24 王様と王女様と騎士様に会いに行こう
「ウタキ様あああああ!ウタキ様ウタキ様ウタキ様ウタキ様!!!!わたくしまたお会いできる日をどれだけ待ち望んで指折り数えておりましたことかこの数日時間にして362時間ずっとずっとずっとあなた様を想ってお待ちしておりましたのよ心配で夜も眠れませんでしたわやはり勇者様などやめてしまってこのお城にお住まいになればいいんですのそうしてわたくしが29時間425日お掃除もお食事も沐浴もありとあらゆるお世話をさしていただけましたらこんなに幸福なことは」
「待ってノンブレス」
相変わらずオデット姫は激しい。
っていうか今、姫様29時間425日って言ったよな?もしかしなくてもこの世界での常識、俺がしらないだけでズレまくってることがまだまだありそうだ。
そういえばエレーナがよく「常識よね?」とか「当り前じゃないの?」と俺に聞いてくるけどあれはそういう「ズレ」をお互いが認識してないから起きるんだ。どうすんの俺。何回でもいうけど俺は頭がよくない。
「ウタキ、壮健そうでなによりだ」
「アシュタルさん、すいません俺まだ何の準備・・・」
「勇者といわれ勇者然とできるものなどほんの一握りだ。そなたにはそなたの時の流れがある。焦らないことだ。最初に言っただろう、いつでも力になると」
あいっかわらずこの人かっこよすぎてほんとに意味が分からない。
マロニエさんはアシュタルさんみたいな人が「男」って感じがして良いってことを再三言っていたけど、それはこの世界では生きることと戦うことが結び付いているから必要な要素が強いアシュタルさんみたいなのが男としてかっこよく見えるのの上位にくるんだろう。
日本ではバンドマンみたいな、ひょろいサブカル男もモテの部類だし、陽キャのいかついのもモテの部類だけどあれは日常動作に「戦闘」って選択肢がないからかっこいいんだよな。
「よーおウタキ!装備も祈りも整ったんだな!」
「王様」
「これから王都出るんだろ?なんかさみしくなるなー」
世界を頼んだぜー、と王様は言った。飲み会の幹事任せるわーみたいな言い方で。やっぱこの人本当は
チャラ経(文系私大における経営・経済学部にちゃらめのウェイ系陽キャが集まりがちなのでそう呼ぶ)なんじゃないの?ほんとはインスタ〇ラムとかやってるんじゃないの?
「ふん、ついに死ぬのか」
「ティタニアさん」
「エレーナ、悪いことは言わない。こんなのと旅したらお前も犬死だぞ」
「でも私も教育係ってルートだから、死んじゃったらその時だわ」
事故で死んだらその事故が寿命。アリアさんのセリフを思い出した。
これがガチ戦記系バトル異世界転生ならともかく、いや俺けっこう命の危機感じてるけど俺のヤンデレハーレムとかいうアホみたいなルートだったらどう考えたって日常系ギャグまっしぐらでしょ。服が燃えててもパンツだけ残るやつだよ絶対。
「あのねティタニアさん、無理を承知でお願いなんだけど」
「なんだ?」
「パーティにティタニアさんがいたら心強いなって、だから一緒に来てくれないかしらってウタキとも話したのよ」
「私の目的は魔王じゃなくそこの軟弱男なんだが・・・」
「それは魔王倒してからでも遅くないと思わない?魔王倒す過程でうっかり切り付けても事故になるし」
「エレーナさん?」
「ふむ、悪いはなしじゃないな」
「ちょっと?」
「おっ、ティタニアがパーティに欲しいのか」
「陛下、しかし騎士団のほうの職務が」
「お前の部下ならみんな優秀だしお前が決めていいぞ?」
「まあ、うーん、こいつを倒すチャンスは多いほうが・・・」
「待って」
どうして俺は旅に出る前から死ぬ前提なんだろう。
作者はどうあがいてもウタキぶっ倒したいマンです。




