そと
俺、いなくて寂しい?
笑いながら、でもどこか少し真剣そうに彼は私に言った。
……すごく、寂しかった。どこにも行ってほしくなかったんだ。だけど私は。
さみしいですよ。
笑って、彼に言ってしまった。
大好きな人なのに。
留めておくのは、私では無理で。どれだけ頑張って引き止めても彼は歩いて行ってしまう。
私を置いて。
昔は何度も振り返って引き返して私に手を差し出してくれた。
それはとても嬉しかった。だから、彼のいなくなった世界で私も誰かに手を差し伸べられるように。
誰かに私がいなくてさみしいと言ってもらえるように。
書き終わってから、思いました。
「さみしいと言ってもらえるように」
これって「私」もいつか去ることが前提かつ、誰かに自分と同じ想いを抱いて欲しいってことだ。
世界がMMORPGであるなら去ること(引退)は仕方なくても……どうなの?
少なくとも、自分が嫌だなーと思ったなら他の人にすべきじゃない!
というのは一般論ですが。
その想いを他人に望むのはやや違うんじゃない?
なんて、自分で書いてもろ「私」に突っ込んでしまったのでした。
まぁ、それでも「私」が思ったことは私自身も抱えてるもので、私が離れたらさみしいと思ってもらえるくらい、その人と関わっていい関係をつなぎたいと思ってるんだよな。
MMORPG絡むと延々もやもや考える書き手でした。