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勇者の隣の一般人  作者: 髭付きだるま
第三章 冒険編
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第七十三話 更新チェッカー

2017/09/05

前話『罠のダンジョン3』から出て来た更新チェッカーの能力を『スキルの更新先が分かる』から『スキルの更新の可否が分かる』に変更してあります。

 9日間もの時間を掛けて到達した、罠のダンジョンの最下層の最奥にあった宝物庫の中には、罠付きの宝箱が山と積まれており、その中でも最も難易度が高い宝箱の中から出てきたのは『更新チェッカー』という名の謎の黒い板であった。


 俺達は物は試しと、ダンジョンのボスの魔石を更新チェッカーに捧げて発動してみる。

 すると更新チェッカーの表面にはこの様な文章が表示されたのであった。


 〈更新チェックを開始致します。

  メンバーの選択をお願い致します。


  グラモ/ゲン/デンデ/トウ/ナイト/ハヤテ/ライ/ロック〉



 俺達は最初にゲンを選択した。

 ゲンは天使であり、スキルを得るためには魔石を食べなければならなかった筈。

 しかし名前が出て来たという事は、ひょっとしたらゲンの説明が間違っていて、実はスキルの更新が出来るのではないかと考えたのだ。


 〈チェック対象にゲンが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  エラー

  チェック対象ゲンは天使であるため、スキルの更新が出来ません。

  チェック対象ゲンは天使であるため、レベルが存在しておりません。

  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉


 俺は慌てて『いいえ』を押す。

 すると先程と同じ画面が表示されたが、そこからゲンの名前が消滅していた。

 これは一度更新チェックをすると、名前が消えるのか、天使だから名前が消えたのかどちらなのだろう?


 考えていても分からない。

 分からないから次に進んだ。

 次に選んだ相手はハヤテであった。


 〈チェック対象にハヤテが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  チェック終了

  チェック対象ハヤテはスキルを所持していないため、

  スキルの更新が出来ません。

  チェック対象ハヤテは現在レベルを所持しておりません。

  スキル授与の際に到達するレベルは37となります。

  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉


 選択肢は勿論『いいえ』だ。

 そして最初の選択画面が表示されたが、そこからはハヤテの名前が消えていた。

 どうやら一度更新チェックをすると、2回目の更新チェックは不可能になるようだ。

 まぁ何度もやるものではないから問題はないのだが。


 続いてデンデを選択してみた。


 〈チェック対象にデンデが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  チェック終了

  チェック対象デンデはスキルを所持していないため、

  スキルの更新が出来ません。

  チェック対象デンデは現在レベルを所持しておりません。

  スキル授与の際に到達するレベルは35となります。

  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉


 デンデの方がハヤテよりも地味にレベルが低い。

 何だろう? 戦闘における貢献度なのか、とどめを刺したモンスターの実力に差でもあったのだろうか?

 デンデは非常に悔しがっており、次からはもっと積極的に戦うと公言している。

 しかしスキルもレベルも無しでこれだけの経験値をストックしているとは、流石は森の賢者に育てられた野生児兄弟である。

 こいつら一体山の中でどれだけのモンスターを狩っていたのだろうか。


 次の選んだのは俺であった。

 本当は老師を選びたかったのだが、ゲンが『天使』と表示された以上、老師に『魔族』と表示される可能性があるので、老師の更新チェックは無しにしたのだ。

 『もう年だからスキルの更新をするつもりはない』と嘘を付いて貰った。


 いつもの俺達のパーティーだけならば問題は無いのだが、この場にはミスターも居る。

 ミスターに老師が魔族だとバレると、いらぬ疑いを掛けられる可能性がある。

 ミスターは俺達がダンジョンに入るようになってからずっと親身になって手助けしてくれている人だ。

 真実を言わないのは心苦しいが、正直に全てを告白するだけが人間関係ではないだろう。

 まぁ老師の更新チェックは次のダンジョンをクリアした後でも問題無い。

 魔族にスキルの更新があるかどうかの確認をしたい気持ちはあるが、今回は持ち越しとさせて貰うことにした。


 〈チェック対象にナイトが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  チェック終了

  スキル『有名人』は更新予定です。

  スキル『中級商人』はスキル『迷宮商人』に更新予定です。  

  スキル『中級商人』はスキル『行商人』の更新案件を満たしておりません。

  スキル『中級商人』はスキル『上級商人』の更新案件を満たしておりません。

  スキル『毒殺師』は更新案件を満たしておりません。

  スキル『中級罠師』は更新予定です。

  スキル『先生』は更新予定です。


  スキルの更新チェックは以上となります。


  チェック対象ナイトは現在最大レベルまで到達しておりません。

  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉



 何と言うか、ガッカリしてしまった。


 勇者の選別の儀で使った勇者の検索器は、更新案件の詳細まで教えてくれたのに、この更新チェッカーは可能か不可能かしか教えてくれないのか。

 しかも更新が可能なスキルであっても、更新先の名前は出てこない様だ。

 『中級商人』の更新先のみ表示されているが、これは恐らく前回のスキルの更新の時に表示されていたからそれが反映されているという事なんだろうな。


 取り敢えず『有名人』『中級罠師』『先生』は更新予定で、『中級商人』は『迷宮商人』に更新予定と。

 『迷宮商人』なんてまさに今ここで欲しかったスキルだと言うのに、迷宮を攻略した後で手に入れても何だかな~という感じである。

 勇者の旅路の中で迷宮に入っている期間なんて微々たるものでしか無いのでこのスキルは正直持て余してしまいそうだ。

 これはスキルの更新をする前にとっとと『行商人』の更新案件を満たしておく必要がありそうだ。

 効果の程は分からないが、明らかに『迷宮商人』よりも『行商人』の方が勇者の旅路には役に立ちそうな感じがするからな。

 


 次はライを選択した。

 ライは俺とは違い、スキルの更新を一度も行っていない。

 そしてライは8つものスキルを持っている。

 きっと中々の数の更新があるに違いない筈だ。


 〈チェック対象にライが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  チェック終了

  スキル『剣士』は更新予定です。

  スキル『騎士』は更新予定です。  

  スキル『魔法の心得』は更新案件を満たしておりません。

  スキル『高速移動』は更新案件を満たしておりません。

  スキル『身体強化』は更新案件を満たしておりません。

  スキル『視力強化』は更新案件を満たしておりません。

  スキル『槍術』は更新予定です。

  スキル『鍛冶師』更新案件を満たしておりません。


  スキルの更新チェックは以上となります。


  チェック対象ライは現在最大レベルまで到達しておりません。

  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉



 あれ?

 ライのスキルは半分以上が更新案件を未達成だ。

 『剣士』と『騎士』と『槍術』のみが更新可能で、他はまさかの全滅状態。

 正直コレは予想外だ。

 何故なのだろう?

 何か理由があるのか?


 「あると思います」


 そう言ったのはライ本人だ。

 ライ曰く、単純にスキルを使っている頻度が足りないからではないかとの事だ。

 普段の戦闘でそれ程苦労をしていないから、『高速移動』も『身体強化』も『視力強化』も使っている回数が少ないし、魔法よりも直接戦闘を好むので『魔法の心得』が無駄になっている。

 そして本格的に鍛冶をしている訳ではないから、『鍛冶師』も更新が出来ないと。


 いやまぁそうか。

 俺やロゼが持っている『薬師』が『中級薬師』になるための更新案件には『薬師として3年以上のキャリア』と『10種類以上の薬を1つにつき100以上作成していること』が条件だった訳だしな。

 俺とロゼは文字通り薬局で働いていたので、楽々更新案件をクリアした訳だが、ライは鍛冶師として働いている訳ではないから更新案件を満たしていない訳だ。


 そうなると、このままの状態でライがスキルの更新をした場合、更新するスキルは3つだけで、ライフルーレットには針が5本も増えるということか。

 まぁそれはそれで良いのか。

 スキルの更新をすることによって、自分の人生に沿ったスキル構成になって行くというのが、このスキルの更新の最大の特徴だからな。



 そして最後は我らが勇者であるロックの更新チェックだ。

 ミスター・グラモにも聞いてみたが、「老い先短い人生ですんで、スキルの更新をするつもりはありませんな」とか言われてしまったので、これで最後になる。


 でもロックのスキル構成って、更新するようなものってあったか?

 スキルの数こそ多いけれど、更新するようなスキルが無いと思っていたのだが、さてどうだろうか。



 〈チェック対象にロックが選択されました。

  更新チェックを開始致します。

  ……

  チェック終了

  チェック対象ロックは更新可能スキルを所持していないため、

  スキルの更新が出来ません。

  スキルの更新チェックは以上となります。


  チェック対象ロックは現在最大レベルまで到達しておりません。


  これで更新チェックを終了しますか?

  はい/いいえ〉


 やっぱり無かったよ!

 ある意味潔いな、この結果!

 土の勇者として代表的なスキル以外は『画家』と『読書家』と『音楽家』だったからなぁ。

 中級スキルがあるかもと思ってたけど、この3つにも更新先は無かったのか。


 俺は最後にもう一度ミスターに確認を取ってから『はい』をクリックする。

 すると更新チェッカーは沈黙し、画面には何も映らなくなった。

 一度更新を確認した場所では、2度目の更新の確認は出来ないということか。

 それとも同じダンジョンでも、もう一度潜れば確認が出来るのだろうか。

 いや、もう一度ここに潜れと言われたら断固拒否するのだが。


 これで老師とミスターを除いた俺達6人の更新チェックが終了した。

 まぁ実質的には俺とライとロックの更新の可否しか分からなかった訳だが、ロックの更新先が無いと分かったのは面白い結果だった。

 これでロックがスキルの更新をすれば、それは完全にライフルーレットの結果のみのスキル構成になる訳だ。

 ロックのこれまでの人生が凝縮されたライフルーレットがどういったスキルを授けるのか、俺は今から楽しみになっていたのであった。

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