33 現実的に考えたらラノベってどうかしてる
「ウタキ、あれなんなの?」
「殺虫剤」
「サッチューザイ?」
「ここ虫って存在しないわけ?」
「いなくないけど殺す必要ないもの」
なにやら聞いてみるとメルヘンな虫さんうふふあははな感じが通常運転らしい。あーね。お姫様って指先に小鳥とまったりてんとう虫とお友達になったりするもんね。そういう世界ね。おっけーおっけー。
「あれゴキブリって虫にすげー似てんだけど、メスが燃えるとフェロモンが煙と一緒に散布されてオスが集まってくんだとよ」
「…地獄絵図だな、想像したくもない。あの煙は虫にだけきくやつなのか?」
「一応。あでも吸い込まない方がいいよ」
「よし軟弱、お前もあの煙を噴射されてこい」
「俺を殺したいのはいいけどそんな雑な扱い方はなくない?」
ティタニアさん、なにかにつけて俺のこと殺そうとするけどさすがにこれは扱いが雑すぎるだろう。
「あっあっ、なんでっ!ちょっとお!あんたたち何してんのよお!勇者サマったら何してくれちゃったわけえ!?」
フィーアとか言ってたあの司令役の女の子。上半身は普通に可愛い女の子だしおっぱいも大きくてなかなか俺好みなんだけど、下半身クモなんだよな。
いやそういうジャンルもあるよ、モンスター娘みたいな。イラストは好きだよ俺だって。
でも1番最近見たクモ系モンスターがダークソ○ルだったからちょっと遠慮したいってだけ。
スキュラ(下半身がタコ)ならもう少しマシだった。あれ多分アシダカグモだからゴキブリより上位なんだろうなと思う。確認とかはとらない。
「げほっげほっ!くうぅ、苦しい…毒煙!?あんたっ勇者サマでしょお!?正々堂々そのメイス振りかぶってきなさいよお!」
「ごめんね、俺そんな正義感に燃えるタイプじゃないから…」
「歴代勇者で一番狡いんじゃないのお!?」
狡い。ずるいとも読むが、ずるいじゃなくてこすいって言われた。刺さる。
「くっ、う…くるし……」
ちなみにゴキブリ部隊バタバタと死んでくれているのでゴキジェットすげえなあと思いながら俺たちは高みの見物だ。
リトはほっとしたようだけど、ティタニアさんとロスくんはちょっとつまらなさそうな顔をしている。
「エレーナ、体大丈夫なのか?」
「ええ、なんか、楽な感じになったわ。リトに魔導適正あったなんて私も知らなくて」
「あっても使う機会ないっすからー」
へら、と笑うと「俺魔法使うの下手なんで」と言った。そういやこいつ光属性でいわゆる「白魔道士」ポジ狙えるんじゃなかったっけ?
それなのに魔法が使えないっていうのはどういうことなんだ?
「お前、毒薬使うの得意とか言ってなかった?」
「あー魔法とはちょっと違くてっすね」
「無視してんじゃないわよお!」
虫だけに?
まだぴくぴくしてるゴキブリいるから全滅するまでもう少し待とうと思う。勇者らしくない?なんとでもいえ。俺はヒーローの変身シーンで容赦なく殴っていきたいタイプなんだ。




