表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫守紀行  作者: ミスター
105/141

決戦魔法『豆スノー』

あけまして、おめでとうございます!

本年もよろしくお願いいたします!


この話は、カオス増し増しになりますのでご注意を。


byミスター

一南side


「アイリン、ハチカファ。留守番させて悪かったな。しばらくしたら王真くん達がウォルガイの巫女を連れて戻って来る。それまでもうちいとばかし頼むわ」

ホームに戻ってきた俺達はアイリンとハチカファに声を掛けながら、俺とチビーズ、サウス、黄助でクロハの元へと向かう。


ソルファと腐敗勇者はアイリンに事情を説明するようだ。

といっても、報告はハチカファを通して上がってくるため、説明することも無い筈なんだがねぇ。


…まあ、いいか。

ここに残るかどうかはソルファ達に任せてあんだし。

俺はアニマルズを引き連れ厩へ向かった。



厩では目を瞑り、直立不動のクロハが出迎えてくれた。

クロハの前足に白達が纏わりつく。


「悪かったな、ちいと偵察に行くだけのつもりが暴れてきちまってよ。今度は一緒に行くぞ、ルナとカートスの様子を見にな。ちいと荒事になるかもしれんから頼むぞ?」

閉じた目をカッと見開いて、嘶き、地面を蹴る。

ただし前足は白達が占拠しているため後ろ足を蹴り上げる形となったが。


「くはっ!気合は十分か。いいねぇ、それじゃぁ行きますかね」

俺はチビーズを拾い上げ、アニマルズ年長組と共にホームの転移方陣へと向かった。


Sideout




ソルファside


「僕達はシーバンガに乗り込む事になりました」

僕はアイナクリン様に簡潔にそう伝えました。

するとアイナクリン様は顔を真っ青にして、震えだす。


「パー子ちゃんからの情報をそのままイチナさんに上げたから…?駄目です、このままじゃ、このままじゃシーバンガが!」

ワタワタと慌てふためきながらも、勝者がどちらになるかを確定してしまっていた。


「落ち着いてくださいよ~、姫様~?イチナさんだって無力な民は斬りませんよ~。国を落としてくるかも知れないだけじゃないですか~」

人一倍冷静なハチカファも動揺していました。


「安心して、アイちゃん!私とソルファちゃんが着いていくから!もうこれはどうしようもないってなったらホームに無理やり連れ帰るからさ!」


「ストッパー…、というには少々弱いですが『アマサカ一家』で行かせるよりは自重してくれる…、はずです」

アニマルズの年長組は基本的に自重しませんし、チビーズに至っては何かあるとイチナさんがキレます。


「その程度で~、イチナさんがなんとかなりますか~?」

「正直、読めません。イチナさんですから」

僕の答えにハチカファは苦笑で答えた。


「…ふふっ、そうですね。私の動物と話せる力を知っても通訳程度の反応ですし」

動物だけではなくモンスターとも会話できるアイナクリン様の能力は、ばれれば研究対象として利用しようとする善からぬ輩も出てくるだろうし、下手をすれば教会に目をつけられ討伐対象にされかねない危険な物だ。


もっとも、そんな教会の総大将は風前の灯に近いのですが…。


「それじゃ、行きましょうかアンナさん」

「おうよー!」

アイナクリン様達に見送られ、僕達はイチナさんと合流するのだった。


Sideout




一南side


転移方陣でソルファ達と合流した後は、そのままシーバンガのギルド裏に転移して来た訳だが。


「…取り敢えずだ。ここの教会ってのはどこにあるんだ?一発神気の斬撃でも叩き込んどこうかと思うんだが」

ルナは城にいるらしいから大丈夫だろ。


「止めたげてよぉ!?俺様王子はいきなり飛ばし過ぎだよ!破壊活動に来たんじゃないから!落ち着いて行こう?ね?」


「そうです!それにそんな事をしたら、ファルナークさん達が…」

む、それもそうか…。

イカンな、俺もかなりイラついてるようだ。

……ヤルなら教皇とバルクだったな。

一般市民は巻き込めないわな流石に。


そんな時、抱えていたチビーズがよじよじと頭の方へと登ってくる…。

「み!」

「ぴ!」

「…?」

…頭の上でタワーを形成するのは止めてくれませんかねぇ?激しい動きが出来なくなるんだが。


「ほら、白達も落ち着けって言ってますよ」

ソルファの言葉にウンウンと頷く腐敗勇者。

こいつ等は上りたいから上っただけだと思うが…。

まあ、いつもはサウスの上とかだからそうなのかもしれんな…。


「あー、わりぃ。取り敢えず行くか」

まあ、おかげで多少は落ち着いた。


歩くたびに揺れるチビーズタワーを頭に乗せて、ギルドの裏からでる。



ギルド裏から出て、冒険者達にガン見されながら広場に到着。

ソルファ達から慎重に行きましょうと言われたし、俺もそうするつもりだった。

しかしだ、情報収集は必要で、広場にはルナとカートスの名前を出して叫んでいる貴族様がいる。


これは、話を聞いておかないと駄目じゃないかと思う訳だよ。


「ヤバいよ、ソルファちゃん…。俺様王子に自重が見えないんですけど…」


「…ええ、もう諦めました。ファルナークさんとカートスさんならどんな状況でも脱出は可能でしょうし。問題はパー子ちゃんとコウキくんですが、こっちにはサウスがいます。見つける事も難しくないでしょう。ですから事を起こされる前にサウスにはコウキくんを見つけてもらいたいですね…」

ソルファが凄い疲れた顔してるんだが…。

…俺の頭に乗ったチビーズを貸してやろうか?癒しにはなるぞ?


「アンナさん。僕達はなるべく一般人にトラウマを植え付けないように気をつけましょう」

おい、ソルファの一言で腐敗勇者の目が死んだぞ。


「フ、フフ…、無理!俺様王子の殺気でトラウマにならない一般人は、もう一般人じゃないよ。兵士として熟練の域だよ、即戦力だよ。…うん、やっぱ無理だ」

サウスとクロハが心配そうにソルファと腐敗勇者に近寄る。

それと、トラウマ云々なら、俺の殺気よりもお前の魔法のほうがひどい。


「熟練の兵士レベルなのか俺の殺気…」

…もっと気合い入れて出してみるべきか?

あまり意識してなかったからな殺気の使い方ってのは……ふむ。

氣に殺気を混ぜ込む?…いや、意味が分からんな。


「…やっぱ、殺気を当てて殺せるレベルにならないと駄目か?」

「聞かないでください!そして止めてください!」

「出来そうだから、練習もしなくていいよ!」

むう、ショック死くらいならいけるかと思うんだが…。


「どうよ、貴族様。練習台になってみねぇか?」

「……」

まあ、会話しながら歩いて来たから、当然気づかれてるわな。

そして、めっちゃ警戒されてる。


まあ、俺は神敵な訳だから当然といえば当然なんだが。


「…貴方が、『世界の敵』ですか。まさか、シーバンガに乗り込んでくるとは…。

ですがここは街中です。元冒険者でシェルパの英雄…、諜報の限りではむやみに力を振るう者では無いと聞いています。

どうです?この際、世界の敵であることは目を瞑ります。私と手を組んで女王を引きずり下ろしませんか?成功すれば貴方はこの国で自由に振舞えます。まさか、その程度の人数で『国』とやり合うつもりは無いでしょう?」


…知らない称号が増えてやがる。

なんだ『世界の敵』って、心躍るじゃねぇか!


「そんな!?『世界の敵』だなんて!?イチナさんは『魔族』や『魔王』じゃないです!」

え?アイツ等の事なのか?…一気にテンション下がるな。


「そうだよ!俺様王子はもっとヤバいなにかだよ!!」

「腐敗、お前黙れ。そもそも、テメェは誰だ」

いや、俺から声掛けといて何だが。


「ああ、これは失礼。私はアツタール・ハイネ…「ああ、もういい。どうせ後ろの名前もも長いんだろ?覚える気もねぇし、お前はこれから厚田と呼ぶ」…は?」

厚田ハイネ。うん、キラキラネームだな。

当て字は『歯胃根』に決定だ。


「で、厚田。ルナ…。ファルナークとカートスの名前を叫んでたが何か『した』のか?大丈夫、お兄さん怒らないから言ってみな?テメェが答えたら俺も返事をくれてやるよ」

殺気は出さず、出来るだけイイ笑顔で優しく問いかける。

……おい、なんで後ずさる。

殺気は出してねぇだろうが。


そんなことしてるとお話からオハナシ(物理)に切り替えちゃうぞこの野郎。


「…何をしたか。ですか?不思議な事を聞きますね。私はこの国を守る者として国に入って来た『賞金首』を追い出そうとしただけなのですが。

カートス・マリゲーラは生死問わず。ファルナーク・サリスは生かして教会に突き出せば多額の報奨がもらえます。両者共に教会に刃を向けたという理由ですね。ファルナークはどうやら違うようですが。

…いずれは角の付いた亜人は全て賞金首になるかもしれませんね。教会は何故か角付きを探していますから」

…よし、教皇を殺ろう。

それで教会は大人しくなるだろ。

まあ、どっちにしろ状況しだいで殺るつもりではあったがねぇ。


何故かアニマルズ年長組が構えだした……あ、殺気が漏れてたな。


「…っ!これが世界の敵ですか…!元々こちらに返答する気は無かったという事ですね。…近場の住人の避難も終わり、援軍も到着しました。ここからは『国』と戦うと思ってください。…それと、この国の勇者は『保護』させていただきました。…この意味分かりますよね『世界の敵』殿?」

ガチャガチャと鎧の擦れる音を響かせて大量の兵士が広場に集まってくる。


厚田の兵士は家門の入った緑の鎧を着ているが、集まって来た兵士は国章の入った鎧を着ていた。

正規兵か。


「全く、ちいと殺気が漏れただけだろうよ…。面倒くせぇな。…そうか、保護されてんなら問題ねぇな、多少ここが血の海になっても死ぬこたねぇだろ」

人質と明言しねぇからには、別の目的で『保護』したんだろうよ。

ファルナークかカートスへの切り札としてか、まあどちらにしろ勇者だ殺す事は無い。

魔王(ガイナス)討伐済みという事が知られるまではな。


「おい、大人しく道を開けるか城までエスコトートしろ。…無駄に死にたくはねぇだろう?」

そう言いながら、抑えていた殺気を全開時の半分以下で開放する。

兵達の動きが止まった。


厚田に至っては石のように固まってしまった。


「…あ、駄目ですねこれ。駄目なパターンです。アンナさん魔法の準備してください」

「俺様王子が厚田に話かけてから準備してたから、いつでも行けるさ!」

おい、まるでこの展開が分かっていたみたいだな?

腐敗勇者はそのまま、魔法名を唱え出す。


「『マッソーガードナーverビルダー』!!」

腐敗勇者の足元に魔法陣が展開する。

そこから現れるのは、日焼けし、オイルでも塗ってるんじゃないかと言わんばかりにテカッた黒光りの筋肉の巨人たち…。

あまりに分厚い筋肉の壁。

総勢10人が腐敗勇者とソルファを囲んで、それぞれ思い思いのポーズを取っていた。


それを見た兵士達がざわついた。

あっちには穴喰い勇者がいるぞ!と全ての兵士に動揺が走る。

…俺なら絶対に付けて欲しくない二つ名だった。


「……アンナさんだけを守ってください。僕はいいです、切実に」

最高ランクのボディービルダーたちに囲まれて、凄まじく疲れた表情を見せるソルファだった。


「み~?」

腐敗勇者の魔法とほぼ同時に鞭白へと姿を変えるタワー最下段の白。

ぺちぺちと俺の顔に鞭があたる。

何がしたいんだ、白。


「…?…!!?」

魔法に驚き触手を伸ばし、何故かテンを捕縛しにかかる中段のチビスラ。

驚くな、今更だろうが。


「ぴぴー!?」

最上段では、チビスラに捕縛されないようにその場で飛び跳ね落下化と同時にチビスラの体に埋まるテン。

…テンは少し大人しくしててくれ。


俺の殺気と、異様な魔法。

そして、戦意を削ぎ落す頭の上のチビーズの蠢き。

アニマルズ年長組は油断なく俺の周りで待機する……こいつ等だけが現状を真面目に受け止めている。


兵士たちの顔は、青ざめながら頬が緩むというなんとも言いがたいものになっていた。

そんな時、更なるカオスが走って来た。


「……サウスの使者、…すいさん」

「あぅっ!?頭に顎を乗せて喋らないで!?……そこまでです!剣を収めてください!」

聖剣を抱えパー子を背負ったその姿は、この場において単体でカオスを醸し出していた。

ちなみに剣を抜いているのは、あちらさんで俺達じゃないからな?


「…勇者様だ!」

「勇者様が来て下さったぞ!」

「臆するな!世界の敵といえども人の子だ!我等は勇者様と共にある!」

「あんな小さな勇者様だけに戦わせて良いのか!否!断じて否!!」

「……ハァハァ勇者たんかわゆす」

「…良い筋肉だ!これが穴喰い勇者の力!」

「白たん万歳!盟主様万歳!」

敵兵力の士気が一気に上がる。…何人か変なのが混じってるが。

剣を掲げ、声を上げ、俺の殺気を気合で吹き飛ばす様は圧巻だ。


最後のやつ、お前確かシェルパの冒険者だろ?顔見たことあんぞ。

真っ先に斬ってやるから出て来い。


「……サウス、…万歳。…もふるは、…正義」

パー子、便乗してんじゃねぇ。


「あ、あれぇ?……もしかして、鬼さんと戦うフラグ回収しちゃった?ど、どうしようパー子ちゃん!…っていない!?」

パー子ならさっきのサウス万歳の時点でサウスの背に顔を埋めてんぞ。

背中にいたんだから気づけよチビ勇者。


「っ!…バカな。何故勇者がここに!?あれほど上手くいっていたのに…。まさか横やりが入ったのか…!」

フリーズしていた厚田が驚愕の声を上げる。

流石に俺も予想外だったわ、でもまあ、後はルナとカートスだけだ。


「…さて、道を開けて生き残るか、俺の邪魔をして無駄死にするか……今すぐ選べ。チビ助ぇ、さっさと戻って来いアホウが」

全開に近い殺気をばら撒きながら選択を強いる。

チビ助、心配かけた分、お仕置くらいはするからな?


「あわ、あわわわ……!み、皆さん!逃げてぇー!!」

(スイッチ入ってる!鬼さんのスイッチ入っちゃってるよぅ!!)


チビ助の叫びに兵士達がどよめく。


「戻って来いとはどういう事だ…?まさか!?『世界の敵』は少年の敵でもあるのか!!」

そこの兵士、お前の顔は覚えたからな…。


「…まさか、お一人で『世界の敵』と対峙するおつもりか!?」

「なんと、お優しい。これが勇者か…。だが、我等もこの国を守る者!引く訳にはいきませぬ!」

「相手は人!一丸となれば倒せぬ道理はないのです!さあ、勇者様!号令を!!」

あれよあれよいうまに指揮権を譲渡されるチビ勇者。


その間に厚田は自分の兵をまとめ上げ正規兵の中へと消えてゆく…。

しかし、兵を率いる隊長格に捕まり、あっという間に部隊に組み込まれていった。


「え、えーとぉ…」

(駄目だ!何を喋っても裏目にしか出ない気がするよぅ…)


一触即発。

そんな雰囲気の茶番劇。

さっさと城に行きたいんだがねぇ、俺は。

そんな事を思いながら視線を城のバルコニーへと向ける。

チビーズが頭から落ちそうになったが、気にならなくなった。


俺は目が良いんだよ…。


「そこにいたか、バルク」

バルコニーからこっちを見下ろすバルクの顔が目に入ったから。

まて、ルナとカートスも城にいるはずだが…。

あそこにバルクがいるのなら、絶対によくない事が起きている。


取り敢えず。


「…波平ぇ!!」

《御意》

城のバルコニーのバルクに向かって神気の斬撃で横一閃。


「み!?」「ぴ!?」「…!?」

そして頭から振り落とされるチビーズ。


バルコニーから城の屋根に掛けてななめに斬撃が止まることなく貫いた。

距離があった分、避けられたか…。

おっと、チビ共から抗議の声が聞こえる。


すまんな、抗議の声は聞いてやれん。


「…わりぃが、お前等に付き合ってる余裕はなくなった。選べとも言わねぇ。……邪魔をするなら死に晒せ」

世界が止まったかのように誰も彼もが唖然とする中。

いつも以上に殺気を漲らせ、俺は淡々とそう告げた。



その時だった。



白が一際大きな声で鳴いたのだ。


「みーー…。み!」

いつぞやの隷属の首輪を壊した時のように空に向かって小さな手を一閃。

俺でも分かるほどの膨大な魔力が空に向かって放たれた。


「…おい、白。何した?今、やっとシリアスに戻ったとこだったんだが…」

フンスッ!とドヤ顔で足元に佇む白に問いかけるも返事はない。


その時、空が銀色に染まった。

いや、正確には『王都』を覆い尽くすような肉球の形の魔法陣が広がっていた…。

俺の時とは違う意味でその場にいる全員が唖然とする中、晴天の空からふわりふわりと雪のような物が降ってきた…。


思わず、目の前をふわりと通過する雪っぽいものに手を出してみた。


すると、溶けることなく、手の平に『着地』した。


「み」

ものっそちっちゃい豆サイズの白が。


「…え、何これ。アリーナンの白魔法?白が使ったのか?変なとこ影響されやがって…。まさか、降ってきてる雪は全部白か!?」

このサイズだと地面に降りたら踏むぞ、間違いなく。

やべぇ、身動きが取れなくなる。


深々と降り続ける豆白達。

「みー!」

本体の白の号令で突如猛吹雪と化す。


「雪があったかいってのはどうなんだろうな…」

吹きつける豆白達が体に張り付きあったかい。


そして敵陣に目を向けると……地獄絵図だった。

鍛えられた兵士の裸体。

吹雪くたび、一枚また一枚と鎧が剥がれ、衣服が剥がれ、前線の兵士達はすでに明記したくない事になっていた。


そう、小さくても白だ。

最近は馬車の中に『オリハルコンの爪とぎ』を常備してないとヤバい事になる白だ。

そしてこれはアリーナンではなく白が使った魔法。

アリーナンの劣化白ではなく、白のスペックそのものの可能性が高い。


取り敢えず、吹雪に乗り遅れ、手の平で右往左往している豆白を胸ポケットに納める。


「……白。急いであそこまで行きたいんだ。前にいるアホウ共をどかしてくれるか?」

俺は王城を指さしながらそう言った。


「み!」

「ぴ!」

「…!」

…何故テンとチビスラが反応する。


「み~…、み!」

何かしらの号令を出す白。

次の瞬間、吹雪いていた豆白達が一斉に俺達の足元に集まりだす。


「ほぅわ!?浮いてる!?飛んでますよ!鬼さん!!」

そう言いながら、首元まで豆白に包まれるチビ勇者…。

おい、まさか…。


「えっ!?ぼ、僕もですか!?ひゃっ!そこは駄目です!あっ…」

おい、豆白。俺と代われ、飛べないけども。

つうか、ソルファもいい声出してんじゃねぇよ、そそるだろうが。


「おー。なんか極上の毛布みたい。あったかいわー」

色気も何もないコメントを有難う、腐敗。

一気に頭が戻ったわ。


「この際、形はどうでもいいか。急いでくれ白。今はカートスとルナが心配だ」

「み!」

任せろ!と言わんばかりにフンスッと鼻を鳴らす白の成長が少し嬉しかった。


まさか、雪だるまのような形状で空を飛んで王城に向かうとは思わなかった俺だった…。


Sideout

白魔法で季節感を出してみた。

本当はクリスマスに上げたかったこの話、時間が無くていまになっちゃた。


byミスター

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ