23 えたいのしれないいきもののこと
パソコン調子悪くてスマホからです。改行など見にくいかも知れませんがあとで直せそうなとこ直します。
ご意見ご感想おまちしております。モチベください。(欲しがり)
人間族が出現する前からわらわたちはこの世界に生きとるけ。人間が魔法と呼称するこのチカラもずっとずっと生活に根付いていて、だからこそ魔法が使えない人間たちのほうが不思議なくらいだけ。
このテントも、外側とだいぶ広さが違うけ?前にここに来た勇者はマヨイガだと言っておったけ。その顔だとそのマヨイガってものがなんなのか知っとるけ?つまりそういうことだけ。
いつから魔王と人間の対立が始まったか、具体的なことはわらわたちにもわからんけ。いつのまにかそうなってたってほうが正しい。
わらわのような役持ちもその一種で、いつから始まったかわからんのだけ。誰かが決めるんじゃなく、いつの間にかそうなるんだけ。
漠然と、ああ今わらわは役持ちになったなと感じるんだけ。夢から覚めた時、なんだ夢かと勝手にわかるように、勝手にわかる。そういうふうにできとるけ。
キョキョッ、とアリアさんは喉を鳴らす。
マヨイガは日本にもある無生物怪異のことで、見た目はただの平屋なのに中に入ると襖の部屋がいくつもいくつも連なっているという家のことだ。読んで字のごとく「迷い家」
「この世界は魔法と怪異と生活が紐づいてるんだな」
「ウタキの世界には、ないの?」
「なくないよ、けど生活に結びつかない。本の中の話だな」
信じられないと言ったふうにエレーナは目を見開く。俺だって異世界にこなきゃそんな世界があるかもしれないって可能性にすら気が付かないだろう。
「留学でもしたと思って楽しむことだけ」
「命の危機なんですが」
「死ぬってのは寿命だけ。事故で死んだらその事故が寿命なんだけ」
ローレライにしろ、魔王にしろ、曰くもっと沢山いる非人間族との交流が穏やかに終わりそうな気配はない。ボードゲームでケリをつけることがどんなに平和かこの世界の奴らは知るつもりすらないらしいから。
化け物だ。
非人間族なんかよりも、この世界そのものが。この世界のルールが、絶対おかしいのに誰も
「さて、祈りを与えようけ」
「アリアさんの祈りって…?」
「死やマイナスをできる限り跳ね除ける祈りだけ、結構効くもんだけ」
蝶のようなモチーフのついた振り子を俺の手のひらのうえでくるくると回している。
「蒼炎に舞え 快晴の紺碧を 我 夜の御名においてこの場に命ずる……」
アリアさんがぶつぶつと何かを唱えている。サファイアのような目はどこも見ていない。放心してるのか無心状態なのかは、よくわからないが集中しているのだろう、手汗が滲み、手のひらに熱が球になって溜まっていく。
「祈りを与えん 焔焔の夜に 大波の朝に 大地を分かつ琥珀に かの英雄の叫び声を 我 汝に与えん 蒼白の聖女と劣化の村人…」
長ったらしい呪文のあとに、アリアさんは俺にまた紅茶(この世界の紅茶は総じて青い)をいれてくれた。
「ルートは避けられんけ、次からはまた激しい乙女のぶつかり合いだけ、覚悟することだけぇ」
「…チェンジを、なんとか」
「ウタキ、今こそヒーローになるのよ」
相変わらずエレーナは目も合わせてくれない。そろそろ泣きそうだ。




