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長女、葵

 長女の葵はすくすく成長しました。


 初めての育児で右も左もわからない私と旦那を振り回すだけ振り回した葵。

 夜に寝ないのは当たり前。抱っこ魔で抱っこじゃないと寝ない。寝たと思って降ろすと背中にあるスイッチが感知するのかパチッと目を覚まします。怖い。

 私の腕は抱っこのし過ぎで腱鞘炎になり通院を余儀なくされました。腱鞘炎……初めての経験でした。


 車に乗せても寝ない子なので深夜のドライブも三時間ほど車を走らせないと寝ないという頑固っぷり。でも寝顔は天使。

 寝不足でイライラする私と旦那はしょうもないことで喧嘩をしたりしました。


「朝から晩まで私がずっと葵の面倒みてるんだから少しくらい寝かせてよ!」

「俺だって仕事で疲れてるんだ! 明日も仕事なんだぞ!」


 こんなやりとりを何日も何日も続けていたような気がします。ほんっとうに寝ない子でした。

 旦那を寝かせるために夜中に葵を抱っこして散歩にも出かけました。散歩しながら涙が出て、ぐずぐずと鼻をすすりながら楽しそうに笑う葵を恨めしくも思いました。でも笑顔可愛い。ずるい。(結局親ばか)


 お昼寝もあまりせず、日中も起きてるくせに夜中も起きている葵の体力に脱帽。親の方がずっと体力なかったというね。けれど寝顔は本当に天使なんです。もう天から舞い降りた女神のような神々しさ。いや、天使? 女神? どちらにせよその寝顔を見るだけで先ほどまでのイライラやストレスが全て消えてなくなるくらいの破壊力でした。 


 あっという間に大きくなり、早くから言葉を話す様になった葵。

 悪戯も沢山しました。ティッシュもトイレットペーパーも全て出されて怒ったことが懐かしい。あれも成長の一種だと思えるようになったのはだいぶ後になってからでした。子どもの好奇心ってすごいですね。


 食べることに関心が薄く、おっぱい大好きで離乳食を全く食べずにいた葵が今ではおかわりしてご飯を食べています。

 寝ない寝ないと言われていたのに今ではお休み3分です。朝まで起きることなくぐっすり寝ています。


 子どもの成長は親が思っている以上に早くてあっという間です。


 6歳になった葵は、しっかり者のお世話好き。いかにも『長女』といった感じの女の子に成長しました。

 小さい子のお世話が大好き。優しく面倒見が良く、周りを引っ張っていくリーダータイプです。でも小心者で新しいことにチャレンジするには勇気がいります。背は旦那に似て高く、すらっとした足をママに自慢してくるという嫌味なところもあります。


「パパはママより葵の事が好きなんだから!」


 なんていう女な面も出してきます。頭の回転が早くお利口さんですが、口が達者で生意気。でも理論がどこか間違ってる辺りが子どもらしくて可愛いです。

 メルヘン脳でアイドルやお姫様が大好き。突発的なお芝居が始まったりします。

 アナ雪にハマっていた頃はお風呂上りにバスタオルを体に巻きつけて突然私に向かって「ハンス王子に国を預けます!」と言って凛々しく立ち去ったこともありました。おい待て全裸。服を着ろ。

 

 おままごとでは可愛いお姉さんか赤ちゃん役をやりたがり、時々猫になったりもします。猫の設定も謎です。


「名前はおんぷちゃん。ピンクの花柄の猫よ。とってもかわいくて、骨が折れやすいの」


 意味がわからん。骨折れやすくてどうすんの? てかその設定いる? 本当に謎です。

 女の子らしい可愛い服が大好き。スカート命。どんだけ寒くてもスカート履きたがります。下にスパッツを履かせても気が付くと脱いでたりします。オシャレも大好きなので、朝の着替えでよく対立します。可愛さを重視する葵と機能性を重視する私。暑い時には涼しく、寒い時には暖かくしたいのが母心です。母の心子知らずとはよく言ったもので、葵は自分流のオシャレな物しか着たくないという。ちょっとそれはないな……という組み合わせでも本人がオシャレというならオシャレなのです。

 こだわりが強く頑固者の葵は中々譲りませんが、最終的には渋々私のいう事を聞きます。

 

 好きな色は薄紫とピンクと緑。運動が得意で跳び箱は7段跳べるし逆上がりも出来るようになりました。歌うことも大好き。車の中ではいつの間にかリサイタルが始まります。たまに階段の踊り場をライブ会場にしていて歌声が一階まで響いてきます。天使の歌声ってやつです。うちの子マジ天使。


 声も可愛く顔も可愛い葵。「嫁にやらん!」という旦那の訴えもむなしく、保育所で好きな人が出来て「○○君と結婚する」と言いだしました。パパ号泣。


 葵が生まれてから大変なことも沢山ありましたが、それ以上の幸せを貰いました。

 赤ちゃんの時、あんなに抱っこしていたのに今では重くてほとんど抱っこしなくなりました。寝る前に「ママ、抱っこして」と甘えてくる瞬間がとてつもなく可愛くて、ママは幸せです。



 子どもの目を見て名前を呼んで、「あなたはママとパパの宝物よ」と伝えて、「大好き。愛してる」を伝える。



 これが子どもを育てるための愛情の土台になると聞きました。私も実践しています。だから「ママの宝物はなーんだ?」とクイズを出すと「葵!」と答えます。私は「正解!」と言って葵をぎゅっと抱きしめます。それは本当に幸せな時間です。

 

 このまま葵の身長がすくすく伸びれば、おそらく小学4年生辺りで私の身長は抜かれるでしょう。

 もしそうなってもぎゅって抱きしめさせてほしいな、とママは密かに思っています。

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