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第1.5章

俺とティタさんは毎日、町をパトロール(散歩)して、困っている人に回復魔法を振りまいている。ただ、これはティタさんの気持ち次第の気まぐれなものだが。


「ティタさん、今日はめずらしくたくさんの人を回復したね。どうしたの?」


「そうなんですよ! 明日以降雨が続くみたいなんです。だから前倒ししちゃいました!」


『おいおい、雨振ったら中止なんかい。お前は役所の人か! ……というか天気予報見てるんだ、ティタさん。案外庶民的だなあ』


 このティタさん、金色の髪、透き通るような青色の瞳を持つ驚くほどスタイルのいい美人で、声も包み込むように優しいため『女神なのでは?』と思うこともあるのだが、行動はいたって普通の人間そのものであり、性格もかなり天然なので、何か一緒にいてすごく心地がいいのだ。


 この前など、大好きな猫を追いかけるあまり、パトロール中に俺のことを置いていったばかりか、数時間後、服をぼろぼろにして帰ってきた。


『猫が通る道をそのまま、入っていったんだな。どこまで追いかけたんだよ……』


「その服さ、魔法で回復できないの?」


「だめなんです。私の魔法は生きてるものにしか効かないのですよ。」


 ティタさんはそう言いながら、いそいそと針仕事をはじめ、あっという間にほころびを元に戻していった。


『何だ、この手馴れた様子は。今回が初めてじゃないな、服の修繕……』


 そんなことを考えながら、ふとカレンダーを見ると何やら明日の日付に丸印がついていた。


『登山デビュー。ノボルもデビュー』   


 なんだこれは……

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