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次女、栞

 次女、栞はマイペースに成長しました。


 葵とは違い小さいころからほっといてもよく寝る子でした。

 私も旦那も二人目の余裕というものが出て、栞が泣いていてもすぐに抱っこせず「泣くのが仕事だから頑張れ―」と様子を見てました。葵の時には考えられません。泣いたら即抱っこでしたから。そのおかげか栞は泣いていてもすぐに眠ってしまい、一人で起きて遊んで寝てとマイペースにのびのび育ちました。ティッシュを全て出しても「あーやられたー。仕事熱心だね」と言うくらいで怒りません。葵にはかなり怒ってたのに。ごめんね葵。


 一人目の葵は叱られて育ったのでしっかりしています。

 二人目の栞はのびのび育ったのでかなりマイペースです。


 これも良し悪しがあると思います。現状、葵は頼りがいがありできることが多いので何でも任せれますが、栞は人の話を聞かない面があるのでとても苦労します。


 葵と違い言葉が遅かった栞は二歳を過ぎても「ごっ」「ばっ」「だっだ」くらいしかしゃべれず。四歳になった今でも舌ったらずは治りません。先生のことを「てんてー」と呼ぶので先生はメロメロです。さ行はた行に変換されます。


 そんな栞のいいところは何と言ってもマイペースなところ。それが悪い時もありますが、マイペースは栞の長所です。


 どれだけこちらが急いでいてもゆっくりゆっくり着替えて靴を反対に履きます。服も反対に着ます。以前、下着も服もズボンも全て後ろ前に着ていた時は「栞のお顔はどっちについてるの?」と思わず聞いてしまいました。

 自分の世界を持っているのでママが居なくても平気です。一人でお人形さんを喋らせて歌を歌って遊んでいます。お留守番もへっちゃら。こちらが寂しくなるくらいに自分の世界にのめりこみます。


「しおりー? しおりー! 聞こえてるの~? 聞こえてないの~?」

「聞こえてなーい!」

「それ聞こえてるから!」


 こんなやりとりもしょっちゅうです。集中力がすごいんですね。 

 歌うのが大好きで変な歌もよく歌ってます。笑ったのが『赤鼻のトナカイ』を歌っていた時に「真っ赤なおっはっな~の~♪ コワタリさんが~♪」と歌っていた時です。誰だよコワタリさん。その内コサカイさんに進化しました。いや誰だよ。


 クイズを出すことにハマった時期もありました。


「問題です。犬は犬でも、魚が大好きな犬はなーんだ?」


 魚が大好きな犬? なにそれ。そんな犬いる? なぞなぞなの? なんなの?

 私は降参して「答え教えて」と栞に言いました。



「正解は~……猫でした!」

「犬じゃないじゃん!」



 まさかの猫。あまりの衝撃にイラスト化してラインスタンプにしました。現在販売中です。(宣伝)

 他にも「牛は牛でもこわーい牛はなんだ?」と聞かれて降参すると「オオカミ牛でした!」と言われて、なんでもありだなと。本当は「カミはカミでもこわーいカミはなんだ?」で答えが「オオカミ」と言いたかったそうです。(葵談)



 栞は手がかかる分、話題に事欠かない子です。キャラが面白くてズルい。こっちが怒っていても笑わせるようなことばかりします。本当ずるい。

 真剣に怒っている時に豪快なオナラされたら笑っちゃうじゃないですか。そんな子なんです。


 栞は味や匂いに敏感です。美味しいものしか食べません。お醤油を替えたことに気づいたのは栞だけでした。柔軟剤の匂いも敏感に感じ取るため「くさいから着ない!」と拒否することがあります。服装には変なこだわりがあって夏でも絶対長ズボンです。どれだけ暑くても足は出しません。スカート大好きな葵と大違い。スカートを履くときは下に必ずスパッツを履きます。足は出したくないくせに靴下は大嫌い。どこへ行っても靴下を脱いでしまうのでよく片方なくします。中々面倒くさい子です。

 けど、栞が「美味しい」と食べるものは本当に美味しいので一種のバロメーターになります。食べ放題の焼肉では「美味しくない」と言ってお肉を食べず、少しお値段のいい焼肉屋さんでは「美味しい」とお肉をモリモリ食べるんです。困った。誤魔化しが効かない!

 私の料理も、美味しければ食べて美味しくなければ食べません。日々試されてる気がします。ママは頑張りますよ。美味しいと言われる料理を作ってやる! 

 ちなみに、実母も栞の味の採点を気にして料理頑張ってます。毎週土曜日は実家でご飯を一緒に食べているのでその際に栞が「これ美味しいね」と言ってくれると自信がつくそうです。栞はおばあちゃんの料理が大好きなので(実母は料理上手)大喜び。この前かぼちゃプリンを手作りしてくれた時は栞が一口食べて「好きじゃない」と言ったので実母はかなりショックを受けてました。美味しかったんですけどね。大人の味だったのかな。


 葵とはよく遊びよく喧嘩します。喧嘩して仲直りしてまた喧嘩して、とよく飽きないものです。けれど、栞に「一番好きなお友達は誰?」と聞いたら「葵ー!」とにこにこ笑顔が返ってきたのでお姉ちゃんと言うよりはお友達という感じで仲良しなんだなと思います。さすが年子。


 年子は小さい時大変ですが、大きくなると一緒に遊べて(我が家は同性なのでとくに)とっても楽になりました。



 栞は人とは違う感性を持っていて自分の世界を大事にしています。

 何かを一生懸命考えていて周囲の声が聞こえないことが多々あるし、好奇心が旺盛なのでイタズラもよくします。葵に出来る事は自分も出来ると思っているので無茶もします。それに振り回される私と旦那。


 私も旦那も長女と長男なので次女である栞の気持ちは理解できません。なんでこうなの? と思ったりもします。

 けど栞の笑顔を見ると「あぁ、この子はこうなんだな」と思い、栞のありのままの姿を見守っていけばいいんだと妙に納得してしまいます。 


 いつか栞の目線で物事を見てみたいなぁ。


 そんなことを考えながら今日も栞のマイペースっぷりに振り回されています。

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