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異世界転生してハーレムルートなのにヤンデレしか選択肢がないんだが?  作者: 沢瀉 妃
勇者と魔王とぐだぐだ編

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53/99

53 愛憎劇っていうのが一番わかりやすい



「ロータスとマツリカが関わったきっかけは当時王都で行われた凱旋パレードとそれに伴う祭であった」


「ってことはそのときの勇者は勝った、ってことですよね」


「いかにも。タツミという青年だった。年はたしか・・・まあウタキよりは少し上だったな。魔王討伐そのものはいつもどおりだったのだ」


「・・・」


「こまかいいきさつは誰も知らん、まあしかし事実として二人はそこで知り合い友人となった。マツリカがロータスを愛するまでもそう時間はかからなかった」



凡庸というには少し足りないけれど、やさしさの塊みたいな人の恋愛譚。なんて綺麗な話であればどれだけいいだろう。それが少しの困難を経て叶った話だったらどれだけいいだろう。聞いている俺たちも、当時周囲で見守っていた人たちも、そしてこれから語られる本人も。



「マツリカは自身には不相応だと、ロータスへの愛を押し留めた。自分では幸せにできない、彼女が幸せになるために自分は彼女のそばにいてはいけないのだと」


「・・・やさしい、人なのね」


「ま、だからこそ、自分のことは省みれないんじゃないのか。命も、愛も、時間も、なにもかもを。

人としてあるべき姿にやさしさは必要かもしれない、けどなエゴだってなきゃならないんだぜ、本当は」



王様はどこか遠くを見ているように笑った。

なんとなくその姿にか弱さを感じたのはオデット姫とあまりにその横顔が似すぎているからかもしれない。一国の王様が、男が、そんなに弱いはずはない。じゃなきゃこの年で、国なんて背負えていない。



「ロータス自身は待ち望んでいた、マツリカが愛していると告げてくれるのを。自分が言っても拒否されるのが目に見えていたからな。待つしか、なかったのだ」


「なんでっすか!好きだって一言言えば・・・」


「その娘は美しかった。対して男は凡庸以下だった。劣等感に愛情を向けてそれが帰ってくると思うのか?少なくとも私なら思わんな」


「そんな・・・」


「ようはそういうことだ。二人は報われるための方法を、それぞれ違う方向に見据えていたのだ。すれ違い続けて、いつの間にかマツリカは王都から姿を消した」


「え?」



話が見えない。そのマツリカって人が食人鬼の始祖って話だったはずなのに、町から消えた?出て行ってしまってはなにも始まらなくないかと首をかしげる。こっちを見たアシュタルさんは大きく息を吐き出した。なんだかかなり疲れているように見える。



「ウタキ、聞くのだ。いいか、これがどんな話でどんな終わりであっても食人鬼は事実として存在し続ける。これまでも、これからも。そしてこれは、そうであってほしいという私の願いだが、聞いた上で、根絶やしにと思わないでやってほしいと思う」



しないのではなく、できない。

最初にこの人はそういった。不死身なのか、替えがきくのかそんなところなのかと勝手に思っていたけれどどうやら物理的に殺せないっていうチートな無理ゲー設定ってわけじゃないらしい。これは、あんまり考えたくないけど、もしかしたらその人間の優しさってものがあるせいでどうにもならない話なのかもしれない。

優しさで救えないなんて、マツリカさんの話を聞いた後じゃ余計にやりきれない。



「続けよう。そして、ロータスは、父親に説得され別の青年と結婚し子を成した。幸せそうではあったが、後悔していたな、待てば良かったと。彼女がそこまでいったのは、ある予感があったからだ。」


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