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異世界転生してハーレムルートなのにヤンデレしか選択肢がないんだが?  作者: 沢瀉 妃
勇者と魔王とぐだぐだ編

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35/99

35 もとはといえば目的はパパのほう



「あっ、そうだロスくん」


「なんでしょう?」


「この町に医者の先生がいるはずで、その人に会いたいんです」



もともとカルセルムに来なきゃってなったのはクレアとクレオの親父さんがいるっていってたからだ。

ゴキブリ駆除はちょっと想定外だったけど、いずれは会わないといけなかったわけだし今会えるなら会ってしまいたい。


俺以外の転生者。あるいは転移者。長いことこの世界にいて、なおなつここで家族のいる人。聞きたいことは山ほどある。



「確認をとりますね、カルセルムそのものに医者はいなかったと思いますが」


「いや、アンジュの双子の父親なんだ」


「ああ!タカミツ先生ですか、それならきっとすぐ見つかります」



タカミツ先生。ココ最近カタカナの名前ばっかり聞いてたからその日本人ぽさが懐かしい。



「確認取れました。トストリアに避難されているようですね、今から向かう旨も伝えておきます」


「ありがとうございます」


「じゃあトストリアにいくの?」


「うん、聞きたいことたくさんあるから、でもフィーアをつれてくのはまずいよなあ」


「うえ、ごめんなさい」



攻めてきてた魔王軍の、しかも司令役だ。見た目から非人間族なの丸わかりだしいい顔はされないだろう。下手したら俺たちまで拒否される可能性がある。



「ゴキブリの処理しててくんない?」


「おっけーい、食べちゃっていいのお?」


「全部食べていいし出来れば何一つ残さないでくれ」


「まっかせてえ」



やっぱりアシダカグモか、じゃなきゃゴキブリ食べるなんて発想にはならないと思うんだけど。フィーアの主食って何に、相当すんの?体格はあれだぞ。上半身はエレーナとそんな変わんないけど、下半身の全長が、2メートルくらいありそうだ。わりとでかい。



「トストリアまでは気球を使えば15分ほどです」


「タカミツ先生に会ってどうするの?」


「ききたいことがあるんだよね、この世界の理屈みたいな」


「なにかおかしいっすか?この世界って」


「俺からしたら疑問だらけだよ」


「なにがおかしいのか皆目検討もつかないが…まあ異世界だし、そういうこともあるんだろうな」



そうだ。俺たちの知ってるものと近すぎることも、魔王が存在してる理由も。なにもかもが俺には訳の分からないことでしかない。タカミツ医師に会ってみたらわかることだってあるかもしれないんだ。なんであれ、やってみるしかない、よな。

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