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09 だからフラグだって言ったじゃん


 結果だけ言っていいかな。いいよね。案の定あの女騎士さんは俺のルートでした。

 俺が戦ってる描写なんか見たい?あらかじめ宣言するけど、恐ろしくつまらないぞ。


 俺はあいにくチート転生者じゃないから、スキルはほとんど最低値でそのへんの一般人となにも変わらない。

 地道に経験値稼がないとだめなやつじゃないかと思う。それこそ「はじまりのまち」にいるようなもので。


 「くっ、しぶとい奴めええっ」

 「殺しにかかってるでしょちょっとおぉ!?」


 どうやら騎士さん、ティタニアは俺が王女様を泣かしたのが単純に気にくわなかったらしい。というのも、王様王女様と幼馴染みで王女様とは昔から姉妹みたいに仲がいいいいだそうだ。アシュタルさんがそう言っていた。


 剣圧も剣撃も並大抵の腕力じゃない。俺は体育での剣道くらいしか経験がないけど受け止めたときの重さが尋常じゃなかったからだ。鎧を着てても華奢なんだろうなって感じが分かるくらいなのに、自分と同じくらいのサイズの剣がんがん振り回すんだから紅薔薇の異名がつくのも当然なのかと。


 俺が殺されそうじゃなければもっとよかったんだけどね!


 「うおっ、あっぶね」

 「ちぃっ、悪運と瞬発力はいいらしい、なっ!」

 「誉めてねえええええ」


 顔の横すれすれだったり、股間ギリギリだったり、冷や汗とか玉ヒュンじゃ済まないレベルだ。なんなんだよもうやめてくれよ。

 Tシャツ、ジーパンの相手に対して容赦がない。容赦がないって単語で片付けたくない。怖い。


 エレーナはげっそりとした表情をしていて、アシュタルさんはそんなエレーナにすごい気を使っている。あの二人が唯一まともだ。

 王様はというと「いけーそこだウタキー!」となんのアドバイスにもならない声援を飛ばしてきて、王女様はその横でうっとりと俺を見つめている。さっきから視線がビシバシ刺さってくる。なお目に光はない。


 「はぁ、はぁ・・・このっ」


 一瞬ティタニアが止まって見えたのは単純に俺のラッキーでしかない。

 ティタニアと間合いを積めて、一気に剣を弾き飛ばした。


 「あっ」

 「やだ、ウタキってばティタニアに・・・」

 「勝った、のか・・・、末恐ろしい若造だ」


 和やかにすごい!みたいな空気にしないでほしい。俺は死にたくなくてかなり必死だったってんだよくそう。

 呆然としながらティタニアは自分のからっぽの手を見つめ、ふるふると震えていた。


 「負け、た・・・」

 「いや、ラッキーっていうか、でももう終わりにしてくれよ疲れたし」

 「お、お前っ」

 「ひぃっ!?なに!?」


 ちなみに最初に俺はフラグだといったけど、王女様とは毛色が違った。


 「お前を、お前をいつか殺してみせる!そしてお前は私の手で永遠に、ふふ、ふふふっ・・・」


 頬染めてる姿はかわいいのよ、普通に。

 台詞それかよと思って頭が痛くなった。

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