表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生してハーレムルートなのにヤンデレしか選択肢がないんだが?  作者: 沢瀉 妃
勇者と魔王とぐだぐだ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/99

20 貧弱は主人公のスタートラインって相場が決まってる



某アメフト漫画の主人公は最強のビビりでパシリだった。母親が恋しかった兄弟は体と手足を失うところから始まった。双子の兄貴は自分の出生も知らなかったのに青い炎を使い始めた。勇者になりたがってる消防官は蝋燭みたいな火力から始まった。ただの高校生はネットの海でギャングのボスになっていく。死ねるけど死にたくないって葛藤するやつだっている。


いつだってそうだ。漫画やラノベの主人公は天才肌か貧弱スタートってのが相場なんだ。



「あんたこれ持てないってどうしようもないわよン…」

「これ一番軽いやつって言ったよな!?」

「まあそれでも4キロくらいだけど、それより軽いメイスはうちにはおいてないわン」

「マロニエさんの店が一番品数多いからここにないならほかで探すのは無理よ」



そうだ、主人公ってのは壁がおおいんだ。

だから俺が今ここで武器選びに苦戦するのだってきっと必要なプロセスなんだ。うん。そう思いたいしそう思わないと俺のメンタルが死ぬ。ヒットポイントはもう赤い。



「ストリングショットはセンスなさ過ぎたからメイスが妥協点だわねン…歴代勇者でアタシが知る限り一番弱そうよン、ウタキ」

「やめて!エレーナといいマロニエさんといい俺のメンタル必要以上に削りにかかるのほんとやめて!俺泣くけど!」

「魔導適正すらないってのがそもそも不思議よン…だいたいいつもは実戦慣れしてて、適正ある人が勇者になるんだからねン」



異能とは別で魔導士も一応存在するらしいけど、いわゆる魔導適正みたいなものがないと魔法は使えない。どこぞの幼女も魔法で戦争乗り切ってるけどあれも魔導適正あったから軍人やってるんだったな。


これは完全に俺の趣味な雑学だけど、この世界の魔導士分類はメイジに近い。

メイジやウィザード、ワイズマンとも言うな。あるいはソーサラーやエンチャンターとも言って「魔法使い」を指す単語は多いけど、このメイジって単語はイギリスがアングロ・サクソンたちの侵略にあう前から使ってる古英語からきてる単語で、ようは魔法使いの源流を指している。


つまり想像してるラノベのきらきらしたファンタジー要素強めな魔法使いよりも、はるかに得体が知れなくて古いくせに突破口なんてほとんどないような複雑な術式を組んでくるってことだ。

魔導書の一部をどういうわけかクレアが持っていたので見せてもらったけど、使ってるのは古ノルド語…簡単にいうとルーン文字にかなり似てた。


何が言いたいかというと、そういうやつらにも俺はこのメイスで戦わないといけないってこと。


クレオの顔が思い浮かぶ。やっぱりこの世界はなんかがおかしい。俺の知ってるものに似すぎてる。まあ御例外の転生者にあってみないことにはその怪しさの真偽すらままならないわけだけど。



「おっらぁ!鍛えりゃいいんだろ!俺が勇者ってんならこのメイスだって聖剣に変えてやる!」

「ウタキ…!」



きらきらとした目でエレーナは俺を見た。

気は乗らない。争いごとは嫌いだ。それでもこの世界でそれが必要なことで、そこに俺が必要とされてるのは悪い気はしない。

ただの大学生じゃ絶対できないことなんだ。インカレの学生団体とは規模が違う。俺は意識高いやつらとは友達になれないタイプだけど、必要なら、やるさ。



「うーん、心意気は買いたいけどその歯を食いしばってる顔はスマートじゃあないわよン」

「黙ってたら読者にはわかんないからほっといてよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ