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勇者の隣の一般人  作者: 髭付きだるま
第六章 人類敗北編
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第百四十七話 兄の残した功績

 バードの町で戦勝式が行われ、そこに大魔王が乱入し、多くの人々が殺され、兄を置き去りにして無様に逃げ延びた、その日の夜。

 僕たちはバードの町から可能な限り離れた場所で野営をしていた。


 本音を言えば昼も夜もなく逃げ続けたいところではあるが、馬にも休息が必要だ。

 なにより、いくら高速馬車専用の整備された道とはいえ、日が落ちた中を明かりもなしに進むのはいくらなんでも無謀に過ぎる。

 シャインの発光にも限度があるし、MPが少ない彼女に負担を強いるわけにもいかない。

 だが、なによりも重要な要素として、馬車に乗っている全員が疲れ切っていたのだ。

 町が滅び、仲間が殺され、友を、家族を置き去りにして逃げている。

 その疲労感、絶望感は僕たちの心も体も追い詰めていた。


「とりあえず食事にしましょう。すみませんが枯れ木を集めてくれませんか」


 僕の指示を聞いた朱雀の国の3人の兵士は、近くの森の中で枯れ木を集めて火を起こす。

 僕は王子が別れ際に兄さんから渡されたマジックバックの中から食事を取り出して並べた。

 肉と野菜が挟まれたサンドイッチと具材たっぷりのスープ。

 そして水瓶の中に入れられていた水が今夜の夕食だ。


 朱雀の国の3人の兵士たちは、配られた食事を見て驚きの声を上げている。

 マジックバックの中に保存食があると説明はしていたけれど、その中身がこれほどしっかりとした代物だとは思いもしなかったのだろう。

 反対に、食事を配られた王子たちは、手元のサンドイッチとスープを見てまた泣き出してしまった。

 それも無理からぬことかもしれない。

 なにしろこの食事は昨夜僕たちが食べた夕食の残りを用いて兄さんとアナ姉が作ってくれた非常食なのだから。


 勇者一行として野宿も多かった僕たちだけれど、その食生活は実に充実していた。

 なにしろ勇者一行の食糧事情を一手に引き受けてくれていたのは、町で飲食店を開いていた兄さんだったのだ。

 闇の勇者一行と合流してからは、料理好きのアナ姉も加わったので、食事の質は更にパワーアップし、氷の勇者一行と合流して火の魔王との決戦に出向くまでの間は、エースさんの能力のおかげで高級レストラン並の食事が毎回食べられたのである。



 僕たちは移動中だろうがダンジョンの中だろうが、ひもじい思いもせず過ごすことができていた。

 通常こういった非常食は保存性の高い固いパンや干し肉などが宛てられることが多い。

 実際マジックバックの中にはそういった物も入ってはいる。

 だが兄さんは「だからといってそんなものばかりを食べる必要はない」と言って、野宿の初日に食べる食事は前日の夕食の残りを使って作成していた。

 それはこのマジックバックの中身にも反映されているのである。


「万が一の時がいつ起こるかなんて誰にも分からない。だから常に備えは怠らないこと」


 エリック先生から授かったこの教えを兄さんは忠実に実行し、町にいる時であろうとも毎日非常食を作り続け、それをマジックバックの中に収納してくれていた。

 この非常食はいつもならおやつの時間や昼食時に出されて消費され、新たな非常食と交換されるのだけれど、今回初めて兄さんの用意が役に立ったのだ。


 焚き火で暖められたスープを飲み、サンドイッチを頬張る。

 旨い。兄さんの料理はいつだって美味しいけれど、これはいつにもまして絶品だ。

 朱雀の国が用意してくれた屋敷の中で、じっくりと腰を落ち着けて作った料理だからなのか、旅の最中に幾度となく食べた料理よりも確実に旨く感じる。


 あっという間に自分の分を平らげて、僕は周囲を見回した。

 朱雀の国の兵士たちは僕と同じくすぐに平らげていたが、王子たちはまったく手を付けていない。

 だから僕は早く食べるようにと全員を急かしたのだが、それが彼らの逆鱗に触れたようで、ハヤテとデンデが僕に噛み付いてきた。


「なんでこんな時に、当たり前のように飯なんか喰ってんだよ!」

「父さんが、先生が、みんな死んでしまったのに! 食事なんて喉を通らないですよ!」


 彼らは悲しみで食事をすることができないらしい。

 その気持は良く分かる。僕だって本当は食事をする気力などなかったはずなのだ。

 だがそういうわけにもいかなかった。

 なにしろ兄の最後の頼みなのだから。


「みんなの気持ちも良く分かるよ。確かにこの状況下で食事と言われても素直に食べたくはないだろうさ」

「だったら!」

「でもこれは兄さんの指示だからね。さっき読んで聞かせた中に食事の項目もあっただろう?」

「でもあれは兄貴宛で!」

「確かにあれはロック王子に宛てた部分だったけれど、僕たちにも該当する内容だったよ。もう一度読み聞かせるからさ、ちょっと考えてみれくれよ。それでも食べられないっていうのなら、明日の朝食にするから返してくれないか」


 そう言って僕は、兄さんの遺書をもう一度声に出して読み始めた。

 改めて聞かされたことで思うことでもあったのか、全員が声を出して泣いている。

 そう、読んでいる僕の目からも再び涙が溢れ出てきたのだ。

 兄さん曰く、まずは泣いて、それから飯を食えということだったけれど、僕はまだ泣き尽くしてはいなかったらしい。


 そして僕が遺書を読み終えた後、まずは王子が、続けてシャインが、そしてハヤテとデンデが配られた夕食に手を付け始め、あっという間に平らげてしまう。

 思い返せば今日は一日中バタバタしていて、昼飯も食べていなかったのだ。

 絶望を感じていても腹は減る。食べ出せばもう止まらなかったのである。


 そうしてようやく落ち着いた頃、僕たちは改めて状況を共有することにした。

 この場の全員が今日起きた出来事を理解してはいるのだが、改めて口に出すことでその理解を深めるという狙いがある。

 それに黙っていると不安ばかりが募ってきてしまう。

 沈黙は金というが、今は沈黙よりも騒がしさのほうが重要だと誰もが認識していた。


 その結果分かったことが幾つかある。

 まずこの調子で行けば、明日の昼には次の町へと到着できるということ。

 少人数でスピード重視の逃亡の旅だ。

 バードへ向かっている最中は徒歩の兵士も同行していたために時間の掛かった道のりも、速度重視の馬車の旅ならば翌日には到着できてしまうらしい。


 そして朱雀の国の3人の兵士の名がエンとチュウとキンであるということ。

 3人は髪も瞳もいかにも朱雀の国の兵士といった感じで真っ赤であり、揃って短髪をしていて体は兵士らしく鍛え上げられている。

 一番背が高く御者をしていた兵士がエンで、馬車の中で僕らを見張っていた平均的な身長の兵士がチュウ、そして小柄な兵士がキンと言うらしい。


 3人共、元々はバードの町の衛兵をしており、今日はたまたま戦勝式の警備に駆り出されていたという。

 それが撤退する際に、たまたまテルゾウ殿たちの近くにいたために彼らを運ぶ役目となり、そして今はこうやって僕たちと共に焚き火を囲んでいるのだから人生は分からない。


 彼らの仲間も家族もバードにいたそうだが、行方どころか安否も不明だ。

 今こうして僕らと共に逃げているのだから当たり前といえば当たり前である。

 本音を言えば僕は彼らに頼りたかった。玄武の国の兵士たちはこの場には誰もおらず、彼らだけがすぐ近くにいる大人だったのだから。

 だが、彼らの話を聞いた僕は、彼らもまた大魔王の襲来により傷つき苦しんでいることに思い至り、彼らに頼ることを諦めた。



 結局話し合いはそれで終了し、後は重苦しい沈黙だけが残ることになる。

 僕はむき出しの地面にゴロンと寝転がり、夜空を見上げた。

 天空には野宿した際にいつも兄さんと共に見上げていた満天の星空が広がっている。

 野営好きだった兄さんは、いつも夜になるとこうして地面に横たわり、星を見上げては王子の演奏する楽器の音に耳を澄ませていたのだ。


 そんな兄さんはもうどこにもいない。

 あの静かで満ち足りた時間は、金輪際戻ってくることはないのだろう。

 僕は果てしなく広がる夜空を見上げながら泣き続け、いつの間にやら眠りこんでしまう。

 野宿の際にはいつも流れていた王子の演奏が聞こえないことが、とても悲しかった。



 明けて翌朝、真っ先に目を覚ました僕は、起きた瞬間昨日のあれは悪い夢だったのではないかと考え、周囲をキョロキョロと見回してしまう。

 しかし現実は非情だ。僕の周囲には兄さんはもちろん、父さんやアナ姉たちも、玄武の国から共にやってきた兵士たちの姿すら見当たらない。


 周囲の景色がやけに広く感じると思ったが、思い返せばここ最近、僕たちは野宿をする時は常に周囲を兵士に囲まれていたのだと思い出し、彼らの笑顔も一緒に思い出してしまって唇を噛むことになった。


 王子たちも起きるなり同じように周囲をキョロキョロと見渡していたから、僕と同じ気持ちなのだろう。

 良く分かるよ、こんな気持なんて分かりたくもなかったけれど。


 一晩寝て、目が覚めたところで、起きてしまった現実は変えられない。

 そんな当たり前のことを理解した途端、僕たちの心は諦めに支配されてしまったのだった。


 それから僕たちは再び馬車に乗って逃亡を再開する。

 昨日はあれだけ馬車の中で取り乱していたハヤテとデンデとシャインも、一夜明けたら大人しくなっていた。

 3人共一晩寝たことで、落ち着いたのだろう。

 もっとも絶望がより深くなっただけなのかもしれないけれど。


 呆然としていても、悲嘆に暮れていても、馬車に乗っている以上、時間は過ぎるし距離を稼ぐこともできる。

 僕たちを乗せた馬車は、予想よりも早い時間に、バードの町から南へと一直線に進んだ先にある最初の町、南バードの町へと到着した。



 ここは朱雀の国の中を移動した際にも訪れている。

 バード到着前に立ち寄った最後の町だ。

 例によってスラムが存在していたので、ロック王子がモンスターを蹴散らしたことが、もはや遥か昔の出来事のように感じられる。


 そこには予想外に多くの避難民たちが集結していた。

 壁の前の大扉には長蛇の列ができており、誰も彼もが安全な壁の中に入ることを望んでいるのが見て取れる。


 と、ここまで考えて、理屈が合わないことに気が付いた。

 この大量の避難民たちは一体どこから集まって来たのだろう?

 バードの町から来たにしてはいくらなんでも早いと思うのだが。


「彼らはバードの町の住民ではありませんね。身なりからして恐らくは南バード周辺の村に住む者たちではないでしょうか」


 チュウのその言葉を聞き、僕は現状を理解した。

 恐らくは馬に乗ってこの町へと逃げてきた誰かから状況を伝えられたこの町の領主が、周辺の村々に避難を呼びかけたのだろう。

 大魔王がスキル『独占』を発動したことは全てのスキル所有者に通知されている。

 そんな状況の中、モンスターの大群が首都を落としたと聞かされたら逃げてきて当然だ。

 彼らはまず近場で壁のあるこの町へと逃げてきたということか。

 もっとも大魔王たちが本気で襲ってくれば、あの程度の壁などまるで役に立たないだろうけれど。


 僕たちを乗せた馬車は大扉へと向かっていく。

 近づいてくる馬車は目立つのだろう、大勢の朱雀の国の国民が僕たちの乗る馬車の周りに集まってきた。


 昨日馬車に乗ろうとした避難民とは数が違う。それにこれから町の中へと入り、この町の領主に会って現状を伝え、玄武の国へ戻るための手助けをしてもらわなければならない以上、彼らの囲いを無理に突破するわけにもいかない。


 だから僕は馬車のドアを開け、事情を説明して彼らに道を譲ってもらおうと考えた。

 だがドアの隙間からロック王子の姿が見えた瞬間、町に集まっていた避難民たちから予想外の歓声が沸き起こったのである。


「ロック王子だ」「土の勇者様だ」「ロック王子よ!」「勇者様!」「勇者様!」「勇者様だああぁ!!」



 王子の正体に気がついた者たちの放った歓声はあっという間に周囲に拡散され、凄まじいまでの勇者コールが沸き起こる。

 あまりの迫力に驚いたのか、馬が怖がり馬車が左右に揺れ動く。

 だが、御者をしているエンはこれをチャンスと捉え、避難民たちに向かって声を張り上げた。


「こちらにおわす土の勇者ロック王子は南バードの町の領主との面会を望んでいる! すまないが道を開けてくれ!」


 その声が響いた瞬間、あれだけの人垣があっという間に2つに割れ、目の前に町の入口へと続く、細く長い一本の道が出来上がった。

 馬車は避難民たちの間をゆっくりと進んでいく。

 道の両端には多くの避難民やらスラムの住民やらが集結している。

 彼等の口からは割れんばかりの勇者コールが轟き続けていた。


 大魔王が復活したことも、魔法が独占されたことも、ステータス画面を見れば理解できることなのだ。

 彼等は、絶望に打ちひしがれていたのだろう。

 そんなところに勇者であるロック王子が現れたのである。

 彼等のこの反応も分からないでもない。


 だが当の王子は馬車の中で頭を抱えて震えていた。

 当たり前である。スキル『勇者』を独占され、無二の親友を失くしたばかりなのだ。

 今の王子にこの声援は酷というものである。

 だからといって彼らに王子の現状を伝えて何になるというのか。

 下手をすれば避難民たちは絶望に支配され、生きる気力を失ってしまうかもしれない。

 そんなマネが出来るわけがない。だから僕は歓声を止めることもせず、とにかく早く町の中に入ってくれと念じていた。


 そうしてようやく僕たちの乗る馬車は南バードの町へと入場する。

 その時の僕の心は、ようやく町まで辿り着いた喜びよりも、勇者の供として何の力にもなれない無力感に支配されていたのだった。




「玄武の国の王子にして土の勇者であらせられますロック王子におかれましてはご機嫌麗しく」

「……ははは、よしてください。私はもう『勇者』を失った身なのです。歓迎してくださったことは感謝いたしますが、私は皆様の恩に報いることはできませんよ」


 南バードの町に入った僕たちの馬車は、そのままスムーズに領主官邸に到着した。

 領主として現れた40過ぎくらいの背の高い男性は、こんな状況下でありながらも他国の王子にして勇者であるロック王子を歓待してくれている。

 だが、領主に対する王子の返事にはネガティブな感情しか込められていなかった。

 これではせっかく歓待してくれた領主殿の心象も悪かろうと、僕はちらりと彼の様子を伺う。

 しかし予想に反して南バードの領主はキョトンとした顔をしていた。

 そして彼は僕たちの予想もしなかったことを告げてきたのである。


「これは異なことを。ロック王子が我が国を移動中、多くのモンスターを蹴散らし続け、国民の信頼を得たことは周知の事実ではありませんか」

「それはもう過去の話です。今の私にはそれだけのことを為せる力はありませんので」

「ハッハッハッ、ご冗談を。大魔王が復活し、バードの町が陥落したことは既に報告を受けております。しかし大魔王を倒せないまでも、半死半生の怪我を負わせた貴方様に力が無いなどと言われても誰も信用いたしませぬぞ?」

「「は?」」


 王子と共に僕ら全員が頭に疑問符を浮かべてしまう。

 今、目の前のこの人物は、一体、何と言った?

 大魔王を半死半生にしただと?

 誰が? 王子が? どうやって? 逃げているのに?


 周囲を見回してみれば、僕たち以外のこの部屋に集まった人々は、全員領主の言葉を信じ切っているようだ。

 意味が分からなかった僕はおずおずと手を上げて、一体なぜそんな結論に至ったのかと領主に質問する。

 すると彼は自分のステータス画面を開き、そこから閲覧できる大魔王のステータスを見せてきた。


 僕たちは、そこに書いてある文字は読めたのだが、その内容は全く頭に入ってこなかった。

 ステータスの高さやスキルの凶悪さは今更である。

 だが、この場合注目すべきは、大魔王のステータスにだけ存在する『健康状態』と『現在地』の項目だろう。

 大魔王はスキル『独占』を使ったことにより、全てのスキル所有者にステータス・健康状態・現在地及び所有スキルの詳細を知られるようになっている。

 そこには目を疑うような状況が記されていたのだ。



健康状態:両腕破損、眼球摘出、顔面崩壊、両耳切断

現在地:朱雀の国、鳳凰城内治療室



「なんだよ……これ……?」


 どれだけ食い入るように見つめたところで、書いてある内容が変化するわけもない。

 それでも納得できずに、僕は自分のステータス画面を呼び出し、そこから大魔王のステータスを確認する。

 そこには領主が示したものと寸分違わぬ情報が記されていた。

 これが本当ならば大魔王は現在、両腕が破損されており、眼球は摘出され、あの恐ろしいほどの美貌を誇った顔は崩壊し、形の良い耳は切断されているということになる。

 そして彼女はその治療のために現在治療室にいるということなのだろう。


 だが王子は最後の瞬間、大魔王には傷一つなかったと言っていた。

 そしてあの場に残っていた大魔王の敵など、たった1人しか存在しない!



 ねえ兄さん、僕の大好きな自慢の兄さん。

 できれば今すぐこの場に現れて愚かな弟に教えてください。

 あの後一体何があったのですか?

 兄さんは一体何をしでかしたのですか?


 もちろん兄さんが突然この場に現れるなどという奇跡が起きることはない。

 しかし兄さんが残した功績のおかげで、僕たちの心に希望の灯が灯ったこともまた確かなことだった。

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