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MADLOVE  作者: ララ
9/14

スキってこと

昼になってチャイムが教室に響き渡る。




みんな待ちわびたように席をたち弁当を広げたり席を移動したり。




蓮がおれにむかって声をかけてきた。





「お前今日弁当?」





「うんん。購買」





そういうと蓮は「俺も行く」といった。





でもそれは今日は困る。





戒に用があるから。





「ごめん。おれ戒のとこ行ってくるから先いってて?」




そういうと蓮はすべて理解したような顔をした。





「ああ。OK。頑張れよ!」




そういっておれの肩を叩くと教室からでていった。





おれも教室をでて戒のとこへ急ぐ。





どっかいかれちゃったら困るから。





F組の教室を覗き込むと戒はいた。





「戒!」





戒はすぐこっちをむいた。




そして笑っておれのとこにくる。





「モモ!」





名字からとって「モモ」ってよぶのは戒くらいだから一瞬変な感じがする…。





「うん。あんね、話あるんだけどいい?」





そういうと戒は「いいよ」といって教室からでておれの横にたった。




購買によって昼ごはん買って、おれはあんま人のいないとこにいこうとした。





きょろきょろしてるおれをみて戒が不思議そうな顔をする。





「な〜にキョロキョロしてんの?モモ」





ひょこっとおれの前に顔をだしてくる戒は少し幼く見えた。





「ん〜と…あんま人のいないとこ行きたいかな〜なんて…」





えへへっとごまかして笑うと戒は少し何か考えたような顔をした。





それから急に笑顔になって玄関のほうを指差す。





「じゃあ外行っちゃう?」





「え〜〜〜〜???」






当然うちの学校はそんな昼休み中に外でたら怒られるわけで、戒は絶対授業をサボる気だってこともわかってた。(少なくとも5時間目は)





そんなわけでおれは迷ったけどどうせ5時間目の授業もろくにきいてられるわけなかった。




鈴ちゃんのことがきっと頭から離れない。





「な?いこーよ!大丈夫だって♪ぜーったいみつかりっこないよ」





戒が「ね?」といっておれをみる。





「でも…見つかったらやばくない?」




そういってチラッと戒をみると戒はなんの心配もないといったように笑ってた。




「大丈夫だって!みつかったら俺の所為にすりゃいいじゃん!」




戒はそんなこともあっけらかんという。




おれが人の所為になんかできないの知ってるくせに…。





「えー…?そんなの…。え〜…?」





それでも渋るおれをみて戒は少しイライラしたのか「別に良いけどさ」といって玄関のほうから引き返してくる。




それを見てなぜか決意がわく。




「まってまって!いくよ。外」





そういうと戒はにっこり笑ってこう言った。





「そうこなくっちゃ!」




玄関から門をでるまでは本当に生きた心地がしなかった。




いつ後ろから先生が追っかけてくるかってすんごい心配になった。




何度か振り返ったら戒が「振り返ってないで早く突破しちゃおう」といっておれの腕を引っ張ってくもんだからおれは引きずられるようにして学校をでる羽目になった。




大丈夫。




サボるっていったってちゃんと6時間目には戻ってくる。




その間どこにいってたかきかれれば、腹が痛くてトイレにいってましたとか言えば良い。




そんなことを考えながら戒についていく。





戒は時々後ろを振り返っておれを確認すると笑顔をみせた。





着いたところは昨日の公園。




小さい子がちらほら家に帰ってく。




もうお昼だ。




戒はこどもがいなくなってすぐにブランコをとった。




「モモ!ここで飯食おうよ」




そういってブランコをキイキイ揺らす。





なんか小学生みたい。





そういおうかと思ったけど怒られそうだからやめた。




ブランコに座るとなんだか子どもの頃に比べてブランコが低くなったように感じた。




背…伸びたんだな。




隣では戒がものすごい高さでブランコをこいでいた。



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