03 あの日記のこと覚えてる読者はいるのだろうか
「なんでそんなについてきたいんだよ!?危ないんだって!だめだって!」
「言わせてもらうけど私のがウタキより強いわよ!それになんなの!俺たち今日で解散だみたいな雰囲気で話すなんて!私はねっ!この世界で唯一ウタキに惚れる理由がない女なの!私が一番ウタキのこと助けてあげられるの!大体あんた危なっかしいのよ!知り合いがほっといて死んだら夢見が悪いのよ!」
「各方面にすごいぐさぐさくる!!!」
二人して大声で言い合ったもんだからほかの客からちらちらと目線を送られる。コーヒーとサンドイッチをもって現れたウェイトレスに「すみませんが、お静かにお願いします・・・」と言われてしまった。うるさくしてすみません、落ち着きます。
はーってため息をついてエレーナは俺を睨む。怖い顔してても美少女は美少女なんだな、世の中やっぱ顔だよな、人生ってのは本当に不公平だ。コーヒーを傾けると今度はうってかわって眉をハの字に下げる。なんだその可愛い顔。
「私って、頼りないのかな・・・?」
「!? いや!断じて!断じてそんなことは!超常識人だしねエレーナ!」
「でもきっと私じゃなかったら、それこそティタニアさんとかが私の立場なら、きっと手伝ってくれってお願いしたんでしょ?」
「なぜそれを」
「顔に書いてあるのよ!ほんっとにわかりやすいんだから!」
はあああ、と海よりも深いため息をついてエレーナはカップを置いた。
「なに隠してるの?私って信用ないの?」
「そんなわけないじゃん、なんなら一番信用してるわ」
「じゃあ問題ないわね!」
あっれー・・・?????????
にっこにこ笑うエレーナはどうやら確信犯だったらしい。さっきまでのしおらしさは一瞬で消えた。なんなの?可愛いから許されると思ってんの?許すけど。
「はあ・・・仕方ないなあ、もう。まぁ、じゃあ、これ見て」
「なにこれ、あんまり見ないカバーね」
「これたぶんビニールなんだ」
「びにいる?」
「俺の世界にはよくあるブックカバー。んでもってこれは本じゃないんだけど」
ぱらりと二枚ほどめくる。署名と共に現れたダイアリーの文字にエレーナは首を傾げた。
「ウタキ、日記なんてつけてたの?」
「俺のじゃないんだ、これ俺の世界の文字なんだけどミヤノシタさんって人の名前なんだよ」
「どこで見つけたのこんなの」
「王級の地下書庫だよ、エレーナがアリアさんのとこでしごかれてたときな」
「なにそれ、そんなの見つけたって教えてくれなかったじゃない」
「魔王には関係なかったから・・・痛い痛い痛いつねんないで」
これに書いてあったのは、血の零時事件の裏側だ。この世界の人間では知りえないことがいくつも書いてあった。とはいえ俺もこれを読み返すのは久しぶりだ、ちょっとしっかり読み直さないと忘れてることもたくさんある気がする。細かい記述とか覚えてないしなあ。
「まず、血の零時事件の裏側・・・この日記の中身の話するんだけどさ」




