりは早いが高速とは言えないものだ。

 勿論今回は老師が隣で並走することはない。


 あんなに急いでタートルの町まで戻ったのに、カワヨコの町まで急がずに向かっているのには訳がある。

 今回の戦いには俺達勇者パーティーだけではなく、玄武・朱雀の国の軍隊も戦いに参加する。

 そして軍隊には騎馬もいるが、圧倒的に歩兵の方が数が多い。

 何しろ今回は戦う場所が大河の中の島の上であるため、馬は使わずに船に乗った兵士達による上陸作戦が展開される予定だ。

 よって今回の作戦の参加者の殆どは歩兵であり、歩兵達はその名の通り歩いて移動するので、馬に乗って早駆けしても待ちぼうけを食らってしまうので、馬車を使った旅となったのだ。

 そして、以前の旅とは違い、途中のモンスター退治はあくまでも最小限に。

 俺達は急ぐことはせず、しかし速度と安全重視で残りの勇者との待ち合わせ場所であるカワヨコの町を目指していた。



 玄武の国と朱雀の国の上層部は、既にそれぞれの国の部隊を火の魔王が隠れている島へと向かって移動させている。

 しかし大人数である以上、その歩みは遅く、俺達は途中で彼らを追い抜き、現在は既に影も形も見えなくなる程に距離が離れていた。



 彼らは北ヤマヨコの町からそのまま北上し、そのままヤマカワの町へと到着後、翌日には火の魔王がいるとされる島へと向かって突撃して行く予定だ。

 俺達はその前にカワヨコの町で氷の勇者であるサム一行と、朱雀の国の光の勇者殿と合流し、四人の勇者が足並み揃えて、魔王軍の中枢へと突撃して行くのだ。


 ちなみに今回の旅路において、俺達は北ヤマヨコの町には寄らずに素通りしていった。

 町に寄れば美味い飯も喰えるし、清潔なベッドで眠ることも出来る。

 だが北ヤマヨコの町ではエルが嫌な思いをしているのだ。

 そんな町にわざわざ立ち寄って、古傷を抉る真似をする必要は無いと全会一致で決定したのであった。


 空は青く、太陽は高く、そして気温も同じくらい高い。

 旅立った頃は夏が始まる前位であったが、2ヶ月近く経った現在、季節は丁度夏真っ盛りとなっていた。


 「あ~馬車はいいねぇ~。移動の最中に影の中に入っていられるって最高だよね~」

 「冷却の魔道具のお陰で室内も快適ですしね」

 「は~情けない! 昔のマスター達は炎天下でも気合を入れて移動しておりましたのに!」

 「いいじゃんかヨミ。オイラも涼しい方がいいもんよ」

 「これも人間の英知の結晶の一つだ。人は常に快適を目指すのものなのさ」

 「一歩間違えると堕落になりそうですがな」


 ヨミや老師は苦言を呈するが、誰一人として馬車の外には出て行く気配もない。

 ちなみに現在の御者はハヤテとデンデとロックの3人だ。

 皆馬車の中が快適なので外に出ようとしないので、ローテーションを組んで順番に御者をしているのである。


 魔石に氷属性を付与して、それを利用して馬車の内部を冷やす冷却の魔道具のシステムはいわばこの世界のカーエアコンだ。

 ナイト商会の新商品としてエアコンを作ろうとした際、エルやエースから「それは既にある」と聞かされた時は驚いたものだった。

 そして周囲をよく見てみれば、ある程度裕福な家や豪華な馬車にはこちらの世界のエアコンが標準仕様で取り付けてあったのだ。

 暑い夏には氷の魔石を取り付け冷房に、寒い冬には火の魔石を取り付けて暖房に。

 異なる属性の魔石を取り付けるだけで快適さが手に入るエアコンもどきはこちらの世界でも大人気であった。


 しかし稼ぎの悪い一般庶民には手の届かない代物でもあった。

 この世界の文明の根幹は魔石文化である。

 そして魔石は一つ一つは大したことはないが、沢山使用するとどうしたって高くつく。

 そして属性を付加した魔石の中でも使用率が高い火の魔石と氷の魔石を使ったこのエアコンシステムの魔石消費量は、実はかなりの物であった。


 魔石文化における魔石とは、前世の世界における乾電池だと考えれば分かり易い。

 各家庭に繋がる電線も無く、発電所も無いこの世界において、常時快適にエアコンを使おうとすると、頻繁に魔石を交換しなければならない。

 しかも基本的に金持ちの贅沢扱いの魔道具なため、燃費は極めて悪く、1時間も作動させればすぐに魔石のエネルギーは空になってしまう。



 「あ、そろそろ魔石が切れそうだよ」

 「ギリギリまで使って、切れたら交換でいいだろ。そんなすぐに暑くなる訳じゃないんだからさ」

 「ナイトって基本的に貧乏性だよね~」

 「商人なんてやっているとな、金勘定にシビアになるんだよ」

 「浪費家よりはよっぽど良いわよね」

 「アタシ別に浪費家じゃないし!」

 「まぁまぁ『送風の魔道具』もあるんだ、それ程暑くもならないだろ」

 「風があるだけで随分と快適になりますからね」


 だから俺はエアコンの代わりに扇風機の開発を思いつき、実用化まで漕ぎ着けたのだ。

 当時、数ある魔石の中でも風の魔石は人気のない魔石の一つとして知られていた。

 火や水、土に氷に光の魔石はそれぞれ普段の生活に組み込まれていたが、闇と雷、そして風の魔石に関しては使用方法が確立されておらず、安値で取引されていたからだ。

 だから俺はこれらの魔石の効果的な使用方法を考え、行き着いた先が扇風機であった。


 魔道具に風の魔石をセットすると、魔道具から指向性の風が狙った方向へと流れて行く。

 その形は『デザインに失敗したダ○ソン』と言った所か。

 これが今タートルの町で庶民から上流階級まで大人気のナイト商会の商品である『送風の魔道具』である。


 扇風機では無く送風の魔道具、文字通り風を送る魔道具である。

 俺は当初前世の扇風機と同じく、プロペラを使って風を起こす装置を作ろうとしていたのだが、そもそも風の魔石があるのだから直に風を送ればいいじゃないかという発想に辿り着き、『風で扇ぐ機械』ではなく『風を送る魔道具』を作ったのだ。

 ちなみに当初名前を『送風具』としていたのだが、「ピンとこない」「分かり辛い」「何で魔道具を略すのか」とクレームが殺到したため、『送風の魔道具』の名で売り出している。


 「ああああぁぁぁぁーー」

 「ちょっとエル、魔道具の前に座り込まないでよ。こちらまで風が来ないじゃないの!」

 「皮膚が揺れる~、髪が乱れる~」

 「いい加減にしないと次からはずっとエルに御者をして貰うわよ」

 「ごめ~んロゼ姉」


 そんな感じで俺達はワイワイとカワヨコの町へと向かっていた。

 そして遂に俺達はカワヨコの町の隣村という所まで到着したのであった。



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 カワヨコの町までは徒歩で約3日といった場所にその隣村は存在した。

 その村は今まで訪ねてきた村と同じく、村の周囲を柵で囲まれ、中には幾つかの木製の建物が立ち並び、牧畜や農耕がメインの産業で、要するに牧歌的な田舎の雰囲気を醸し出していた。


 そんな村でも街道沿いにあるためか、何人かの旅人の姿を見ることが出来る。

 彼らはこれから俺達と同じくカワヨコの町へと向かう者もいれば、俺達が素通りしてきた北ヤマヨコの町へと向かう者も居るのだろう。

 この国の街道は騎士団が定期的に巡回し、モンスターや野盗を定期的に駆除しているため、旅人の数が他国よりも多いという。

 実際、俺達もここに来るまでは碌にモンスターに出会わなかった。

 以前の旅ではわざとモンスターがいる場所へと向かいながら旅をしていたのだが、街道沿いを旅するのならばエンカウント率は激減するのである。


 村の中で旅人が集まる場所といえば、当然のことながら宿屋か広場となる。

 俺達も村に立ち寄るたびに、村の宿屋に宿泊し、広場で村の者達の話を聞いたり、商売に勤しんだりしていた。


 ちなみに今回の旅に出る前に、一度町の役所や学校やナイト商会にも顔を出して、町の皆と久し振りに挨拶をしておいた。

 まぁ時間がなくて、文字通り挨拶だけしか出来なかったが。


 そしてナイト商会に立ち寄った際に、ヤマモリの町の復興に使ってしまい、ほぼ空になっていた旅の必需品を一通り補給しておいたのだ。

 これからの季節のことも考えて、夏用の商品を多数揃えておいた俺のアイテムボックスの中身は、途中の村における行商の際に飛ぶように売れ、俺はこの村に到着する前には『中級商人』の次の更新先である『行商人』の更新案件である『10以上の町や村での商売すること』という更新案件を満たしていた。

 これで『中級商人』の更新先を2つとも満たしたが、果たして更新の際にどちらになるのかは現時点では分からない。

 先に更新案件を満たした『迷宮商人』が選ばれるのか、それとも最初に名前が出てきた『行商人』になるのか、選択制なのか、はたまた両方一気に取得するのか。

 全ては次の更新時で分かることだろう。

 そしてそれは恐らくそう遠くない未来に起こる筈なのだ。

 何故ならこれから俺達が戦うのは、本物の魔王とその側近達。

 つまり経験値的にも非常に美味しい相手であるため、まず間違いなく俺のレベルはMAXの50まで上がる筈である。


 そんな事を考えている内に、俺達は村への入場許可を得て、村の宿屋を目指して歩いていた。

 村の住民達や村に滞在していた旅人達の中には俺達の正体に気が付いて騒ぎ出す者も居るが、これもまたいつもの事だ。

 これから俺達が宿屋にチェックインをしている最中に、大抵は村長か村長の息子が現れて、今晩は村を挙げての歓迎の宴が開かれたりするのである。

 そしてロックの側には大抵村一番の美人が訪れ、奴を誘惑するのであるが、立派な勇者として頑張るつもりの我が親友には並大抵の魅力では対抗できず、『やはり我が国の勇者様はストイックな方なのだ』とかいう間違ったイメージを植え付けたまま、次の町へと向かうのであろう。


 俺も俺の仲間も、これまで何度も味わってきたこの流れに確信を持っており、村の中ではそう簡単に新しいイベントは起きないものだと考えていた。

 甘かった。

 この村は今まで何度となく訪れて来た村と同じく、実に素朴な何処にでもある普通の田舎の村だ。

 しかしそんな村であっても、何らかのイベントは俺達を待ち構えて居るものだったのである。



 俺達が宿屋の玄関の扉を潜った際にまず頭に思い浮かんだ感想は『眩しい』であった。

 村の宿屋の玄関の中は何故かキラキラと光輝いていたのだ。

 一体何事だとよく目を凝らしてみると、何と全身を発光させた女の子が、宿屋の受付の横で仁王立ちしているではないか。

 彼女を見た瞬間に、俺は魔力の制御が出来ていないこの宿の娘か何かなのかと思ったのだが、見れば宿の主人も彼女には困惑した顔を向けており、明らかにあれは家族に向ける視線ではなかった。

 そんな彼女が何をしているのかと思えば、俺達の前に宿で受付をしている旅人が書いている宿帳を盗み見ているようである。


 いや違うな、あれだけ発光していて盗み見ることなど出来る訳がない。

 あれは堂々とガン見しているのだ。

 そしてその理由は彼女自身の口から唐突に語られたのであった。


 「ふんふん、トーマスね。出身地は……何これ? 聞いたこともない地名ね。きっと玄武の国の何処かの田舎よね。だって田舎者っぽい顔立ちをしているものね」

 「いや悪かったな田舎者で! 初対面の相手に幾らなんでも失礼だろうがあんた! と言うか、眩しい! その光はどうにかなんないのかよ!」

 「ふふん、無理よ。この光はこの私の溢れる魅力が魔力となって拡散しているのだもの。私自身にも制御できない程の魅力! 観念して存分に浴びておきなさいな」

 「いや、それ嘘だろう。あんたもう4日もうちの宿に泊まっているけど、人が来た時にしか発光してないじゃねぇか」

 「ちょっと主人! 客のプライベート情報を勝手に口走るなんてどういうつもり!」

 「幾ら客でも営業妨害するなら文句の一つも言わせて貰うさ。あんたのお目当ては勇者様達なんだろう? わざわざ受付で見張っていなくても、こんな小さな村に来てくれたのなら一発で噂になるに決まってる。だから大人しく部屋で待ってろよ。本当に来るかどうかなんて分からないけどな」

 「あら、それは大丈夫よ『この国の勇者達は必ずこの村を訪れるわ』」

 「その自信が何処から来るのかいい加減教えてくれても良いんじゃないのか?」

 「そんなものこの私の輝かしい魅力からに決まっているじゃないの。それと勇者達に会うのだったら、第一印象がとにかく重要なのよ。部屋で待っている内にファーストインパクトを誰かに取られたらどうするのよ」

 「最初でなくてもあんたのインパクトは充分にデカイから問題なんて何もねぇよ。とにかく商売の邪魔をしないでくれ。あんたにとっては何処ともしれない田舎者かもしれないけどな、同じく田舎で商売をしている俺にとっては大切なお客の一人なんだからよ」

 「ご主人あんた……ありがとうよ」

 「へっ! 良いってことよ。とっ、宿帳はこれでOKだ。はいよこれが部屋の鍵だ。食事は1階の食堂で、トイレと水浴び場は宿の裏手だ。布団のシーツはチェックアウトの時にそこのカゴの中に入れておいてくれ」

 「了解した」

 「ふん! 部屋の中にトイレと浴室も無いなんてとんだ田舎の宿屋ね!」

 「そりゃ田舎の宿屋だからな。と言うか、部屋の中に浴室まであるなんて、首都の高級宿くらいだぞ」

 「あら? もしかして泊まったことがあるのかしら?」

 「こんな商売をしているとな、一番参考になるのは他の宿屋だったりするんだよ。数年に1回位だが俺も首都へ行くことがあるからな。そういう時は奮発していい宿に泊まって参考にしたりすんのさ」

 「田舎の宿屋のくせに生意気ね。それで何処を参考にしたのよ」

 「部屋の内装だったり、シーツの敷き方だったり、トイレの清掃の頻度だったり、食事のメニューの内容だったりと、まぁ色々だな」

 「ちょこちょこ田舎以上の物があると思っていたら……やるじゃないの主人」

 「たりめーよ!」


 目の前で俺達を何故か待ち受けていた女の子が宿屋の主人と盛り上がっている。

 その盛り上がりをよそに、俺達の前で受付をしていた旅人は自分の部屋へと移動していった。

 見れば彼女の発光現象は確かに停止している。

 宿屋の主人の言う通り、どうやら人前でだけで発光しているようだ。


 「おうあんたら悪かったな! 俺の宿に泊まるんなら宿帳に記帳してくれや。見たとこ金もありそうだし、字は書けるんだろう?」


 そして宿の主人は、しっかりと俺達に気が付いていたらしい。

 彼女は慌てて発光しようとしたが、今度は主人に止められたようだ。

 正直助かる。

 幾らなんでもあれは眩し過ぎたからな。


 俺達はぞろぞろと宿の受付へと向かい、ライが代表として宿帳に記帳していく。

 別にこんな物は誰が書いても同じなのだが、普通王族や勇者は書かないし、俺とエルとライの中で一番字が上手いのはライだからライが書いているのである。


 そしてライが記帳している間、俺達は先程まで発光していた女の子を盗み見ていた。

 彼女は動きやすそうな服装を身にまとい、その体はかなり引き締まっているようだ。 

 腰には二本の剣もぶら下げており、明らかに鍛えていることが見て取れる。

 体つきはスレンダー……と言うか絶壁であり、朴訥とした顔つきをしている。

 無駄に発光していたので気が付かなかったが、良く見れば田舎の娘さんが無理して格好着けている様に見えなくもない。

 先程トーマス氏を散々田舎者呼ばわりしていた彼女ではあるが、きっと彼女自身も田舎者である自分にコンプレックスがあるのだろう。

 俺はそんな事を考えていた。

 そしてその間にライの記帳は完了したのであった。


 「ふんふん、中々の人数だな。済まねぇが今日は他にも団体さんが宿泊していてな、大部屋が埋まっちまってるんだ。男女別の小部屋になるがいいかい?」

 「むしろそちらの方が助かります。移動中は男女別に別れることなんて出来ませんから。こんな時くらいは男と女で別れておきたいのです」

 「若いのに枯れてやしないかあんた? まぁ良いや。

  え~と、ライにナイトにロックにダイアナに……おい、これマジか?」

 「マジです」

 「マジかよ、マジで来たのかよ! 握手を! いやその前にサインをお願いしてもいいか? いやいいですか?」


 宿の主人が俺達の正体に気づいて急に慌て出した。

 それと同時に宿屋の扉が開き、如何にも村長っぽい老人が息せき切って駆け込んで来たのであった。


 「ぜー、ぜー、こっこちらに勇者様方がいらしているとお聞きしたのですが……ぜー、ぜー」

 「おう村長、丁度良い所に! 俺の宿に勇者様達が泊まってくれるんだってよ! ほれあんたも! 待ちに待っていた勇者様御一行だぜ!」


 そう言って宿屋の親父は発光していた女の子に俺達の正体を明かす。

 目の前の女の子はしばらく呆けていたが、はっと気がつくと突然ジャンプし空中でクルクルと回転したかと思うと宿屋のカウンターに着地し、そこに置いたままであった宿帳で足を滑らせて宿屋の親父を巻き込んで、カウンターの向こうへと転がり落ちて行った。


 「ぐはぁ!」 

 「キャァァァ! どこ触ってるのよ! このスケベ!」

 「あんたがぶつかって来たんだろーが!」


 しばらくカウンターの向こうで言い争う声が聞こえて来た。

 そうして二人はどちらともなく立ち上がり、彼女はカウンターの上を片付けてからもう一度ジャンプしてカウンターの上に再び降り立ったのであった。


 「よく来たわね勇者達、この私と出会えるなんて貴方達はついているわ!」

 「いや、あんたがここで待ち構えていたんじゃねぇか」

 「黙らっしゃい主人! とにかくここで会えたのはまさしく運命!

  私と勇者達は運命で繋がっているのよ!」

 「先程は4日程待っているとか聞いた気がするのだが?」

 「主人のせいで! ファーストインパクトが台無しじゃない!」

 「大丈夫ですよ。私達はこれ以上無い程に驚いていますから」

 「あらそう? なら話を続けるわ!

  ここで会えたのはまさしく運命! だから私を貴方達に同行させなさい!」

 「「はい?」」

 「この私、『光の勇者の実の娘』である『閃光のシャイン』が貴方達の仲間になって差し上げますわ! オーホッホッホッ!!」


 勇者達との合流地点まで後少し。

 目的地の隣村まで辿り着いた俺達は、その村の宿屋の受付で、光の勇者の娘と名乗る謎の発光少女と出会ったのであった。

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