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猫守紀行  作者: ミスター
103/141

拉致監禁、そしてスピード脱出

書き上がったので投稿。


次回は未定。


かなり遅れるかもしれません…。


byミスター

ルナside


「…そろそろぶった斬っていいじゃろうか?我は面倒になってきたぞ」

カートスと背中合わせになりながら、そう呟いてみた。


「僕様も面倒だけどね。流石に街中で『ファストザンバー』を放つ訳にはいかないし…」

我はそこまで言っておらんぞ。


殴っても殴っても沸いてくる雑兵。

吹き飛ばせば吹き飛ばすだけ「神敵撲滅!」と向かって来る教会の者たち。


アツタール・ハイネ・バットネンとかいう貴族は余裕綽々に笑みを浮かべておる。

…手加減にも限界があるんじゃぞ?

こっちは殺さぬように頑張っとるんじゃ!力を入れると砕けるんじゃもん。

脆過ぎじゃおぬし等!もっと鍛えろ!


…まあ、最初の何人かは逝っとるかもしれんが。

まあ、ランクAの我等に剣を向けたのじゃから、それなりに覚悟はしとろうよ。


「…バットネンとやら。目的はなんじゃ?チビ助を人質に取るでもなく、連れ去ったのじゃ。相応の理由があろう?」

カートスによると。犯人は教会の服を着とったが元武神のメンバーらしい。

恐らく雇われたんじゃろうが、このバットネンは攫われるのが分かっていたかのように動揺が無い。

バルクが雇ったかと思ったが、コヤツの方が可能性としては高い。


「はて?何のことでしょうか?勇者様は教会の人間が救出したではありませんか」

(武神のメンバーの顔を見られましたか…。勇者様には、王の即位の為に教会との交渉材料になって貰いたいですし。この場で人質に取って教会とは敵対したくありませんからね。態々扮装させて手柄を教会にあげたんですから、交渉まで穏便に済ませたいものです)


「ふむ、白を切るか…。カートス、このレベルの敵にどの位持つ?」

「え?うーん…。ご飯や精神的な疲労を考えなければ『いなくなるまで』かな?……え?全滅させるの?」

うむ、参考にならんの。

まあ、そっちの方が速いんじゃけどな。

フリーナの治める国でそれもどうかと思うのじゃよ。

しかし、二人で持久戦をしても勝ち目が見えるとはの…。


「いや、持久戦をすると正規軍が出てくるか。パー子は何処に行ったんじゃ!」

チビ勇者を追おうにも、あ奴を置いていく訳にはいかん……パー子なら平気かの?

でものぅ、流石に捨て置くのはのう…。


そうじゃ!離脱してからハチカファに連絡を入れてもらうか。

そうと決まれば…。


「行くぞ!カートス!」

「え?パークファちゃんは?あ、そっか。後で連絡入れればいいか。分かった」


「囲まれているというのに、何処に行こうというのですか?」

バットネンは、アレじゃな。

実戦をしらぬ貴族じゃの。


「クフフッ!カートス、聞いたか?この程度で囲まれておるらしいぞ?」

「私兵団と教会騎士だけじゃ、ね?連携もなってないし穴だらけだよ。あんまり時間を掛けると正規兵が出てくるし……行こうか」

我は闘気を放ち、カートスは武神の顔になる。


確かあっちじゃったよな?

二人で同じ方向に走り出す。邪魔な者は蹴散らしての?

最近イチナに思考が似て来た気がするんじゃが……まあいいかの。


少々出遅れたからのう、追いつけば良いんじゃが…。


Sideout




光樹君side


「むぐ~!む~む~!!」

拉致られた!初めての拉致に身がすくんでしまう。

それでも声をあげないと、誰にも気づいて貰えない。

そう思って必死に声をあげた。

そもそも、何処に向かってるんですか?まさか売られちゃう!?


「落ち着いてください勇者様。我々は味方です」

そう言うのは僕を担ぎ上げて走っている男の人。

見た目は、もろヤの付く自由業の方だ。


「そうそう、ちょっとガラが悪いけどバットネン侯爵に雇われたお味方ですよ。なんで攫ったかとか聞かないでね?屋敷に連れてけくらいしか聞いてないから」

そう言ってゲラゲラ笑うのは僕に布を噛ませて一瞬で縛り上げた張本人。

こっちは、チンピラさんです。間違いなくチンピラさんです。


この人たちは、絶対に味方じゃない。

僕はそう確信している。

だって、この人、縛り上げたんですよ!亀甲縛りですよ!?変態じゃないですか!


「…カートスさんがいたな。貴族様は勝てると思うか?」

自由業さんが、足を止めずにそう言った。

カートスさんを知っている?…カートスさんは親分さんだったんですか?


「んー?本気で戦う事になったら俺等も出されるんじゃね?でも街中では無茶はしないだろあの人……!」

チンピラさんが突然止まって、自由業さんを手で制した。

それに応じて、身を隠す自由業さん。


僕はなんとか首を伸ばし、何が起きたかを確認しようとする。

あれは…、シーバンガの正規兵!

なぜかフルフェイスのメットだけど、あの鎧は間違いない!


「ちっ!巡回ルートじゃないだろここ!」

チンピラさんが悪態をつく。


「む~!む~!」

「お静かに」

そう言うと僕を肩から降ろし、当身を食らわせる自由業さん。


意識が…、遠のく…。


「意識を飛ばしてくれたか……好都合でござる」

遠のく意志の中でそんな声を聴いた気がした。


Sideout



チンピラさんside


「意識を飛ばしてくれたか……好都合でござる」

なんだコイツ…。

全身シーバンガの正規の甲冑で固めてるくせに足音がない!

コイツは正規兵じゃない!


「ガッツォ!おちび担いで人のいる処まで戻れ!暗部の類だ!」

明らかに堅気じゃない相棒に声を掛けながら、最小の動きで手に付けたガントレットで頭と首を守る。

キンッ!とガントレットに何かがあたる。


「よく飛針を防いだでござるな。経験則でござるか?下っ端と思っていたが中々。しかし、防げたのはお主だけのようでござるよ?」

ハッとしてガッツォを振り返る。


「ギニス!ブラフだ!」

勇者を小脇にかかえたガッツォが叫ぶのが見えた。

まずった。そう思った瞬間には俺の腹から剣が付き出ていた。


何の変哲もない魔力を纏わせただけの兵士の剣。

しかし、その魔力の色が…。


「銀…だと!?お前、勇者か!」

ガッツォが声をあげる。

おれは肺を貫かれ、剣に纏わせている魔力が毒のように体を蝕む。

そのせいか、声が出ない。


「いやいや、拙者はしがない雇われでござるよ?依頼主からはファルナークの援護と言われているが、貴族の屋敷に入られては面倒でござるからな。心配しなくてもうちの部下がちゃんと送り届けるでござるよ?…教会まで」

教会だと?コイツ、バルクの…!


「勇者殿には餌になってもらうでござるよ。ファルナーク達と王女陛下に謁見してもらわねば、こちらの仕事が完遂出来ないでござるからな」

あんだけ大騒ぎになってそんな事出来る訳ないだろ!?

くそ、思考が纏まらない…。

ここまで喋るって事は、生かす気は無いって事かよ…。


そんな背後からの声と同時に引き抜かれる剣。


「そういう訳で、武神のコバンザメには、ご退場願うでござるよ」

背後から吹き抜ける一陣の風は、おれの首を裂き。

離れた場所にいるガッツォの首を一瞬で落とした。


…速すぎる。

コイツを相手にした時から俺達は詰んでいたんだ。


男は、隠れていたシーバンガの正規兵の鎧を着た部下達に淡々と指示を出し。

一人だけ死体の処理のためにその場に残し、勇者の首に掛かった戻り水晶を外してから部下に勇者を預け、ガッツォを殺した男はその場を離れた…。


その光景を見ながら、止めどなく溢れる血と冷えていく体を感じ、おれは瞼を閉じた。


Sideout




パー子side


広場での戦闘が始まってからすぐにハイドハンカチーフで身を隠したパークファ。

体育座りのまま吹き矢を構えるが、光樹の拉致にいち早く気付く。


「……追跡…開始」

その場から立ち上がり、近くの家の屋根に上がりトコトコと足音をさせながら追跡を開始する。


途中ハチカファから連絡が入り足を止め見失うも、光樹を担いだ正規兵を発見。


「……?…教会?…これは…行くが…吉」

正規兵が入っていった教会の裏門へとハイドハンカチーフを尻に敷き。

引き摺りながら侵入するのであった。


Sideout




ルナside


確かこっちの方に来たと思うのじゃが…。


「ファルナーク、流石に追手が多いよ。このままじゃすぐに見つかる。一回減らそうか?」

「まあ、ここまで騒ぎになると謁見どころでは無いかの。無視じゃ無視!チビを拾ってホームに戻るぞ!」

ハチカファにも連絡は入れたから、パー子は戻っておるはずじゃしの。


「うん、そうだね…!正規兵だ、どうする?」

進行方向に正規兵が見えた。

…人数は一人のようじゃな。


隠れてやり過ごすか?……目が合ってもうた。

む?手招きされたぞ?どういうことじゃ?


「ファルナーク・サリス様ですね?先ほど『保護』した勇者様よりお話は伺っております。裏門より入り、謁見の間まで行くようにとの事です。謁見の間までの兵は心配なさらぬようにと」

フリーナからのメッセンジャーか?

しかし何故コヤツは顔を隠しておる?

……怪しいのぅ。


背後からはドカドカと大勢の足音が聞こえる。

…むう、後ろを蹴散らしてそのまま逃げる事も出来るんじゃが。


コヤツは勇者様を保護したと言いよった、教会の扮装をした者が連れておった筈のチビ助を、じゃ。

バットネンの部下ならともかく、見た目は教会の人間じゃったしな。

少なくとも正規兵が保護する必要は無い筈じゃ。


縛られとったし見つけたら詰問くらいはするかもしれんがの。

相手は教会、正規兵でもシェルパならともかくシーバンガでは強く出れん相手じゃ。


「勇者様は王城にてお待ちです。お急ぎを」

…罠、かの。


「…ファルナーク、時間が無い。行くか蹴散らすか決めないと」

すごい怪しいけど。と付け加えるカートス。


「ああ、それと勇者様からこちらを預かっております。どうぞ」

そう言って渡してきたのは…!

チビ助の戻り水晶!これを渡すという事は有りえん!

我が生命線じゃと教え込んだんじゃからな。


チビ助の事じゃから、まだ聖剣の方が分かるわ!


「カートス。行くぞ、どうあっても城に行かせたいらしい」

「そうだね、急ごう。時間も無いし……コイツを殺す時間も勿体ない」

あまり脅してやるなカートス。

たかがメッセンジャーじゃ、殺す価値も無い。


正規兵からチビ助の戻り水晶を奪い取り、城の裏門に向かって走り出す。

チビ助が本当に城におるかも怪しいがの、行くしかあるまいよ。


Sideout



「……行きましたか。いやー面倒でござるな、ランクAの冒険者というのは。やっぱり拙者は腹芸より暗殺の方がいいでござる。さて、次に移るでござるか…」

正規兵はそう言ってその場から風のように消えたのだった。



光樹君side


「ここでしばらく大人しくしていろ」

「ギャフン!」

正規兵姿の男に連れてこられたのは薄暗いまるで牢屋のような部屋だった。

男は僕を放り込んだら鍵を閉めてそのまま出て行ってしまった。


「ここ、どこですかぁ!?」

「教会の地下牢です。昔は魔族を拷問するために使われていた場所ですよ」

………へぁ!?何かいる!?

声がする方へと慌てて振り向く。


「だ、誰ですか?…あ、僕栗原光樹って言いま、す?…ほわぁ!?」

するとそこには、身動きを封じられたガナと名乗る男が胡散臭い笑顔で鎖で天井から吊るされていた。


「これは、ご丁寧に…。マシマス・ガナと言います。パレサートの暗部で隊長をしていた者ですよ」

し、衝撃的な光景です…。

男の人が胡散臭い笑顔を浮かべて鎖で吊るされちゃってます…。

…じゃなくて!


「あわ、あわわ…。す、すぐに降ろします!」

「ああ、お構いなく。無駄に労力を使うことも無いでしょう。一応、私は勇者北条の身代わりとして此処にいますから、逃げる気も無いですしね。逆星の勇者は…、北条はちゃんと目的地に着きましたか?投獄されているものでその間の情勢が分からないのですよ」

ええ!?…ええっとぉ。


「すいません、知りません。っていうか、その勇者様何したんですかぁ!?」

身代わりでこんな仕打ちを受けるとか、本当に何したんですか!?


「いえ、勇者の立場を盾に他国でやり過ぎただけですよホウジョウ様は。この国の騎士の妻を5人と教皇お気に入りのシスターを2人手籠めにしたり、気にいらないという理由で新婚の生活を破壊しただけです。女性被害を上げるだけでこれですからね、他の事は少々洒落にならないので控えさせていただきます。闘技都市の件で呼び戻されなければ刺されて死んでいたかもしれません。それで、この国の勇者様が何故このような処に?」


…わあ、ひどい。

何考えていたんでしょうか、その北条さんって…。

………あれ?もしかして一時期シーバンガで騒ぎになったやつの事?

騒ぎになったけど情報が一切入って来ない変な事件だって新聞屋さんが悔しそうでした。


その頃僕はザッカイス師匠にしごかれていたから、詳しく知らないけど女王陛下が珍しく怒っていたのだけは覚えています。


箝口令ってやつでしょうか?…箝口令ちょっとワクワクする響きです。


「勇者コウキ殿?どうなされましたか?」

そう吊るされた状態で聞いてくるガナさん……あれ?僕が勇者だって言ったっけ?

その疑問が顔に出たのか、胡散臭い笑顔で答えてくれるガナさん。


「纏う空気が違います。その名前の響きも我が国の勇者に似ている。その油断しかない立ち振る舞いも」

ひどいっ!?


「これでも頑張ってるんです!ファルナークさん(女神様)に教えを請うたり、白ちゃん達にいじめられたり!頑張ってるんですよぅ…」

うぅ、天国のザッカイス師匠、どうやったら女神様との鍛錬でボコられずに済むか教えてください…。


…あれ?ガナさんの顔色が急激に悪くなってく?

やっぱり吊るされているのは、体によくないと思いますよ?


「……ファルナーク殿に白だと…!勇者コウキ殿、早急に此処にいる理由を!早く!それと、今までの状勢を知っている限り教えてえ頂きたい、…手遅れになる前に!」

えーと…?ガナさんは、なんでこんなに焦ってるんでしょう?

いえ、本当は僕も焦るべきなんですけど…。

なんでしょう、一南さんと係わるようになってから理不尽な事に関して無駄に達観してきた気がします!


「はい!分かりました……」

僕はガナさんに説明を開始した。

話していると、「やはり」とか「まずい」とか小声で合いの手を入れてくれる。

むむ、中々の聞き上手ですね!


でも、最終的には無言になってしまった…。


「…あの、ガナさん?大丈夫ですか?」

胡散臭い笑顔はなりを潜め、吊るされたまま無表情で遠くを見つめるガナさん。

…とても怖いです。


「ふぅ…、大丈夫です。しかし、これで納得しました。本来なら私は王城の牢屋で過ごすはずでしたが、教会に移され『教皇補佐』の元で働くよう勧誘されていました。なるほど、パレサートの情報……いえ、『手』が欲しかったという事ですかね?…どうでしょうか?」

えぅ!?僕に聞いてるの!?

えーと、えーと…。


「いやぁ、手「分かりません!」……」

あれ?


「…誰ですか!?」

今、扉の外から声がした!?


「気づいてなかったのですかコウキ殿…」

ガナさん、無表情なのに呆れた視線だというのが分かるのが辛いです…!


「…話してもいいかな?声だけで失礼するよー?僕が噂のバルクくんでーす!今は用事があって部下が魔法で声だけ届けてるけど勘弁してね?」

扉の向こうから軽薄そうな声が響いて来た。

あれ?もしかして、僕をここに入れてからずっとそこに人がいたの?


「バルク・ガンズィーナ…。貴様、どういうつもりだ?あの男を敵に回して無事に済むと思っているのか?」

あ、ガナさんの口調が変わった。

こっちが素なのかな?


「パレサートの暗部筆頭の君を生かしているのは、『彼女』が欲しいからさ。それにね?彼は今『世界の敵』なんだ。そんなのがシーバンガに来たらどうなる?全軍動かすには十分な理由になるよね?それに、『国』が襲われたとなれば他の国も動くしかない。彼、頭が悪いわけじゃないからね、動けないはずさ」

…彼って、鬼さんの事かな?

彼女って誰だろ?


「おっと、そろそろメインのご到着だ。これから勇者様を餌にして誘導した、『賞金首』のファルナークとカートスが女王陛下と『友好的な謁見』をするのさ。非公式だけどね?そこに強権を持つ教皇とその補佐が偶然現れたら……どうなるでしょう?じゃあねー!」

バルクさんの声は聞こえなくなりました。


「…少々拙いですか。教皇を引っ張り出すとは。弱味を握られたうえで教皇に命じられたら恐らく逆らえないでしょう…」

(しかし、『彼女』か…。間違いなく予知巫女の事だろうな。恐らく予知巫女の護衛が俺の妻であることもばれている、か。…しかし、本当にアマサカ殿が思った通りに動くと本気で思っているのですかね?……早めにここを脱出しなくてはいけませんか。外道の罪の肩代わりより大事な用が出来ましたからね)


「そんな…!」

僕のせいで…、どうしたら…!


そんな時、扉の外からぐぐもった声と何かが崩れ落ちる音が聞こえた。

次の瞬間、トコトコという足音が何処からともなく聞こえてくる。


「あ、この足音…」

僕には聞き覚えのある足音だ!


「この間抜けな足音は…、パークファ・パニャック、か?」

あれ?ガナさんも知ってるの?


「……ちーす…いる?」

そう声を掛けているパー子さん。

でも、多分それ隣の部屋だと思います。


「こっち、こっちですよぅ!」

「……おお!…分かっていたさ」

絶対に分かってなかった。賭けてもいいです。

ガチャガチャと扉を開ける努力をするパー子さん…。


「……ふう…開かない。…でも居場所は掴んだ。…イチナに連絡…これでかつる」

「待て!早まるな、パークファ!鍵を探せ!そこにお前が倒したバルクの部下がいるだろう?まずはそれから調べるんだ」

ガナさん、必死ですね。


「誰?……?おかしい。…気絶針のはず…今しょっきんぐぴんくで……あ」

あってなんですか!?なにが起きたんですか!?

むしろショッキングピンクってなんですか!?


「……蛍光いえろー…目が痛い」

なにが起きてるんですか!?


ごそごそとパー子さんは鍵を探してくれているようだ。

しばらくすると扉からガチャリと鍵のはずれる音が聞こえた。


「……みっしょん…こんぷりーと」

助かった…!

そうだ、ガナさんは!


まるで何事も無かったかのように繋がれていた鎖から外れ、地面に降り立っていた。

思わずポカーンとしてしまった僕は悪くないと思います。


「何を驚いているので?あの拘束から出られなければ体が鈍ってしまうでしょう?自己鍛錬をしてからまた自らで拘束を付け直す。それが、ここでの生活での基本でしたから。私には精神耐性も有りますし、洗脳は利きませんからね、拘束するしかなかたのでしょうが」

隷属の首輪を使われなかったのは運がいい。そう呟くガナさんでした。


「さて、申し訳ないですが、私はパレサートに戻ります。やることが出来ましたから」

(バルクがあそこまで簡単に情報を漏らすという事は、すでになにかしらの手を打っているという事だろう…。奴の狙いが予知巫女ならば一番近くにいるカテボニが危ない…)


「ええっ!一緒に行かないんですか?」

「ここを出るまでは付き合います。ですが、身勝手ながら妻が心配なのですよ」

(それに、早いか遅いかの違いだけでアマサカ殿はこの地に来るだろう。そうなるとバルクの手勢が潜んでいる可能性があるパレサートでどういう動きがあるか分からない。此処にいるバルクが本物という確証は無いのだから…)


「分かりました、奥さんが心配なら仕方ないですね!」

「……たんじゅん」

「むー、いいじゃないですか。ガナさんは愛妻家なんですよきっと!自分のお嫁さんが心配じゃない旦那さんはいないんです!……あれ?」

これって、イチナさんにも当てはまるんじゃ…。


「……ふぁる姉は…もう向かってると思う」

「…まずは聖剣を探しましょう。恐らく城に向かう途中で戦闘になるはずですから。……別れた後でと思っていましたが、早々に呼んだ方が良いかもしれませんね」

ぐふぅ、僕の方を見て言わないで下さいよぉ…。


「さあ、動きますよ。連絡が取れるならとってください」

「はい!」

「……やー…ところで…ゆーは誰?」

今聞く事!?

青筋浮かべて「ガナです。貴方の元上司ですよ」と挨拶するガナさんは少し怖かった。


薄暗い廊下で良く目立つ、吹き矢が刺さった蛍光イエローの肌の見張り番を乗り越え、僕達はその場から走り去るのだった。

……どうやったら肌の色が蛍光イエローになるんですか!?


Sideout

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