32 戦う前から勝負は決まっている
「あーっはっはっは!軟弱そうな人間たちばっかりだことお!これじゃ今回の世界征服は簡単ね!」
き た よ。
最近なんにも起きてなかったから気抜いてたけど指令役あれ女の子じゃん。待ってよほんともう無理だって俺ただでさえ帰りたいんのにもう勘弁してよ。気持ち的にこの作品のサブタイトルって「こんなに家に帰りたい勇者とかおる?」みたいなレベルなんだよ察して。
「来ましたね、雑魚のにおいがします」
「ロスくんこっわい」
オーグレス、だと長いからロスくんでいいらしい。みんなも覚えてな貴重なメンズだぞ。
「敵の弱点は炎属性みたいっすね、偵察部隊から連絡きて」
「いや、待て、あれ燃やしたらだめだ」
「え?」
「ティタニアさんも炎属性だけどあれぜったい燃やさないで」
「なにかあるのか?」
敵を見て俺は絶句する。300の軍勢、とは言われてたけど大学の講義の規模で考えたらまあ何とかなるだろうとおもってた。けどそれは相手をヒト型だと勝手に思い込んでたからだ。
「いいか、熱湯のしろ。火傷じゃすまないレベルの熱湯とかじゃないとだめだからなまじで」
「あれ、燃やしたらまずいっすか?火事の心配ならいらないっすけど・・・」
「ちげーよ!あの中にメスがいたらそれこそ300じゃ済まねーんだよ!」
この世界ってもしかしなくても「害虫」って概念なかったりする?俺は自分で退治できるけど決して好きではない。いやアメリカとかならな?愛好家もいるっていうし、立派な研究対象だよ?わかるよ?理屈の理解はあるんだよ、うん。
サイズは大体、大型犬くらい・・・そう、ほら、ゴールデンレトリバーとかダルメシアンとかああいうサイズだ。
ああいうサイズの軍隊が300いる。300。黒い隊列を伴って、300。整然とした、同じスピードでこちらに向かってくる軍隊が300。
いやあ壮観だね、よく訓練されてるわスゲーわ。
「うっふふふふふ、あらあ、初めましてえ勇者サマ?アタシ、フィーア・・・」
「どーも、かわいい顔してんね」
「あ、あら、そう?見る目あるわね、うふ。あなたもなかなか素敵ね、うふふ。勇者やめてこっちこない?私のお部屋で鍵かけて生活しましょ?」
にじみ出るヤンデレ感。悪化するなこれこの子もルートだわ。
「あいにくだけど、俺は勇者やめるつもりないし、
ゴキブリはちょっと友達になれないんだよね!」
頭の中でイメージすれば、というパキラの言葉にしたがってイメージしたものを目の前に作り上げる。
「おっらあああ!お前ら全員駆除だちきしょおおおお!!!!」
自走&自動噴射タイプのゴキジェット×10台。
なにこれって顔してるけどお前らなんでゴキブリ平気なんだよ!?
ゴキジェットしてる最中に逃げられて悲鳴あげたりしません?




