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異世界転生してハーレムルートなのにヤンデレしか選択肢がないんだが?  作者: 沢瀉 妃
勇者と魔王とぐだぐだ編

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41/99

41 何度でもいうけどウタキは頭がよくない


「魔王族の発生の源流まではわからないわ。記録がないから。


カタストロフ殿下は一人で生まれたの。気が付いたら南の大地にたった一人。自分がだれで、なにで、なんのためにうまれたかすらわからなかったそうよ。

教えてくれる存在がいないのだから当然ね、この世界はまだこんなふうに回ってなかったから世界はカタストロフ殿下の思うままだった。


そして殿下は無意識に世界というものを作り上げて知識を手に入れていったのよ。いわば創造主ね。」



アダムとイブの話に、これまた似ている。あれは確か神様がアダムを作ってその肋骨からイブを作るんだったけど話の基盤には近いものを感じるな。

歴史はべつにあんまり得意じゃないんだけど、俺文学部だからな、こういうのだけは詳しいぞ。



「魔王族だからと言ってはじめから世界征服が目的ではないわ。

徐々に獣族や人間族、非人間族が出現し始めていつの間にか彼らが自立した。自立は反発を生む。


そこでこの善・中立対魔王族の構図が出来上がっていくわけね。まあそれもいつからそうなったかはわからないのだけれど」



多民族同士の可視化と侵略。そういうのもあった。歴史の授業で絶対やる、奴隷問題なんかと同じで「認めない」という発想はどこにでもあるもんだ。

ヨーロッパ人は世界各国は産業さえ発達すれば最終的にはヨーロッパの水準になるって信じてたんだからな。文化や風土、相手の事情に理解がないっていうのはそういうムチャぶりを生むものだ。



「うふふ、わかってくれてるみたいね。なかなか理解が早くて助かるわ」


「いや、なんていうか。タカミツ先生、旧約聖書以降の世界史とほとんど同じじゃないですか」


「僕は文系学問にはあまり明るくないけど・・・まあ、そうですね。侵略なんていうのは世界大戦にも絡めてかなり近いといえると思いますよ」



問題はその先だ。地球、いやここも地球かもしれないから俺たちの言う「現代」は戦争そのものは残っていてもそこにゲーム性は存在しない。理由や理屈がこことはあまりに違いすぎる。

紛争地域の問題はニュースなんかでよくやっているけれど、その背景には反発・略奪・拉致・宗教なんていった問題が絡むからそのせいで「鎮圧」って発想が生まれて抗争状態になる。


むずかしく考えすぎだな。要はお互いわがままだから喧嘩するけどその方法が乱暴。戦争って本来そういうものだ。



「ここではお互いの尊重したいものなんてないのよ、別にね、この陣取りはなにか背景があってそうなってるわけではないの。理由があっての行動じゃなく、行動そのものが意味を持っているのよ」



あなたが聞きたいのこここから先よね、とロッタさんは言う。そうだ、その行動が持つ理由を知ればきっとそれは転生や転移してくる理由にもつながる。あわよくばルートがなんなのかも解明できる。

おれは学者じゃない。学徒として大学には在籍してたけど真面目な学生でもない。ただやりたいからやってるだけだ。それがリトのいう「勇者らしい思考になるようになってる」からだとしても。



「俺は賢くないんで、わかりやすく願いしますね」


「あら、十分よ。思考する力があるから人間族は強いのよ」



改めて自己紹介をさせてもらうけど、俺は平凡むしろマイナスな20歳だ。忘れんなよ。

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