別に俺は伝説の勇者になりたいわけでも何処かしらの幸せ主人公になりたいわけでもなく、ただこの下手な物語を終わらせたかっただけだ。
世界というものは.....
世界は存在している。
それいくつ存在するか。
本来は知ることができない、否、知ることさえできない。
世界というものは、一つの独立している星を指すものではなく、太陽系、銀河系、宇宙をすっ飛ばしその外にある人類が行くことなど不可能に近い空間___この世界では神の領域とかなんとかいうらしいが、わかりやすくいうと異空間ってところだ___を含め、一つの時空のことをいう。
多次元宇宙というものを知っているだろうか。
いくつもの世界が存在し、それぞれが並行の関係にあり決して干渉することのないという理論。
つまり、この世界の他の世界、異世界は存在するが、交わることなどない、よって知ることはできないということだ。
世界は無限に存在する。
『.....朝だぞっ☆起っきろー!』
唐突に、暗い部屋に声が響く。
カーテンの隙間から、線のような光が洩れている。
「うぅ...........」
白雪深捺は、布団の中で吐息をもらす。
「っう.....ぁあ!」
布団を剥ぎ取り、上半身を起こす。
と、布団と体の隙間に美少女が....
影も形も無かった。
まあ、当然だ。
あの美声は、アラームから出たものだ。
さてさて、俺こと、白雪深捺の日常だが、そう大して特徴があるものでもない。
かと言って、平凡中の平凡、普通の中の普通、というほど平均的でもなかったが。
まあ、それなりに退屈な生活だったとは言えるだろう。
この、馬鹿みたいな平和な日常から脱出したい、そう、思っていた。